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8 タクの分析
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宇宙軍の情報分析室。
操縦プログラムの開発を手がけるタク・ローランドからエリザベス・ベネット大尉に通話が入ったのは、金曜日の夕方。エリスがそろそろ仕事を終えようと思っていたところだった。
忙しさにまかせて、このところ『ブールジュ』に行けない日々が続いていた。
『ブールジュ』は惑星ティントにあるエリスの父の酒場であり、宇宙軍士官であるエリスはヒマがあれば、カウンターに入ってバーテンダーの代わりを勤めているのだ。
アルバイトを禁止している宇宙軍にバレれば処分の対象になりそうだが、宇宙軍士官はもちろん無頼で知られる兵士たちでさえも『ブールジュ』には来ないだろうと踏んでいた。知らずに扉を開いたとしても、そこに集まる海賊や傭兵崩れの男たちが鋭い視線だけで追い返してしまうはずだ。
宇宙に名高いバザール地区を持つ惑星ティントにはさまざまな男たちが集まるが、中でも『ブールジュ』に集まる男たちは、一癖も二癖もある男ばかりなのである。
エリスは、そんな酒場のマドンナであった。とびきり美しいくせに、気の強さは父親譲り。宇宙軍士官になれるくらいだから、戦闘能力もなかなかのもので並の男なら軽々と捻り上げてしまう。並以上の男でも、エリス愛用の大型銃の前には、ひれ伏すことになった。
しかしそれは、エリスの力だけではなく、男たちが『ブールジュ』という酒場を愛していたからでもある。
エリスは卓越した情報分析官として、宇宙軍で確固たる地位を築いていたが、デスクでの情報分析以上に、酒場に集まる男たちの話を大切にしていた。囁かれる噂の中から真実を拾い出し、宇宙軍で得た情報と合わせて、宇宙の動きをつかむのである。
最初はコスモ・サンダーから消えてしまった、クール・プリンスを見つけ出すためであった。
そして、今は、レイモンドの命を奪ったコスモ・サンダーへの復讐のために、いや正確に言うと、阿刀野リュウに、より確実な情報を流すためにであった。
「はい、エリザベス・ベネット」
「こちら、タク・ローランド。久しぶりだね」
タク・ローランド! エリスには懐かしい名前であった。
エリスが宇宙軍に入る前のことだが、彼はプリンスと闘い、両足を吹き飛ばされながら生還した宇宙軍でも優れた操縦士である。エリスが出会ったときには、操縦の腕とコンピュータの能力を買われて操縦プログラムの開発に携わっていたが、宇宙軍では誰よりコスモ・サンダーに詳しかった。
宇宙軍に入りたての頃、エリスは毎日のように開発室を訪ね、タクにコスモ・サンダーの話を聞いたものだ。タクはプリンスの操縦の腕を誉め、彼にもクリアできないプログラムを作るのが目標だと笑っていた。
不思議なことにプリンスを恨んではいなかった。二度と操縦席に座れない身体にされたというのに。
「まあ~、ローランド少佐。ほんとうにご無沙汰しています」
「キミの噂は聞いているよ、すご腕の情報分析官殿。海賊の分析にかけては宇宙軍いちだってね」
「やめてください。海賊に関していろいろ教えてくれたのはあなたですよ。大先輩に言われると、顔から火が出そう」
「へえっ。そんなに純情だったかい?」
「もう! 酷い言いぐさだわ。宇宙軍でわたしにそんな台詞が吐けるのは、あなたぐらいだって知ってました?」
「美人でやり手の怖~い情報分析官だって話はあちこちから聞いてるよ」
エリスは小さくため息をついた。
「まあ、いいですけど。……連絡がもらえるなんて光栄だけど、いったいどんな用件なんですか?」
昔ながらの軽口を叩いた後で、エリスが真面目な調子で聞いた。タクの声からもからかいが消える。
「実は、コスモ・サンダーのことなんだ」
「はい」
「このところ、いろいろと騒がしいだろう? 大事件はないが、小競り合いやら何やら」
「そうなんです。どうやら総督の後継者争いらしいんですけど、毎日のように、あちこちから情報が入ってきています」
「そうだろうな。次期総督に指名されたゴールドバーグとかいう男と、コスモ・サンダーを牛耳りたいと思っているはみ出し部隊の争いだろう。
実は、ちょっと興味が湧いてね。ここ2~3年、あいつら、かなりあくどいことをやってただろう? コスモ・サンダーに嫌気がさしてたんだが…、今回はかなり面白い」
「面白い? それって、不謹慎ですっ!」
「まあ、そう尖らないでくれよ。それで、キミは次期総督をどう思う?」
「次期総督ですか? まだ、情報不足でプロファイルするまでには…」
