氷の魔術師は王宮騎士の愛に甘く蕩ける

餡玉(あんたま)

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書籍発売記念『お忍び旅行と愛玩人形』

5※ 旅先のくつろいだ夜に

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 セスの腕が首の下を通り、そのままぎゅっと抱きしめられた。柔らかな夜着の胸元に顔を埋めて、僕は思い切り深呼吸をする。セスのぬくもりと匂いに包まれると安心して、なんだか眠たくなってきた。

「ああ……任務外の旅は初めてだから楽しいけど、刺激が多すぎて疲れたよ……」
「そうだね。でも俺は楽しいよ。まさかノクトとこんなふうにふたりきりで国外に出られるとは思わなかった」
「うん……」

 前髪をかき上げられ、微笑みを湛えたセスの唇が、僕の額にそっと触れる。
 柔らかな感触を心地よく受け止めて、僕はセスの首に腕を回した。

「僕も楽しい。つい、年甲斐もなくはしゃいでしまうな」
「いいじゃないか。ここは下町だし、ノクトが何者かを知る人間なんて誰もいない。もっとはしゃいだっていいと思うよ」
「そうかなぁ。ふふ……くすぐったい」

 横たわった僕の首元に、セスの軽いキスが降り注ぐ。白い夜着の首元のボタンを外され、あっという間に前がはだけてしまった。
 かつては醜い傷跡が刻まれていた僕の胸元に、セスは軽やかに唇を弾ませた。今は引きつれた痕だけが残るそこは皮膚が薄いのか、感覚が鋭敏だ。思わずぴくりと肌を震わせると、セスが上目遣いに僕を見た。

「疲れて目が冴えてるなら、寝かしつけてあげようか?」
「え……?」
「一度抜けば気持ちよく寝られるだろ?」
「ひゃ……っ」

 ちゅう……っと戯れのようにへそを軽く吸われて、腰がぴくっと跳ね上がる。
 セスは唇に笑みを浮かべたまま赤い舌をちろりと覗かせ、僕の夜着のズボンを少しずつ下げていきながら、下腹にもキスを落として……

「……っ」 

 ズボンを抜かれてしまうと、思わせぶりなキスですっかり昂った僕の屹立が露わになる。
 セスは見せつけるように舌を伸ばして裏筋をねっとりと舐め上げて、先端にちゅっとキスをした。
 そしてあろうことか、僕の膝を掴んで大きく脚を開かせて——普段セスを受け入れている窄まりに、淫らな仕草で舌を這わせ始めた。
   
「ふぁっ! ちょっ……セスっ、だ、だめだってそんなとこっ……!」
「どうして? さっき綺麗にしただろ?」
「だって、だって……っ、ァっ……ぅあ、」

 恥ずかしくてたまらないのに、興奮を煽られる。
 剛直を受け入れるときとはまるで違う淡い感触だ。セスの熱い舌が蠢くたびに、くすぐったいようなもどかしいような快感がぞわぞわっとそこから生まれ、後孔がひくひくとひくついた。
 
「や、ぁっ……セス、っ……」
「……ん?」
「恥ずかしいだろ……っ、宿だし、灯りのついた部屋だし……」
「恥ずかしがる割には、すごく勃ってるし腰も動いてるけど?」
「んんっ…」
 
 舌先で窄まりを突かれ、ひだを押し開くように舐められる。
 恥ずかしいけど、気持ちいい。気持ちいいから、もっともっといやらしいことをしてほしいくなってしまう。 
 セスによって快楽を覚え込まされてしまった僕の身体は、これじゃ足りないと騒いでいる。はしたないと思うのに、僕は途方もなく淫らで気持ちのいい行為を知ってしまった。
 
 僕は腰をくねらせながら、股座に顔を埋めるセスの夜着をぎゅっと掴んだ。

「……セス、しよう? 挿れてよ、ここ」

 唾液でとろとろに濡れそぼり、ひくひくともっと大きな刺激を求めている後孔を指でなぞりながら、セスを見上げる。
 するとセスは瞳の奥にぎらつく高ぶりを秘めつつも、僕をあやすように甘く微笑んだ。
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