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同期が望んだ言葉(3)
しおりを挟む「……可愛い……可愛い。本物の猫より可愛い。この世の何よりも可愛くて……何ていやらしい猫なんだ。お前が俺だけのためにこんな格好をしているのだと思ったら……興奮する」
私の猫姿からひと時も目を離さずに見つめ続ける外崎の息が、だんだんと荒くなってきた。その言葉の通り興奮は最高潮になっているようで、頬が紅潮して瞬き一つしない。はぁはぁ、と息を吐く様は危ない人。
私は少し怯えて身体を縮ませて身じろぎすると、外崎はその怯えた顔すらも愛おしいとでも言うように私の頬にキスをした。
ちゅ、ちゅ、といろんなところにキスをして、唇には深いキスを。恐怖を宥めるように優しく、情熱的に。
私もそれに懸命に応えた。
「なぁ……羽和子……俺のも、挿れていいか?」
私の唇を啄みながら聞いてくる。
今さら何の許可を取っているんだか。もうここまできたら、勝手に挿れればいいのに。
こんなに蕩けてしまっているのだから。
もうここまで前戯を尽くされ愛撫を施されて私のあそこだってヒクヒクと震えるほどにそれを期待しているし、また一方でお尻の感触を忘れさせてほしくて仕方がない。わけが分からなくなるまで激しく奪ってほしいのだと、私は外崎を求めて小さく頷いた。
「じゃあ、羽和子、もう一回言って? あの言葉をもう一回俺に聞かせてくれ」
あの言葉って……あの第五位の言葉?
改めて言葉待ちされると恥ずかしい私はむむっと口を尖らせたが、目元を手で隠して口を開く。
「…………い、挿れて…………外崎」
あぁ~だからその笑顔ー……。
そんなに嬉しそうな顔をされてしまうと、私の女心が突かれてヤバいんだって。もう可愛いなぁ、そんなに喜んでいるなら次も言ってあげてもいいかなぁって思っちゃうからダメなんだって。
私はまた別の意味で悶絶した。
外崎は羽織っていたバスローブを脱ぎ、急くように口でコンドームの袋の封を開く。
うわっ……悔しいほどに様になる。
と、魅せられてしまうことほんの一瞬。
私は、外崎が己自身のものに被せているそのゴムを見て、『ひぇ』と悲鳴を上げた。
「なにそのエグいゴムは……!」
何故……何故そのゴムをわざわざ選んだ外崎よ!
いや、もしかすると彼なりのまたこだわりがあるのかもしれないけれど、でもそこくらいはノーマルでいようよ、外崎!
私は声にならない叫びを心の中で叫んだ。
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