氷の魔術師は王宮騎士の愛に甘く蕩ける

餡玉(あんたま)

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書籍発売記念『お忍び旅行と愛玩人形』

6※ 手加減

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「舌じゃ足りなかった?」
「ん……足りない」

 脚を閉じ、もじもじしながら頷く僕を楽しげに見つめながら、セスはベッドサイドに置かれたグラスに残っていたワインをあおった。僕は酒が飲めないけれど、セスは水のような感覚でワインを飲む。
 淡い色をした赤ワインで濡れたセスの唇は色っぽい。
 思わずごくりと生唾を飲むと、セスは僕の上に四つ這いになった。

「ノクトの顔をした人形が、他の男にこんなふうにされるなんて耐えられない。ありえない」
「へ? ああ、さっきの?」
「そうだよ。……はぁ、絶対に嫌だ。嫌すぎる。あの人形細工師が妙なことをしないように、明日もう一度釘を刺しておこうか」

 セスは眉間に皺を寄せて苦々しい表情を浮かべ、重たいため息を吐いた。
 僕は思わず手を伸ばし、セスの頬を両手で包み込む。

「僕だっていやだよ。セスの顔をした人形が、誰かを抱いてるなんて」
「……ん。そうだよな」
「セスは僕だけのものだからね」
「ふ」

 僕の言葉を聞いてか、セスがふっと笑みをこぼした。
 見上げたまま首を傾げると、セスは小さく首を振り「僕だけのものだなんて言われると、グッとくるものがあるな」と言って笑みを深めた。

「明日の旅程もあるけど、いいの? 抱いても」
「うん……あ、でも手加減はしてほしいかな」
「ふふ。いつもノクトが無意識にいやらしいことを言って俺を煽るから、こっちも収まりがつかなくなるんだろ?」
「ぁ、……ん、いやらしいことなんて、言って、ないだろ……っ」
 
 キスをしながら言葉を交わしていると、セスの指先が僕の胸の尖りを捏ね、硬く硬くいきり勃った雄芯を双丘の谷間に押しつけてきた。

「うわぁ……すごく、かたい」
「こういうのも無意識なの? 可愛いすぎるな」
「へ? ぁ、……んっ、はぁ……っ」
「今夜もいっぱい聞けるように頑張るよ」
「んんっ」
 
 つんと尖った胸を舐られ、吸い上げられると気持ちがよくて、つい甘えたような声が溢れてしまう。せり上がってくる淫らな快感に酔いしれるうち、僕はいつしかさっきよりも大胆に脚を開いていた。
 大きな手で愛撫され、僕と蕩けさせる濃密なキスに理性を奪われてゆく僕の耳元で、セスが低く囁いた。
 
「俺はノクトだけのものだよ。……愛してる」
「ん、ぁ……っ、はぁっ……」

 愛の言葉を囁かれながら、欲しくてたまらなかったところに望んだものを与えてもらえて——……内側から弾ける快楽の波で視界が真っ白に染まる。
 挿れられただけで達してしまった僕の身体を労るように抱きしめて、セスはゆったりと腰を使い始めた。

「ぁ、あ、あん、……あっ……はぁ」
「ノクト、俺を見て」
「ん、ぅん……」
「かわいい。好きだよ……俺のノクト、大好きだ」

 深い抽送を受け入れるたびに揺さぶられる身体をしっかりと抱き留められ、僕は快楽に溺れながら何度も頷く。
 こうして抱かれていると頭がぽうっとなって、何も考えられなくなってしまう。
 ただただ気持ちが良くて、僕を見つめながらキスをくれるセスへの愛おしさだけが僕の全身を満たしてゆく。
 熱いもので胸がいっぱいになり、僕のまなじりから涙が溢れた。

「はぁ……っ……セス、きもちいい、きもちいよぉ……っ」
「ふ……俺もだよ、すごくイイ。ノクトの中、ひくひくして……俺のこと欲しがってくれてるのがわかるから」
「ぁ、ぁっ……はぁ……どうしよ、またいっちゃいそ……っ」
「どうされるのがいい?」
「……っ、はげしくされながら、イきたい……っ」

 してほしいことを素直に伝えると、耐えず僕を内側から愛撫するセスの雄芯がさらに硬くなるのがわかった。
 思わず「ふぁっ……おっきぃ……」と声を漏らすと、セスは唇を吊り上げて雄々しく微笑んだ。

「ん、ぁ、あっ……はぁっ……!」
「はぁ……これじゃ手加減できそうにないな」
「んぁ、あ、あっ……セス、んんん——……!」

 手加減するどころか、セスの行為は激しさを増す一方だ。
 大きな手で腰を掴まれ、最奥まで深く愛され、四つ這いにされて雄々しく突き上げられる。結合部からはいやらしく濡れた音が溢れ、肌がぶつかる音がぱちゅ、ぱちゅと淫らに響いた。
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