今日でお別れします

なかな悠桃

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頭上で鳴るスマホからのアラーム音を寝惚けながら碧は停止ボタンをタップする。閉まっているカーテンを開け太陽の光が眩しくしょぼしょぼの目元を擦りながらスマホのメッセージ画面を開く。昨夜、貴斗へ送信した内容に既読は付いていたものの返信は返ってこないままだった。


『桐野さんも同じ気持ちだと思うけど...このことは内密に』

昨日、徳田に言われた言葉に無論異論はなかったが貴斗との関係を言いそびれたせいで彼に内緒になってしまう行為に頭を悩ませていた。

(貴斗と徳田くん相性悪そうだしなー、このこと貴斗に言ったら多分...いや絶対反対されそうだし...それに徳田くんのもう一つの顔のことも言わなくちゃいけなくなるからそれはそれで徳田くんに迷惑かかるし...はぁ、どうしよ...とりあえず徳田くん見つけたら貴斗とのこと言わなきゃなぁ)

碧は深い溜息を吐き寝ぐせで跳ねた前髪を押さえながら洗面所へと向かった。


そろそろ家を出る時間になりその前にもう一度スマホの画面を確認するが貴斗からの返事はやはりなかった。

(そういえば昨日病院行くって言ってたけど、もしかして何かあったのかな...)

昨日の午後からの行動といい連絡がないことが重なり碧は少し不安になりながらも家を出る時間は刻々と迫り駅へと向かうため家を出た。


「おはよー」

家を出てすぐに背後から聞き覚えのある声が聞こえ振り向くと大きな両手が碧の両頬を挟んできた。

「てゃひゃと?!」

いきなりの行動に驚きで目を見開いた表情と挟まれたことで口元を突き出しちゃんと喋れない碧の姿に貴斗は勢いあまって噴き出していた。

「ははは...めちゃめちゃビックリしてる顔、ちょっとツボッた」

「もうっ!いきなり何すんのよ!!」

碧が貴斗の胸元を押し離れると貴斗は笑いながら謝ってきた。

「貴斗、右手」

「そっ、昨日取れたんだ、っていってもまだ完治ってわけじゃないから重いものとか持ったりしたらダメとは言われたけど普通に生活する分には問題ないって言われた」

右腕を軽快に動かしながら碧に見せていた。

「そっか、よかった。昨日連絡なかったし何かあったのかと思って」

「ごめん、返さなきゃって思ってたんだけどタイミングなくて既読スルーのままにしちゃってた」

貴斗は辺りを見渡し碧の手を繋ぎそのまま通りから死角になる建物の陰へと連れて行く。

「ねぇ...電車一本遅らそ?」

その言葉と共に碧の腰に手を回しぐいっと引き寄せ抱き締めた。

「ちょっと何やって、たか、んっ」

柔らかくしっとりした口唇くちびるが碧の口唇と重なり少し開いた口許からぬるりと濡れた舌が碧の咥内に侵入してきた。貴斗の舌が這いまわる度、碧から漏れる切なげな息遣いに貴斗は欲を深めていく。
くちゅ、ちゅっ、ぴちゃ...厭らしく粘膜が絡む水音は碧の鼓膜にも伝わりその音で身震いし意識的に身体を強張らせた。

(外なのに...誰かに見られたら)

碧の脳裏にある微かな抵抗は貴斗の動きでどんどんかき消されていく。貴斗の指先は碧のブレザーの釦を一つずつ外し中のシャツの釦も上からゆっくり外していくと下着越しから柔柔と膨らみに触れてきた。口唇から離れると頬、首筋に貴斗の口唇と舌先がなぞるように下りていく。

「はぁんっ、たか、と...擽った...っんあ、痕つけちゃ、だめ」

「大丈夫、脱がない限り見えないとこだから」

貴斗は上胸辺りを強く吸い上げチリっとした甘い痛みが碧の神経を襲う。胸元が露わになるほど釦を外され更に口唇と舌が這い回る。開かれた胸元に貴斗は人差し指と中指でカップ上辺を引き下げ中から隠されていた小さな突起が現れる。

「やだっ...これ以上は「しっ!誰かに気づかれちゃうよ」

貴斗は耳元で囁きそのまま胸元に“ちゅっ”と軽く口づけをする。すっと口唇が離れると同時に碧は声が漏れないよう片手で自身の口許を押さえた。貴斗から与えられる刺激に耐えながらも露わにされた先端は恥ずかしさと昂奮が入り混じり硬く腫らしていた。

「んぅ、ふっ...んんーっ、」

貴斗の舌先は焦らすように一番敏感な部分を避け円を描くようにぬらぬらと周りに這わせる。もどかしい感覚が更に昂奮させ碧は脚をガクガク震えさせるが貴斗はお構いなしに嬲る。更に貴斗の太腿が碧の脚の間に入り込みショーツの上から敏感な部分をぐりぐりと攻め立ててきた。

「っん!...ぁあん、はぁ...ん、んァ!!」


下半身に意識を持ってかれていると今度は貴斗の熱い舌が先端をゆっくり弄ぶようにペロペロと舐め上げその度に碧から熱い吐息が漏れた。貴斗は碧に気づかれないよう軽く笑みを浮かべ硬い先端を口の中に含み強弱をつけながら吸い上げ同時に下半身をも攻めていった。

直ではないが腿で強く擦られるたび身体を大きくビクつかせ、碧の胸と下半身はこの上ない疼きに経験がほぼない碧にも限界が近いことが理解できた。

「碧、俺が欲しい?」

屈み込んだ姿勢になり上目遣いで見上げる貴斗を碧は滲んだ目元で見る。歪み霞んで見えにくいはずが意地悪そうに笑みを浮かべている表情は汲み取れた。碧は少しずつ意識が戻り気付かぬ内に口端から流れていた唾液を手の甲で拭う。

「...サイテー」

胸が上下に何度も揺れ、乱れた呼吸を整えようと軽く深呼吸をし貴斗を睨みつける。貴斗は嬉しそうに乱れた碧の制服を手慣れた手つきで直していった。

「碧が今感じたこと俺はいつも碧といる時こういう状態になってるってことわかって欲しくてね。約束した通り内緒にはするし学校ではなるべく接しないようにするけど......今だけ俺の我儘許して」

優しく抱きしめられふわりと貴斗から香る香水が碧の身体を包む。貴斗の心音に心地よさを覚え碧も貴斗の背中に手を回した。

「俺、碧に対して見境ないくらいエッチだし正直もう我慢の限界...早く碧が欲しい」

先程の上目遣いから今度は綺麗な顔に見下ろされ視線を逸らすことが出来ず碧は貴斗を注視していた。

「あ、あのね...わた「あっ!そろそろ時間ヤバいかも!!」

貴斗は自身がしている腕時計を見ると慌てたように碧の手を取り駅へと走り出した。

「この時間なら多分もう誰もいないし駅付近になったら離れるから」

貴斗は走りながら伝え碧は引っ張られるようにダッシュで駅へと向かった。


(私だって...貴斗にいっぱい触れたいよ)

無意識に頭の中で過る言葉に体温が一気に上がり握りしめられた自身の手が熱く汗ばんでいくのが分かった。碧は濡れた掌を気づかれないか冷や冷やしながら頬を紅潮させ、貴斗の背中を走りながら見つめていた。
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