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5 一緒にいたい人
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バタンと勢いよく扉が開いた。
「阿刀野!」
飛び込むと同時に状況を把握したらしいルーインの銃からレーザーが放たれた。しかし、リュウの身体にかがみ込むレイモンドに向けられた銃は、マリオンによって一瞬速く撃ち落とされ、レーザーは天井を焦がしただけだった。
「撃つな、マリオン。知ってる男だ。判断が甘いね、ルーイン。見境なしに撃ったら撃ち返されるよ」
声をかけたレイモンドにルーインは目を丸くする。
「……、ええッ。レイさん! ……それじゃあ、阿刀野は?」
あなたが殺したのかと続きそうな台詞に
「大丈夫だよ。俺がリュウを傷つけるわけがないじゃない。無理なこと言うから、気絶させただけ…、一緒に帰ろうって聞かないんだ」
気絶させただけって、十分、傷つけてるじゃないかと思ったルーインだったが…。
「そんなに睨まないでくれる。ほらっ、キミに任せるから。しばらくしたら、目が覚めるよ」
無言でリュウを腕に抱きとり、心臓の鼓動を確認したルーインはほっと安堵の息を吐く。
「ありがとう、ルーイン。リュウのこと気遣ってくれてるんだ」
レイモンドの言葉が、ルーインの怒りのスイッチを入れた。
「ええ、僕たちの大切な隊長ですから。
それより、レイさん。生きてるなら、なぜ、阿刀野に連絡のひとつも寄こしてやらなかったんですか。阿刀野がどれほどあなたを慕っていたか! あなたを失ったせいで、阿刀野は何度も生きることを手放そうとした。もう、立ち直れないんじゃないかと何度も思いましたよ。無事に士官学校を卒業して、ここにいるのが奇跡に等しいんです。
それなのに! あなたの死が、阿刀野の心にどれほどの傷を負わせたか、わかっているんですか!」
初めて。ルーインは初めてレイモンドを非難していた。
恐くて今にも足が震えそうだったけれど。
尊敬し、崇拝している人だったけれど。
それでもルーインにとってはリュウが大切だったから。
生きている僕より何倍も、死んだあなたが、彼の心を捕らえていたのに!
「何とか言ってください。あなたは阿刀野のことをどう考えているんですか。邪魔になったんですか。ふっと消えてしまって、それでさよならですか。あなたはそんなに酷い男だったんですか!」
一気に言い切ったルーインが、その後でぽつりとつぶやいた。
「阿刀野を支えるのが、あなたを失った阿刀野を支えるのがどれほど大変だったか、レイさんは全然わかっていない…」
「ごめんね、ルーイン。迷惑をかけたんだね…」
「なっ! 簡単に謝らないでください。僕はあなたが命じた通りに、阿刀野の面倒を見てきたんです。覚えてますか。世話かけるけど、面倒見てやってねって言ったでしょう。死んでしまったのならまだしも、生きてるなら、なぜ…。それに! どうしてコスモ・サンダーに舞い戻って、海賊なんかやってるんですか」
「ごめん…」
言葉を探すレイモンドの横から、マリオンが口を挟んだ。
「そんなに、責めるものじゃない。レイモンドはコスモ・サンダーに戻るくらいならクリスタル号と一緒に死ぬつもりだったんだ。
だがね、キミの手の中にいるそのどうしようもない男の命と引き替えに、自分を曲げた。決して自分の意見を変えない頑固な男が、その男のために自分を曲げて、コスモ・サンダーに戻ったんだ」
「えっ?」
「レイモンドが戻らなければ、そいつの命は確実になかった」
言われてルーインは息を呑んだ。
そうだ、そうだった。ルーインの心に後悔が沸き起こった。
レイさんは理由もなく阿刀野を捨てたりしない。姿をくらましたりするわけがない。
「……済みません。一方的に責めて…。僕は酷いことを言ってしまった…」
「いいよ、気にしなくて」
「…今でも、阿刀野はコスモ・サンダーに命を狙われているんですか?」
「ううん。そんなことは俺がさせない」
「それなら…、どうしてレイさんは、コスモ・サンダーにいるんです。あなたなら、クール・プリンスなら、いつでも逃げ出せるでしょう?」
レイモンドがハッと顔を上げる。
「知ってたんだ?」
「阿刀野が話してくれました」
「そう、リュウはぜんぶ思い出したみたいだね…。
でもね、違うよ。クール・プリンスはとっくの昔に死んだ。阿刀野レイが生まれたときにね。そして、この間のクリスタル号の爆発で阿刀野レイは死んでしまった。阿刀野レイはね、宇宙を飛んでいる限り、いつかコスモ・サンダーに捕まるってわかってた。でも、そう思いながらも飛ぶことを諦めきれなかったんだ。そのせいで、阿刀野レイは死んでしまった。馬鹿だよね…。だから、俺は今、まったく別の人間なんだ」