「そうか。コスモ・サンダーのはみ出し部隊がいろんな騒動を引き起こしているだろう。それをゴールドバーグ率いる部隊が片っ端から収拾している。容赦なく武力を使って、それなのにほとんど被害を出さずに制圧する。民間への被害は一切ない。
……そのやり方を見ていると思い出すんだ。似ていると思わないか?」
「似ているって誰にです?」
「クール・プリンスだ。キミも知っているだろう?」
タクの口から出た名前にエリスは息をのむ。
「プリンスなら知っています。でも、彼はコスモ・サンダーから抜けたし、すでに死んでいます」
「死んだと言い切れるのか? コスモ・サンダーから逃げ出したというのも、死んだというのも憶測にすぎないじゃないか。あれだけの男が簡単に死ぬわけがないと俺は思う。陰にまわって病に倒れた総督を補佐していたかもしれない」
違う。
プリンスは、レイモンドは死んだのだ。もう1年と少しが経った。コスモ・サンダーに宇宙船ごと爆破されたのだ。
レイモンドは死んだ総督の補佐などしてはいなかった。あの人は阿刀野レイという名でクーリエをやり、阿刀野リュウを弟として育てていた。そして、コスモ・サンダーに見つかり宇宙船ごと吹き飛ばされたのだ。
タクは知らないけれど、エリスは知っていると思っていた。プリンスが死んだことを。
「どうして、プリンスだと?」
「艦隊を動かす、指揮の仕方かな。いや、時々みせる操縦の腕かな…。あんなに鮮やかに部隊を意のままに操れる男を、俺は一人しか知らない。あんなに鮮やかに戦闘艇を操縦する男を、俺は一人しか知らない。俺はゴールドバーグ・ジュニアはクール・プリンスだと思う」
断定したタクに、エリスは返す言葉を失う。レイモンドが生きているなんていうことが、あるのだろうか。しかも次期総督になろうとしている?
あり得ないとエリスの頭は言う。だが、心には、もしゴールドバーグ・ジュニアがレイモンドなら、という希望がちらつく。
「……。ありがとう、タク。その可能性は頭に浮かびませんでした。一度、検討してみます」
「そうしてくれるか。それで、キミの評価がでたら話がしたいな。もし、プリンスなら…」
「プリンスなら…?」
「もう一度、会いたいんだ」
できるものならわたしだって、プリンスに会いたいとエリスは思った。たとえ幽霊でも、会えるのならどこへでも会いに行く。
「会って、どうするんですか?」
「そうだな、そこまでは考えてなかった…、俺の作った操縦プログラムにでも挑戦してもらうかな。彼がクリアーできなかったら、俺は満足するかもしれない」
「……」
タクは通話を切りながら、そのシーンを思い描いて顔に笑みを貼り付けた。
操縦プログラムの開発を手がけるタク・ローランドからエリザベス・ベネット大尉に通話が入ったのは、金曜日の夕方。エリスがそろそろ仕事を終えようと思っていたところだった。
忙しさにまかせて、このところ『ブールジュ』に行けない日々が続いていた。
『ブールジュ』は惑星ティントにあるエリスの父の酒場であり、宇宙軍士官であるエリスはヒマがあれば、カウンターに入ってバーテンダーの代わりを勤めているのだ。
アルバイトを禁止している宇宙軍にバレれば処分の対象になりそうだが、宇宙軍士官はもちろん無頼で知られる兵士たちでさえも『ブールジュ』には来ないだろうと踏んでいた。知らずに扉を開いたとしても、そこに集まる海賊や傭兵崩れの男たちが鋭い視線だけで追い返してしまうはずだ。
宇宙に名高いバザール地区を持つ惑星ティントにはさまざまな男たちが集まるが、中でも『ブールジュ』に集まる男たちは、一癖も二癖もある男ばかりなのである。
エリスは、そんな酒場のマドンナであった。とびきり美しいくせに、気の強さは父親譲り。宇宙軍士官になれるくらいだから、戦闘能力もなかなかのもので並の男なら軽々と捻り上げてしまう。並以上の男でも、エリス愛用の大型銃の前には、ひれ伏すことになった。
しかしそれは、エリスの力だけではなく、男たちが『ブールジュ』という酒場を愛していたからでもある。
エリスは卓越した情報分析官として、宇宙軍で確固たる地位を築いていたが、デスクでの情報分析以上に、酒場に集まる男たちの話を大切にしていた。囁かれる噂の中から真実を拾い出し、宇宙軍で得た情報と合わせて、宇宙の動きをつかむのである。
最初はコスモ・サンダーから消えてしまった、クール・プリンスを見つけ出すためであった。
そして、今は、レイモンドの命を奪ったコスモ・サンダーへの復讐のために、いや正確に言うと、阿刀野リュウに、より確実な情報を流すためにであった。
「はい、エリザベス・ベネット」
「こちら、タク・ローランド。久しぶりだね」
タク・ローランド! エリスには懐かしい名前であった。
エリスが宇宙軍に入る前のことだが、彼はプリンスと闘い、両足を吹き飛ばされながら生還した宇宙軍でも優れた操縦士である。エリスが出会ったときには、操縦の腕とコンピュータの能力を買われて操縦プログラムの開発に携わっていたが、宇宙軍では誰よりコスモ・サンダーに詳しかった。
