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4 修理依頼
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「なんだ、おまえは! 誰の許可をもらって入ってきた」
レイの姿を見つけたドックの修理工が声を張りあげる。
すぐに数人の男に取り囲まれて、修理中の宇宙船が見えないように隅の方に連れて行かれた。最初から険悪な雰囲気である。それなのにレイはかまいもせずに、
「ここ、『レパレ』のドックだろ。宇宙船の修理を頼みたいんだけど、手荒い歓迎だね。見られたらまずい宇宙船でも直してるのか」
煽るようなことを口にする。
「なにを!」と食ってかかろうとした男を兄貴分が止めて、丁寧に断りをいれる。
「修理の依頼なら現場じゃなくて、事務所に行きな。だが、今は見ての通り忙しいから、新しい依頼は受けられないぜ」
「事務所に行っても待たされるだけさ。どうせビッグ・ファットはここにいるんだろ。呼んでくれないか?」
男たちがギョッとする。
「おまえ、誰に聞いてきたか知らないが、ボスの前でその名を口にしたら、それこそ生きて出られないぞ」
兄貴分の男がレイに顔を近づけて脅すように言う。
「ふ~ん、俺はいつも本人をそう呼んでたけど。まだ、生きてるよ」
気が強いのか恐怖に対する感覚が狂っているのか、レイは男たちの脅しを平然と受け流していた。
男たちは堪忍袋の緒が切れたようである。
「いつまでもそんな態度を取っていたら、いくら宇宙軍の兵隊を連れていても、無事では済まないぞ!」
リュウはボディガードに見られたようだ。
「無事に済むかどうか、よければ試してみたら。俺はビッグ・ファットを呼んでくれって頼んでるんだけど。それとも、こっちから出向いた方がいいなら、お伺いするが…」
さっさと歩み始めたレイの肩を男が引き戻そうとするが、レイはその手を有無を言わさず引き剥がした。
「邪魔しない方がいい」
冷たい表情と、その表情にも負けないくらいの低く冷たい声である。
男たちはその声音にぎくりと身をこわばらせた。が、すぐに気を取り直した別の男が「叩き出せ!」と声をあげた。
「リュウ、こいつらの面倒を見てくれる?」
リュウは、この程度なら大丈夫だねというレイの暗黙の押しつけにしぶしぶうなずいた。
男たちを見て、素手での格闘でも、銃の腕でもリュウの方が上だと読んだのだ。信頼されて任されたのなら、嫌とは言えないとリュウは思った。
レイはくるりと背を向けて、ドックの端にある階段の方へと歩を進めた。それは、ビッグ・ファットがどこにいるか知り尽くした行動だった。
「待ちやがれ!」
ひとりがレイに踊りかかろうとするのを横から足を引っかけて倒した。それから男たちを睨みつける。
「手を出すなら、俺が相手だ」
リュウは言いたくもないタンカを切っていた。
「宇宙軍の兵隊だと思っておとなしくしてたら、なんだ! そっちが仕掛けたんだぞ」
叫びながら、男たちが立ち向かってくる。
レイはよろしくねとでも言うように手をひらひら振っている。
「くっ!」
しかし。クリスタル号の中で無力だったリュウは、レイの役に立てるというだけでうれしかった。
数人を相手に乱闘しているというのに、レイは心配そうな素振りも見せずに歩んでいく。
男のうちのひとりが銃を構えて、しなやかなレイの背に狙いをつけた。
「レイ!」と声をかけるのと同時に、ドックに響き渡る銃声。
振り向きざまの一発で、レイが男の銃を見事に弾き飛ばしていた。
そして…、何事もなかったかのように階段を登っている。
銃声を聞きつけた男が、二階の部屋から首を出す。
「今の音はなんだ!」
「やあ、ビッグ・ファット。誰も取り次いでくれないから、自分で上がってきた。おまえんとこ、手下の教育がなってないね」
「ビッグ・ファットだと!」
その太った男はうなり声をあげたが、上がってくるレイの顔を見て、次の言葉を呑み込んだ。
「お、おまえ…」
「久しぶりだね。怪我人がでないうちに、邪魔してるやつらを止めた方がいいんじゃない?」
平然と言うのに、男は何度も瞬きをしてから確かめるように目を細めて、それから声を出した。
「おまえたち、やめろ」
「でも、ボス…」
