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14 総攻撃
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コンコンと軽いノックの音に、レイモンドが問いかけた。
「時間なのか、ポール?」
「いえ、まだ少し早いですが、アレクセイ・ミハイル司令官がこられました。入っていただいてよろしいですか?」
アーシャが?
「ああ」
ポールはまだすることがあるのだろう。入ってきたのはアレクセイひとりだった。レイモンドが座っているソファの前に、すっと膝を折る。
「座ってくれ」
「ありがとうございます。ゴールドバーグ総督…、マリオン様のご逝去を、心からお悔やみ申し上げます」
「…………」
言葉を詰まらせたレイモンドをアレクセイが気遣うように見つめていた。レイモンドが静かに話し始める。
「……、俺は、マリオンを殺した司令官たち以上に、甘かった自分が許せない。海賊の組織にいる以上、冷酷でいなければならないことを忘れていた。
覚えているか? 昔、敵にいらぬ情けをかけたせいで、俺はいちばんの親友を亡くした。あの時に二度と同じ過ちは繰り返さないと誓ったのに…。つくづく、俺は学習能力のない男だ…」
「プリンス…」
「ケインを亡くしたとき、俺は、マリオンに厳しく叱られた。必要なときに冷酷になれない男に泣く資格などないと詰られた。それなのに……、マリオンを亡くした今、おまえが甘いのだと叱ってくれる人さえ、いなくなった」
プリンスが僕に弱音を吐いている? アレクセイには信じられなかった。心配した以上に、この人は、マリオン様の死にショックを受けているのだ。
アレクセイの口から慰めの言葉がもれそうになる。しかし、誇り高いプリンスは他人の慰めなどいやがるはずだ。僕の慰めも労りも、プリンスを勇気づけることはできない…。
逡巡しているうちに、レイモンドはひとりで立ち直った。
「聞き流してくれ、今のは独り言だ。ところで、アレクセイ・ミハイル司令官。おまえはなぜここに居る?」
「マリオン様に呼ばれました。事が起こるのに備えて、艦隊を率いて極東地区へ来るようにと。第7艦隊のグレアム・スコット司令官も、攻撃には間に合うように来ると思います」
「……マリオンが、そんな連絡を…」
「はい、念のためにと…」
「……あ~あ、マリオンにはかなわないや。俺と違ってあなたには、会談の結果なんて見えていたんだね。でも…、最初からひとりで死ぬつもりだったなんて言ったら、怒るよ…」
それは、目の前のアレクセイにではなく、遠くにいる人への言葉のようだった。
「それで?」
「それで、とは?」
「宇宙軍がコスモ・サンダーを壊滅させるのに、こんなチャンスは二度とない。おまえはもどらなくていいのか?」
こんな場面で、何て事を! アレクセイはレイモンドをきっと睨み付けた。
「確かに僕は、宇宙軍の中佐です。しかし…、プリンス。あなたに会ってから、僕には宇宙軍などどうでもよくなった。いつでも、どんなことがあってもあなたの味方ですと何度言ったら信じてもらえるのですか!」
「おまえは俺より賢いからね。最後の最後で裏切られそうで、さ」
からかうような軽い口調だったが、アレクセイはこらえることができなかった。腰からレーザーガンを引き抜くと銃口を自分の頭に突き付けた。
「僕は、あなたが下すどんな命令にも従います。引き金を引けとおっしゃれば、この場で死んで見せます!」
レイモンドが軽く微笑んだ。
「おまえが、そんなに激高したのを初めて見たな。……いつも計算高い表情で、冷たい目で、コスモ・サンダーを、俺を、眺めていた。宇宙軍に報告できるように何事も見逃さないように。
……俺はおまえにこそ、クールという名が似合うと思っていた」
「いつもあなたを見ていたのは…、僕がどれほどあなたを恐れ、敬っていたか、知らなかったのですかッ!」
「ッ、知らな、かった。マリオンといいアーシャといい、俺は人の心の機微にうとい。なにも見えていなかった…。信じるよ、アーシャ。コスモ・サンダーを統一するために、俺に力を貸してくれ」
差し出された手をアレクセイはぐっと握りしめた。
「はいっ。任せてください。僕はマリオン様があなたに帝王学を叩き込んでいると聞かされてから、ずっとそのつもりでした。あなたが闘いを始められるときのために、僕は第5艦隊を徹底的に鍛えました。訓練に継ぐ訓練で。脱落者も多かったですが、今残っているのは使えるものばかりです。僕のためなら命を張ってくれるでしょう」
「アーシャのためなら?」
聞き咎めたレイモンドが片眉を器用に上げる。
「ええ、僕が命じるなら」
「わかったよ、アーシャは第5艦隊で指揮を執ってくれ」
「いえ……。第5艦隊は僕がいなくても、指揮も戦闘も機能するようになっています。僕は…。プリンス、昔のように、あなたの操縦士にしてください」
お願いしますと頭を下げるアレクセイをレイモンドは穏やかな目で見つめてから