宇宙軍に入りたての頃、エリスは毎日のように開発室を訪ね、タクにコスモ・サンダーの話を聞いたものだ。タクはプリンスの操縦の腕を誉め、彼にもクリアできないプログラムを作るのが目標だと笑っていた。
不思議なことにプリンスを恨んではいなかった。二度と操縦席に座れない身体にされたというのに。
「まあ~、ローランド少佐。ほんとうにご無沙汰しています」
「キミの噂は聞いているよ、すご腕の情報分析官殿。海賊の分析にかけては宇宙軍いちだってね」
「やめてください。海賊に関していろいろ教えてくれたのはあなたですよ。大先輩に言われると、顔から火が出そう」
「へえっ。そんなに純情だったかい?」
「もう! 酷い言いぐさだわ。宇宙軍でわたしにそんな台詞が吐けるのは、あなたぐらいだって知ってました?」
「美人でやり手の怖~い情報分析官だって話はあちこちから聞いてるよ」
エリスは小さくため息をついた。
「まあ、いいですけど。……連絡がもらえるなんて光栄だけど、いったいどんな用件なんですか?」
昔ながらの軽口を叩いた後で、エリスが真面目な調子で聞いた。タクの声からもからかいが消える。
「実は、コスモ・サンダーのことなんだ」
「はい」
「このところ、いろいろと騒がしいだろう? 大事件はないが、小競り合いやら何やら」
「そうなんです。どうやら総督の後継者争いらしいんですけど、毎日のように、あちこちから情報が入ってきています」
「そうだろうな。次期総督に指名されたゴールドバーグとかいう男と、コスモ・サンダーを牛耳りたいと思っているはみ出し部隊の争いだろう。
実は、ちょっと興味が湧いてね。ここ2~3年、あいつら、かなりあくどいことをやってただろう? コスモ・サンダーに嫌気がさしてたんだが…、今回はかなり面白い」
「面白い? それって、不謹慎ですっ!」
「まあ、そう尖らないでくれよ。それで、キミは次期総督をどう思う?」
「次期総督ですか? まだ、情報不足でプロファイルするまでには…」
「そうか。コスモ・サンダーのはみ出し部隊がいろんな騒動を引き起こしているだろう。それをゴールドバーグ率いる部隊が片っ端から収拾している。容赦なく武力を使って、それなのにほとんど被害を出さずに制圧する。民間への被害は一切ない。
……そのやり方を見ていると思い出すんだ。似ていると思わないか?」
「似ているって誰にです?」
「クール・プリンスだ。キミも知っているだろう?」
タクの口から出た名前にエリスは息をのむ。
「プリンスなら知っています。でも、彼はコスモ・サンダーから抜けたし、すでに死んでいます」
「死んだと言い切れるのか? コスモ・サンダーから逃げ出したというのも、死んだというのも憶測にすぎないじゃないか。あれだけの男が簡単に死ぬわけがないと俺は思う。陰にまわって病に倒れた総督を補佐していたかもしれない」
違う。
プリンスは、レイモンドは死んだのだ。もう1年と少しが経った。コスモ・サンダーに宇宙船ごと爆破されたのだ。
レイモンドは死んだ総督の補佐などしてはいなかった。あの人は阿刀野レイという名でクーリエをやり、阿刀野リュウを弟として育てていた。そして、コスモ・サンダーに見つかり宇宙船ごと吹き飛ばされたのだ。
タクは知らないけれど、エリスは知っていると思っていた。プリンスが死んだことを。
「どうして、プリンスだと?」
「艦隊を動かす、指揮の仕方かな。いや、時々みせる操縦の腕かな…。あんなに鮮やかに部隊を意のままに操れる男を、俺は一人しか知らない。あんなに鮮やかに戦闘艇を操縦する男を、俺は一人しか知らない。俺はゴールドバーグ・ジュニアはクール・プリンスだと思う」
断定したタクに、エリスは返す言葉を失う。レイモンドが生きているなんていうことが、あるのだろうか。しかも次期総督になろうとしている?
あり得ないとエリスの頭は言う。だが、心には、もしゴールドバーグ・ジュニアがレイモンドなら、という希望がちらつく。
「……。ありがとう、タク。その可能性は頭に浮かびませんでした。一度、検討してみます」
「そうしてくれるか。それで、キミの評価がでたら話がしたいな。もし、プリンスなら…」
「プリンスなら…?」
「もう一度、会いたいんだ」
できるものならわたしだって、プリンスに会いたいとエリスは思った。たとえ幽霊でも、会えるのならどこへでも会いに行く。
「会って、どうするんですか?」
「そうだな、そこまでは考えてなかった…、俺の作った操縦プログラムにでも挑戦してもらうかな。彼がクリアーできなかったら、俺は満足するかもしれない」
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