「それなら、別の人間でもいい。阿刀野ともう一度出会って、やりなおしてやってもらえませんか」
「それは、無理…。俺はコスモ・サンダーにいることに決めたんだ。マリオンと一緒にいることに決めた。ほらっ、欲しいモノをふたつも手に入れるなんて、欲張りだろう。誰が俺にとって大切なのか、俺が何をしなければならないのか、考え抜いて出した結論なんだ。
今の俺にとっていちばん大切なのは、悪いけどマリオンだ。だから、俺はコスモ・サンダーから逃げ出すつもりはない」
リュウとやり直すつもりはないと、レイモンドは宣言していた。
「ほんとうはリュウと出会うずっと前から、マリオンは俺にとって大切な人だったんだけど、わからなかった。わかってても、きっと手が届かなかったし、相手にしてもらえるなんて思わなかった。リュウと暮らして俺は成長したんだろうね。口説く勇気を、ずうずうしさをもてた。それでね、思い切ってアタックしたんだよ。ダメだったら無理心中していたかも」
レイモンドがマリオンを横目で見て、いたずらっ子のように笑う。
「でも、マリオンは受け止めてくれた。……俺はもう、マリオンのそばから離れるつもりはないんだ。マリオンはね、この広い宇宙の中で、たったひとり俺が甘えられる人。簡単には甘えさせてくれないんだけど…。
だからね、今は自分の意志でコスモ・サンダーにいる。逃げ出したいとは思わない…。ううん、ちがうな。マリオンが一緒に逃げてくれるなら喜んで逃げ出すんだけど、そんなこと口にしただけで愛想をつかされちゃう。そうなったら、俺は生きていく意味をなくすから…。わかる?」
余計なことをと、苦虫を噛みつぶしたような顔をしているマリオンにもう一度目をやり、ふふっと笑ったレイモンドは幸せそのものに見えた。
「そういう…、ことですか」
レイさんは、この男を、マリオンとかいう男を心から愛しているのだと思った。
「うん、そういうこと。リュウにうまいこと言っといてくれると嬉しいけど…」
「難しいですね…」
「頼むよ、ルーイン。ところで、プライベートはここまでにしよう」
今まで幸せそうに微笑んでいたレイモンドの表情がガラリと変わった。責任を負う男の顔に。冷徹な闘う男の顔に。
「キミたち宇宙軍が来るのが、思ったより速かったんで、始末を付け損ねた。ルーインが相手だって知っていたら、俺が操縦したんだけどね。気づいた時には遅かった。それで、ちょっと交渉をしたいんだ。責任者のリュウとは話ができなかったから、代わりにキミとね」
まっすぐに向けられた瞳に、ルーインはたじろぎそうになる自分を叱りつけた。
「阿刀野!」
飛び込むと同時に状況を把握したらしいルーインの銃からレーザーが放たれた。しかし、リュウの身体にかがみ込むレイモンドに向けられた銃は、マリオンによって一瞬速く撃ち落とされ、レーザーは天井を焦がしただけだった。
「撃つな、マリオン。知ってる男だ。判断が甘いね、ルーイン。見境なしに撃ったら撃ち返されるよ」
声をかけたレイモンドにルーインは目を丸くする。
「……、ええッ。レイさん! ……それじゃあ、阿刀野は?」
あなたが殺したのかと続きそうな台詞に
「大丈夫だよ。俺がリュウを傷つけるわけがないじゃない。無理なこと言うから、気絶させただけ…、一緒に帰ろうって聞かないんだ」
気絶させただけって、十分、傷つけてるじゃないかと思ったルーインだったが…。
「そんなに睨まないでくれる。ほらっ、キミに任せるから。しばらくしたら、目が覚めるよ」
無言でリュウを腕に抱きとり、心臓の鼓動を確認したルーインはほっと安堵の息を吐く。
「ありがとう、ルーイン。リュウのこと気遣ってくれてるんだ」
レイモンドの言葉が、ルーインの怒りのスイッチを入れた。
「ええ、僕たちの大切な隊長ですから。
それより、レイさん。生きてるなら、なぜ、阿刀野に連絡のひとつも寄こしてやらなかったんですか。阿刀野がどれほどあなたを慕っていたか! あなたを失ったせいで、阿刀野は何度も生きることを手放そうとした。もう、立ち直れないんじゃないかと何度も思いましたよ。無事に士官学校を卒業して、ここにいるのが奇跡に等しいんです。
それなのに! あなたの死が、阿刀野の心にどれほどの傷を負わせたか、わかっているんですか!」
初めて。ルーインは初めてレイモンドを非難していた。
恐くて今にも足が震えそうだったけれど。
尊敬し、崇拝している人だったけれど。
それでもルーインにとってはリュウが大切だったから。
生きている僕より何倍も、死んだあなたが、彼の心を捕らえていたのに!