「だめだよ、アーシャ。アーシャは一流の操縦士だけど、俺は超一流の操縦士しか信用しないんだ。自分で操縦する」
「えっ! あなたには全軍を指揮する仕事があるでしょう?」
「見くびってもらっちゃ困る。操縦席についていたら俺が指示を出せないとでも?」
レイモンドにとって操縦は呼吸をするのと同じくらい自然なことだとは知っているが…。
「わかりました。それなら僕は副操縦席に。全軍に指示を出す間くらいは操縦をサポートさせてください」
「第5艦隊がおまえ抜きで闘えるなら、俺は構わない。それから、おまえがサポートするのは操縦ではなく、戦略だよ。もう、マリオンはいないのだから」
暗にマリオンの代わりを任せると言われたようで、アレクセイは感激した。
「あ、ありがとうございます」
「あの頃に、戻ったようだな。恐いものなど何一つなかった、無鉄砲なあの頃に…」
これで、後ろにマリオンが控えていてくれたら…。レイモンドの心の隅にそんな思いがチラリとよぎる。
「あなたはいつも無敵でした」
「ああ、いまも無敵だといいが。……そろそろ時間だ」
2人が艦橋に足を踏み入れると、忙しく立ち働いていた幹部たちの動きがピタリと止まった。
「準備はいいか?」
「はいっ」
「全員、持ち場についてくれ」
指示を出しおえ、操縦席についたレイモンドが艦橋前面に広がるスクリーンを凝視する。
近くには味方の艦隊が、遠くには無数の敵艦が待ちかまえている。
よしっ! レイモンドは心の中で自分を鼓舞した。
「行くぞ! 総攻撃だ!」
闘いの火ぶたが切って落とされた。コスモ・サンダーを統一する闘いの。
絶対に引いたりしない。コスモ・サンダーを統一するまで、諦めない。
まだ、あなたのそばにはいけないけれど。
待っていて! もうしばらく、だけ。
あなたが望む男になるから。あなたが誇れる男になるから。
必ず、あなたの元へ還るから…。
(了)
PS.長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
レイモンドが総督宣言をするシーンと総攻撃を告げるシーンが書きたくて、『宙に散る』を書いていました。
レイモンドが頑固で、なかなか総督になろうとしないので、マリオンを死なせる(宙に散らせる)はめになり、ちょっと残念です。
ここで終わろうと思っていたのですが、本を読み終わった時、「こんなところで終わるん?」「この後、どうなんねん」とよく思っていたので、自分を納得させるために、完結編『宙に願う』へと続きます。
話題を広げすぎたので、収拾させなくちゃ!
「時間なのか、ポール?」
「いえ、まだ少し早いですが、アレクセイ・ミハイル司令官がこられました。入っていただいてよろしいですか?」
アーシャが?
「ああ」
ポールはまだすることがあるのだろう。入ってきたのはアレクセイひとりだった。レイモンドが座っているソファの前に、すっと膝を折る。
「座ってくれ」
「ありがとうございます。ゴールドバーグ総督…、マリオン様のご逝去を、心からお悔やみ申し上げます」
「…………」
言葉を詰まらせたレイモンドをアレクセイが気遣うように見つめていた。レイモンドが静かに話し始める。
「……、俺は、マリオンを殺した司令官たち以上に、甘かった自分が許せない。海賊の組織にいる以上、冷酷でいなければならないことを忘れていた。
覚えているか? 昔、敵にいらぬ情けをかけたせいで、俺はいちばんの親友を亡くした。あの時に二度と同じ過ちは繰り返さないと誓ったのに…。つくづく、俺は学習能力のない男だ…」
「プリンス…」
「ケインを亡くしたとき、俺は、マリオンに厳しく叱られた。必要なときに冷酷になれない男に泣く資格などないと詰られた。それなのに……、マリオンを亡くした今、おまえが甘いのだと叱ってくれる人さえ、いなくなった」
プリンスが僕に弱音を吐いている? アレクセイには信じられなかった。心配した以上に、この人は、マリオン様の死にショックを受けているのだ。
アレクセイの口から慰めの言葉がもれそうになる。しかし、誇り高いプリンスは他人の慰めなどいやがるはずだ。僕の慰めも労りも、プリンスを勇気づけることはできない…。
逡巡しているうちに、レイモンドはひとりで立ち直った。
「聞き流してくれ、今のは独り言だ。ところで、アレクセイ・ミハイル司令官。おまえはなぜここに居る?」
「マリオン様に呼ばれました。事が起こるのに備えて、艦隊を率いて極東地区へ来るようにと。第7艦隊のグレアム・スコット司令官も、攻撃には間に合うように来ると思います」
「……マリオンが、そんな連絡を…」
「はい、念のためにと…」
「……あ~あ、マリオンにはかなわないや。俺と違ってあなたには、会談の結果なんて見えていたんだね。でも…、最初からひとりで死ぬつもりだったなんて言ったら、怒るよ…」
それは、目の前のアレクセイにではなく、遠くにいる人への言葉のようだった。
「それで?」
