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「……わたし、……なんか、へん、……あぁっ、……ンぁ、あぁっ」

 だんだんと目の前が歪み、頭の中が霞んでいく。ぎりぎりのところで留まっている快楽の塊が、私の意識を奪って行こうとして、それが怖くて抗っていた。
 イグニスさんも限界のようで、息も腰の動きも早くなってきている。

「…………くっ」

 小さな呻き声と腰に食い込む指の痛みと。
 緩やかになる律動から、先にイグニスさんが絶頂を迎えたようだ。私の中で屹立がドクドクと脈打っては、吐精していた。

 多分、あともう少しだったのだと思う。
 でもあと一歩が足りなくて、もどかしいほどの焦燥感が私の中に残って身体が火照った。

「まだ中でイくのは難しいか」

 私が達していないことが分かったのだろう。
 隊長はポツリと呟いて、私の下腹部に手を伸ばしてくる。ぬるりと私とイグニスさんが繋がった部分をなぞり、充血した陰核を指の腹で擦ってきた。

「はぁっ、んぁ! あぁっ!」

 強い快楽が私にもたらされ、あっという間に高みに上り詰められる。びくびくと腰が震えては頭の中に衝撃が走り、喉の奥から嬌声が溢れ出てきた。
 快楽の塊がはじけるのは一瞬で、頭の中が真っ白になっては私の思考をクリアにする。
 そのせいで私がまた膣を締め付けていたようで、イグニスさんがまた小さく喘いでいた。

 私の中からイグニスさんが抜けていく。
 栓を失った膣の中からいろんなものが混じった液体がこぽりと音を立てて、太腿へと滴り落ちた。

「ありがとな、カレン。俺らのお嫁さん」
「大好きだよ、カレンちゃん」
「まぁ、これからも飯をよろしく」

 お嫁さん……。あぁ、そうか。お嫁さんかぁ。
 私、本当に三人のものになっちゃったんだ。
 ちょっとまだこの一妻多夫制に理解が追い付かないし、もうこれからのことは今は考えられないけれど。

 でも、三人が私を家族だよ、よろしくと言って顔じゅうにキスをしていくその状況は、意外と悪くない。悪くないと思う。

 でもとりあえず、……もう本当、瞼が重いし、ウトウトしちゃってるし。
 多分このまま寝てしまうと思うから、あとのことは目が覚めたら考えよう。

 …………もう、限界。


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