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第五話 先輩と後輩
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「とりあえず、自己紹介でもしますか」
少女を、個室に案内し、椅子に座らせて落ち着かせた後、彼は身分証明を求めた。
「私の名前は、クイーンズ・ラリファット・マリエルです。
マリと呼んでください......」
落ち着いてはいるものの、最初に会った時の元気は一切無くなっている。
「あなたは、何と呼べばいいですか?
ステータスを見た時、名前が未設定だったのですが」
「そういえば」というように、名前を設定していない事を思い出す。
だが、彼自信、己の名前を忘れていた。
記憶に、もやがかかったように、記憶がなくなっているのだ。
「そうだな......。名前が無いし、アンタとかでいいよ。
どうせ、二人しかいないんだし」
名前は、ある人と、ある人以外を区別するためにある。
よって、名前は必要なかった。
「おっと、そろそろ行かないと」
スライムが、そろそろ補充されているぐらい時間が経っていた。
個室のドアを開けて、外に出るとマリもついて来る。
「どこに行くんですか? って、うわぁぁぁぁぁぁ!」
大量のスライムは、初見では、きついはずだ。
「無理して、付いてこなくてもいいよ。すぐに、終わるし......」
スライムの集団を見て、気持ち悪がるものの、マリは首を横に振る。
「いえ、勉強させていただきます」
魔法ならマリの方が詳しいのだろうが、
彼はスライムの倒し方講座をすることになった。
今回のスライムは、緑色のスライムだ。
倒し方に、一番困ったスライムである。
「まぁ、緑スライムは、火とか電気が効かないから、
こうやって、まずは、水を含ませる」
水属性魔法で、スライムを攻撃すると、スライムは大きく膨張する。
「そして、氷属性魔法で冷やすと......」
───パキッ! バン!
水が、冷やされることによって、さらに膨張し、スライムの膜を破った。
一番面倒ではあるが、彼が個人的に一番スッキリする倒し方だ。
膨張させるスライムは、数を制限しないと、
どんどん膨張してしまうため、一気に退治することはできない。
彼は振り返って、マリの反応を見ると、大きな目をキラキラ輝かせている。
どうやら、何かに目覚めたらしい。
「わ、私もやってみたいです!」
「ご自由にどうぞ......」
(こいつ、スライム恐怖症にならないんだろうなぁ。)
マリの手伝いもあり、いつもより早く掃除が進んだ。
魔法は、火、水、氷、を備えているので、
他のスライムの時も手伝ってくれると約束した。
「ふぅ、一息つくか。緑スライムが出た後は、しばらく出てこないから」
「は、はい!」
彼が、この洞窟のスライムの事を教えるたびに、
マリとの関係は、先輩と後輩のようになっていった。
かわいい後輩とは、こういう子の事だろう。
「すみません。少し休んでいいですか?」
腹時計という物を失った僕は、
あれから何時間も経っていたことに、気づかなかった。
「あ、あぁ。休んでて」
僕は、隅にあるベットにマリを寝かした。
ちなみに、ベットは、岩石に持続性の軟化魔法を使って、
ウォーターベットのような物を再現して出来ている。
4回もの改良をした、僕の自信作であり、
マリは心地よさそうに、すぐに眠った。
さすがに、同じ部屋で寝るというのは、色々とマズいので、
二つ目の個室を造ることにした。
粘土作業に慣れていた僕は、一時間程度で、造ることができた。
さらに、最初に造った個室より、二倍位大きなサイズである。
その時には、僕も眠気が来ていて、
床を、薄く岩石で覆った後、持ってきた岩石に寝そべり、
軟化魔法を行使した。岩石は、僕の体に沿った形に、変形し始める。
(やっと、眠れる。)
そっと、目を閉じた瞬間に、ドアからノック音が聞こえた。
内心、「もぉーーーーー」と思いながらも、
細くなった目のまま、ドアを開ける。
そこには、もちろんマリが居た。
「何か用か?」
僕が、強く言ってしまったのか、もじもじとして、
何か言おうとしているが、ためらっている。
「寝むれないのか?」
「いや、ベットはとても気持ちよくて熟睡していたのですが......。
そ、その、お手洗いを、どうすればいいのかと思いまして......」
顔を赤くして、マリは言うので、
「適当にしてこい!」なんて言えるわけもなく、
洞窟の扉付近に、トイレを作った。
トイレと、言っても深い穴が掘られていて、
そこにスライムが落ちる仕組みだ。詳しくは、察してくれ。
その後、粘土作業で疲れ果てた僕は、倒れるように眠った。
目を覚まして、外に出ると、スライムが一切居なかった。
「あれ?」と思い、見渡すと、杖を片手にミサが額の汗を拭いているのが見える。
彼は、なかなか良いパートナーが見つけたらしい......