「何とか言ってください。あなたは阿刀野のことをどう考えているんですか。邪魔になったんですか。ふっと消えてしまって、それでさよならですか。あなたはそんなに酷い男だったんですか!」
一気に言い切ったルーインが、その後でぽつりとつぶやいた。
「阿刀野を支えるのが、あなたを失った阿刀野を支えるのがどれほど大変だったか、レイさんは全然わかっていない…」
「ごめんね、ルーイン。迷惑をかけたんだね…」
「なっ! 簡単に謝らないでください。僕はあなたが命じた通りに、阿刀野の面倒を見てきたんです。覚えてますか。世話かけるけど、面倒見てやってねって言ったでしょう。死んでしまったのならまだしも、生きてるなら、なぜ…。それに! どうしてコスモ・サンダーに舞い戻って、海賊なんかやってるんですか」
「ごめん…」
言葉を探すレイモンドの横から、マリオンが口を挟んだ。
「そんなに、責めるものじゃない。レイモンドはコスモ・サンダーに戻るくらいならクリスタル号と一緒に死ぬつもりだったんだ。
だがね、キミの手の中にいるそのどうしようもない男の命と引き替えに、自分を曲げた。決して自分の意見を変えない頑固な男が、その男のために自分を曲げて、コスモ・サンダーに戻ったんだ」
「えっ?」
「レイモンドが戻らなければ、そいつの命は確実になかった」
言われてルーインは息を呑んだ。
そうだ、そうだった。ルーインの心に後悔が沸き起こった。
レイさんは理由もなく阿刀野を捨てたりしない。姿をくらましたりするわけがない。
「……済みません。一方的に責めて…。僕は酷いことを言ってしまった…」
「いいよ、気にしなくて」
「…今でも、阿刀野はコスモ・サンダーに命を狙われているんですか?」
「ううん。そんなことは俺がさせない」
「それなら…、どうしてレイさんは、コスモ・サンダーにいるんです。あなたなら、クール・プリンスなら、いつでも逃げ出せるでしょう?」
レイモンドがハッと顔を上げる。
「知ってたんだ?」
「阿刀野が話してくれました」
「そう、リュウはぜんぶ思い出したみたいだね…。
でもね、違うよ。クール・プリンスはとっくの昔に死んだ。阿刀野レイが生まれたときにね。そして、この間のクリスタル号の爆発で阿刀野レイは死んでしまった。阿刀野レイはね、宇宙を飛んでいる限り、いつかコスモ・サンダーに捕まるってわかってた。でも、そう思いながらも飛ぶことを諦めきれなかったんだ。そのせいで、阿刀野レイは死んでしまった。馬鹿だよね…。だから、俺は今、まったく別の人間なんだ」
「それなら、別の人間でもいい。阿刀野ともう一度出会って、やりなおしてやってもらえませんか」
「それは、無理…。俺はコスモ・サンダーにいることに決めたんだ。マリオンと一緒にいることに決めた。ほらっ、欲しいモノをふたつも手に入れるなんて、欲張りだろう。誰が俺にとって大切なのか、俺が何をしなければならないのか、考え抜いて出した結論なんだ。
今の俺にとっていちばん大切なのは、悪いけどマリオンだ。だから、俺はコスモ・サンダーから逃げ出すつもりはない」
リュウとやり直すつもりはないと、レイモンドは宣言していた。
「ほんとうはリュウと出会うずっと前から、マリオンは俺にとって大切な人だったんだけど、わからなかった。わかってても、きっと手が届かなかったし、相手にしてもらえるなんて思わなかった。リュウと暮らして俺は成長したんだろうね。口説く勇気を、ずうずうしさをもてた。それでね、思い切ってアタックしたんだよ。ダメだったら無理心中していたかも」
レイモンドがマリオンを横目で見て、いたずらっ子のように笑う。
「でも、マリオンは受け止めてくれた。……俺はもう、マリオンのそばから離れるつもりはないんだ。マリオンはね、この広い宇宙の中で、たったひとり俺が甘えられる人。簡単には甘えさせてくれないんだけど…。
だからね、今は自分の意志でコスモ・サンダーにいる。逃げ出したいとは思わない…。ううん、ちがうな。マリオンが一緒に逃げてくれるなら喜んで逃げ出すんだけど、そんなこと口にしただけで愛想をつかされちゃう。そうなったら、俺は生きていく意味をなくすから…。わかる?」
余計なことをと、苦虫を噛みつぶしたような顔をしているマリオンにもう一度目をやり、ふふっと笑ったレイモンドは幸せそのものに見えた。
「そういう…、ことですか」
レイさんは、この男を、マリオンとかいう男を心から愛しているのだと思った。
「うん、そういうこと。リュウにうまいこと言っといてくれると嬉しいけど…」
「難しいですね…」
「頼むよ、ルーイン。ところで、プライベートはここまでにしよう」
今まで幸せそうに微笑んでいたレイモンドの表情がガラリと変わった。責任を負う男の顔に。冷徹な闘う男の顔に。
「キミたち宇宙軍が来るのが、思ったより速かったんで、始末を付け損ねた。ルーインが相手だって知っていたら、俺が操縦したんだけどね。気づいた時には遅かった。それで、ちょっと交渉をしたいんだ。責任者のリュウとは話ができなかったから、代わりにキミとね」
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