「この方は俺の知り合いだ。邪魔をするんじゃない。銃など二度と持ち出すなよ、おまえたちじゃ歯が立たん。二階で話をするから、とっとと仕事に戻れ!」
レイの姿を見つけたドックの修理工が声を張りあげる。
すぐに数人の男に取り囲まれて、修理中の宇宙船が見えないように隅の方に連れて行かれた。最初から険悪な雰囲気である。それなのにレイはかまいもせずに、
「ここ、『レパレ』のドックだろ。宇宙船の修理を頼みたいんだけど、手荒い歓迎だね。見られたらまずい宇宙船でも直してるのか」
煽るようなことを口にする。
「なにを!」と食ってかかろうとした男を兄貴分が止めて、丁寧に断りをいれる。
「修理の依頼なら現場じゃなくて、事務所に行きな。だが、今は見ての通り忙しいから、新しい依頼は受けられないぜ」
「事務所に行っても待たされるだけさ。どうせビッグ・ファットはここにいるんだろ。呼んでくれないか?」
男たちがギョッとする。
「おまえ、誰に聞いてきたか知らないが、ボスの前でその名を口にしたら、それこそ生きて出られないぞ」
兄貴分の男がレイに顔を近づけて脅すように言う。
「ふ~ん、俺はいつも本人をそう呼んでたけど。まだ、生きてるよ」
気が強いのか恐怖に対する感覚が狂っているのか、レイは男たちの脅しを平然と受け流していた。
男たちは堪忍袋の緒が切れたようである。
「いつまでもそんな態度を取っていたら、いくら宇宙軍の兵隊を連れていても、無事では済まないぞ!」
リュウはボディガードに見られたようだ。
「無事に済むかどうか、よければ試してみたら。俺はビッグ・ファットを呼んでくれって頼んでるんだけど。それとも、こっちから出向いた方がいいなら、お伺いするが…」
さっさと歩み始めたレイの肩を男が引き戻そうとするが、レイはその手を有無を言わさず引き剥がした。
「邪魔しない方がいい」
冷たい表情と、その表情にも負けないくらいの低く冷たい声である。
男たちはその声音にぎくりと身をこわばらせた。が、すぐに気を取り直した別の男が「叩き出せ!」と声をあげた。
「リュウ、こいつらの面倒を見てくれる?」
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男たちを見て、素手での格闘でも、銃の腕でもリュウの方が上だと読んだのだ。信頼されて任されたのなら、嫌とは言えないとリュウは思った。
レイはくるりと背を向けて、ドックの端にある階段の方へと歩を進めた。それは、ビッグ・ファットがどこにいるか知り尽くした行動だった。
「待ちやがれ!」
ひとりがレイに踊りかかろうとするのを横から足を引っかけて倒した。それから男たちを睨みつける。
「手を出すなら、俺が相手だ」
リュウは言いたくもないタンカを切っていた。
「宇宙軍の兵隊だと思っておとなしくしてたら、なんだ! そっちが仕掛けたんだぞ」
叫びながら、男たちが立ち向かってくる。
レイはよろしくねとでも言うように手をひらひら振っている。
「くっ!」
しかし。クリスタル号の中で無力だったリュウは、レイの役に立てるというだけでうれしかった。
数人を相手に乱闘しているというのに、レイは心配そうな素振りも見せずに歩んでいく。
男のうちのひとりが銃を構えて、しなやかなレイの背に狙いをつけた。
「レイ!」と声をかけるのと同時に、ドックに響き渡る銃声。
振り向きざまの一発で、レイが男の銃を見事に弾き飛ばしていた。
そして…、何事もなかったかのように階段を登っている。
銃声を聞きつけた男が、二階の部屋から首を出す。
「今の音はなんだ!」
「やあ、ビッグ・ファット。誰も取り次いでくれないから、自分で上がってきた。おまえんとこ、手下の教育がなってないね」
「ビッグ・ファットだと!」
その太った男はうなり声をあげたが、上がってくるレイの顔を見て、次の言葉を呑み込んだ。
「お、おまえ…」
「久しぶりだね。怪我人がでないうちに、邪魔してるやつらを止めた方がいいんじゃない?」
平然と言うのに、男は何度も瞬きをしてから確かめるように目を細めて、それから声を出した。
「おまえたち、やめろ」
「でも、ボス…」
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