少女を、個室に案内し、椅子に座らせて落ち着かせた後、彼は身分証明を求めた。
「私の名前は、クイーンズ・ラリファット・マリエルです。
マリと呼んでください......」
落ち着いてはいるものの、最初に会った時の元気は一切無くなっている。
「あなたは、何と呼べばいいですか?
ステータスを見た時、名前が未設定だったのですが」
「そういえば」というように、名前を設定していない事を思い出す。
だが、彼自信、己の名前を忘れていた。
記憶に、もやがかかったように、記憶がなくなっているのだ。
「そうだな......。名前が無いし、アンタとかでいいよ。
どうせ、二人しかいないんだし」
名前は、ある人と、ある人以外を区別するためにある。
よって、名前は必要なかった。
「おっと、そろそろ行かないと」
スライムが、そろそろ補充されているぐらい時間が経っていた。
個室のドアを開けて、外に出るとマリもついて来る。
「どこに行くんですか? って、うわぁぁぁぁぁぁ!」
大量のスライムは、初見では、きついはずだ。
「無理して、付いてこなくてもいいよ。すぐに、終わるし......」
スライムの集団を見て、気持ち悪がるものの、マリは首を横に振る。
「いえ、勉強させていただきます」
魔法ならマリの方が詳しいのだろうが、
彼はスライムの倒し方講座をすることになった。
今回のスライムは、緑色のスライムだ。
倒し方に、一番困ったスライムである。
「まぁ、緑スライムは、火とか電気が効かないから、
こうやって、まずは、水を含ませる」
水属性魔法で、スライムを攻撃すると、スライムは大きく膨張する。
「そして、氷属性魔法で冷やすと......」
───パキッ! バン!
水が、冷やされることによって、さらに膨張し、スライムの膜を破った。
一番面倒ではあるが、彼が個人的に一番スッキリする倒し方だ。
膨張させるスライムは、数を制限しないと、
どんどん膨張してしまうため、一気に退治することはできない。
彼は振り返って、マリの反応を見ると、大きな目をキラキラ輝かせている。
どうやら、何かに目覚めたらしい。
「わ、私もやってみたいです!」
「ご自由にどうぞ......」
(こいつ、スライム恐怖症にならないんだろうなぁ。)
マリの手伝いもあり、いつもより早く掃除が進んだ。
魔法は、火、水、氷、を備えているので、
他のスライムの時も手伝ってくれると約束した。
「ふぅ、一息つくか。緑スライムが出た後は、しばらく出てこないから」
「は、はい!」
彼が、この洞窟のスライムの事を教えるたびに、
マリとの関係は、先輩と後輩のようになっていった。
かわいい後輩とは、こういう子の事だろう。
「すみません。少し休んでいいですか?」
腹時計という物を失った僕は、
あれから何時間も経っていたことに、気づかなかった。
「あ、あぁ。休んでて」
僕は、隅にあるベットにマリを寝かした。
ちなみに、ベットは、岩石に持続性の軟化魔法を使って、
ウォーターベットのような物を再現して出来ている。
4回もの改良をした、僕の自信作であり、
マリは心地よさそうに、すぐに眠った。
さすがに、同じ部屋で寝るというのは、色々とマズいので、
二つ目の個室を造ることにした。
粘土作業に慣れていた僕は、一時間程度で、造ることができた。
さらに、最初に造った個室より、二倍位大きなサイズである。
その時には、僕も眠気が来ていて、
床を、薄く岩石で覆った後、持ってきた岩石に寝そべり、
軟化魔法を行使した。岩石は、僕の体に沿った形に、変形し始める。
(やっと、眠れる。)
そっと、目を閉じた瞬間に、ドアからノック音が聞こえた。
内心、「もぉーーーーー」と思いながらも、
細くなった目のまま、ドアを開ける。
そこには、もちろんマリが居た。
「何か用か?」
僕が、強く言ってしまったのか、もじもじとして、
何か言おうとしているが、ためらっている。
「寝むれないのか?」
「いや、ベットはとても気持ちよくて熟睡していたのですが......。
そ、その、お手洗いを、どうすればいいのかと思いまして......」
顔を赤くして、マリは言うので、
「適当にしてこい!」なんて言えるわけもなく、
洞窟の扉付近に、トイレを作った。
トイレと、言っても深い穴が掘られていて、
そこにスライムが落ちる仕組みだ。詳しくは、察してくれ。
その後、粘土作業で疲れ果てた僕は、倒れるように眠った。
目を覚まして、外に出ると、スライムが一切居なかった。
「あれ?」と思い、見渡すと、杖を片手にミサが額の汗を拭いているのが見える。
彼は、なかなか良いパートナーが見つけたらしい......
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