「それで、とは?」
「宇宙軍がコスモ・サンダーを壊滅させるのに、こんなチャンスは二度とない。おまえはもどらなくていいのか?」
こんな場面で、何て事を! アレクセイはレイモンドをきっと睨み付けた。
「確かに僕は、宇宙軍の中佐です。しかし…、プリンス。あなたに会ってから、僕には宇宙軍などどうでもよくなった。いつでも、どんなことがあってもあなたの味方ですと何度言ったら信じてもらえるのですか!」
「おまえは俺より賢いからね。最後の最後で裏切られそうで、さ」
からかうような軽い口調だったが、アレクセイはこらえることができなかった。腰からレーザーガンを引き抜くと銃口を自分の頭に突き付けた。
「僕は、あなたが下すどんな命令にも従います。引き金を引けとおっしゃれば、この場で死んで見せます!」
レイモンドが軽く微笑んだ。
「おまえが、そんなに激高したのを初めて見たな。……いつも計算高い表情で、冷たい目で、コスモ・サンダーを、俺を、眺めていた。宇宙軍に報告できるように何事も見逃さないように。
……俺はおまえにこそ、クールという名が似合うと思っていた」
「いつもあなたを見ていたのは…、僕がどれほどあなたを恐れ、敬っていたか、知らなかったのですかッ!」
「ッ、知らな、かった。マリオンといいアーシャといい、俺は人の心の機微にうとい。なにも見えていなかった…。信じるよ、アーシャ。コスモ・サンダーを統一するために、俺に力を貸してくれ」
差し出された手をアレクセイはぐっと握りしめた。
「はいっ。任せてください。僕はマリオン様があなたに帝王学を叩き込んでいると聞かされてから、ずっとそのつもりでした。あなたが闘いを始められるときのために、僕は第5艦隊を徹底的に鍛えました。訓練に継ぐ訓練で。脱落者も多かったですが、今残っているのは使えるものばかりです。僕のためなら命を張ってくれるでしょう」
「アーシャのためなら?」
聞き咎めたレイモンドが片眉を器用に上げる。
「ええ、僕が命じるなら」
「わかったよ、アーシャは第5艦隊で指揮を執ってくれ」
「いえ……。第5艦隊は僕がいなくても、指揮も戦闘も機能するようになっています。僕は…。プリンス、昔のように、あなたの操縦士にしてください」
お願いしますと頭を下げるアレクセイをレイモンドは穏やかな目で見つめてから
「だめだよ、アーシャ。アーシャは一流の操縦士だけど、俺は超一流の操縦士しか信用しないんだ。自分で操縦する」
「えっ! あなたには全軍を指揮する仕事があるでしょう?」
「見くびってもらっちゃ困る。操縦席についていたら俺が指示を出せないとでも?」
レイモンドにとって操縦は呼吸をするのと同じくらい自然なことだとは知っているが…。
「わかりました。それなら僕は副操縦席に。全軍に指示を出す間くらいは操縦をサポートさせてください」
「第5艦隊がおまえ抜きで闘えるなら、俺は構わない。それから、おまえがサポートするのは操縦ではなく、戦略だよ。もう、マリオンはいないのだから」
暗にマリオンの代わりを任せると言われたようで、アレクセイは感激した。
「あ、ありがとうございます」
「あの頃に、戻ったようだな。恐いものなど何一つなかった、無鉄砲なあの頃に…」
これで、後ろにマリオンが控えていてくれたら…。レイモンドの心の隅にそんな思いがチラリとよぎる。
「あなたはいつも無敵でした」
「ああ、いまも無敵だといいが。……そろそろ時間だ」
2人が艦橋に足を踏み入れると、忙しく立ち働いていた幹部たちの動きがピタリと止まった。
「準備はいいか?」
「はいっ」
「全員、持ち場についてくれ」
指示を出しおえ、操縦席についたレイモンドが艦橋前面に広がるスクリーンを凝視する。
近くには味方の艦隊が、遠くには無数の敵艦が待ちかまえている。
よしっ! レイモンドは心の中で自分を鼓舞した。
「行くぞ! 総攻撃だ!」
闘いの火ぶたが切って落とされた。コスモ・サンダーを統一する闘いの。
絶対に引いたりしない。コスモ・サンダーを統一するまで、諦めない。
まだ、あなたのそばにはいけないけれど。
待っていて! もうしばらく、だけ。
あなたが望む男になるから。あなたが誇れる男になるから。
必ず、あなたの元へ還るから…。
(了)
PS.長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
レイモンドが総督宣言をするシーンと総攻撃を告げるシーンが書きたくて、『宙に散る』を書いていました。
レイモンドが頑固で、なかなか総督になろうとしないので、マリオンを死なせる(宙に散らせる)はめになり、ちょっと残念です。
ここで終わろうと思っていたのですが、本を読み終わった時、「こんなところで終わるん?」「この後、どうなんねん」とよく思っていたので、自分を納得させるために、完結編『宙に願う』へと続きます。
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