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あやしい薬は適量で【セス視点】
5 余計なことを言わないでくれ
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「うわっはははははは!! なにそれ、それでセス……おまえ、こんなおチビちゃんになっちまったってこと!?」
ひとまず、俺は王宮から最も近い場所にあるクリスの屋敷へ連れて行かれた。
小さくなった俺を一目に晒すことを憚ってのことだ。
「ううう……」
「こら、レナード! セスを泣かすんじゃない!」
「ああ、すみませんノクト様。……だって、だって、これ、あのスカしたセスが……ノクト様に抱っこされてるなんて……ぐふふっ……」
「く、くそ……」
年齢にして3、4歳前後というところか。
今やノクトの膝上ギリギリくらいしか背丈のない俺は、ノクトに抱っこされてふるふると屈辱に震えていた。
抱いていなくていいとノクトに物申したのだが、「いやだって、迷子になったら大変だろ?」と聖母の如き笑顔で諭されてしまっては逆らえない。
「ねえセス、お菓子食べる? 美味しいよ」
「い、いらない……わいんでもいっきのみしたらもとにもどるかも……」
「だめだぞ! こんなちっちゃいのにワインなんか飲んだら死んじゃうよ」
「うう……」
クリスは一人暮らしだが、屋敷はべらぼうに広く、俺とノクトが暮らしている屋敷と同じくらいの大きさの離れもある。今は俺たちが過ごしているのはその離れだ。
普段ここで働いているメイドは全員人払いされている。そして俺の代わりにノクトの護衛にと同輩騎士のレナードが召集されたわけだが、やつは俺を見るなり腹を抱えて大笑いだ。
「で? 兄貴はどこにいったんです?」
「書庫にこもって、解呪方法について調べてるよ」
「ってことは、これやっぱ呪いなんすか?」
「そうみたいだね。魔術がかかっているというより、呪いの気配のようなものを強く感じるから」
「へぇ~」
ノクトに抱かれた俺に、レナードがぐっと顔を近づけてきた。
普段はさほど背丈が変わらない相手だが、身体が小さくなった今、レナードは巨人のように大きく見える。それがなんとなく腹立たしくて、俺は拳を固めてレナードの尖った鼻先にぶつけてやった。
「いってぇ!! 何すんだよお前っ」
「ノクトにきやすくちかづくなっ!」
「ああーはいはい。そういや付き合ってるんだったな、お前とノクト様」
「——ええっ!?」
レナードの背後で息を呑んだのが、もうひとり招集された同輩騎士、ネオ・フェルセン・スナイル。王宮騎士団きっての美男子だ。
任務だなんだと付き合いの多いウィンラム兄弟には、俺とノクトが恋人関係にあることは伝えてある。当然初耳のネオが、目に見えてショックを受けたように顔を引き攣らせていた。
「そ、そんな……嘘だろ……セス……」
「? うそじゃない」
サファイアのような青い瞳をうるうる潤ませ悲壮な表情でよろめくネオ。その芝居ががった仕草を見て、レナードが「悲劇のヒロインぶるなよ」といって、呆れたようにため息をついた。
ネオは波打つ金色の髪を長く伸ばしていて、任務中はそれを後頭部で団子のようにまとめている。
細身で中性的な容姿は男臭い王宮騎士団の中で絶大な人気を博しているらしく、ネオの魅力に惑う先輩後輩騎士たちからのラブコールが後を立たないとか。
「くっ……あ、あんなにも熱い夜を過ごした日もあったのに……!? 昂る僕の身体を慰めてくれたあの夜のことを、僕は今も忘れられないのに……っ!?」
「うわぁーーーーー! ノクトのまえでそんなこというなよっ!!」
俺は慌てて、伸び上がってノクトの耳を小さな手で塞ぐ。ノクトは性的なことに疎いほうだ、何のことかわからないといった表情で首を傾げている。これならたぶん大丈夫なはず……
ひとまず、俺は王宮から最も近い場所にあるクリスの屋敷へ連れて行かれた。
小さくなった俺を一目に晒すことを憚ってのことだ。
「ううう……」
「こら、レナード! セスを泣かすんじゃない!」
「ああ、すみませんノクト様。……だって、だって、これ、あのスカしたセスが……ノクト様に抱っこされてるなんて……ぐふふっ……」
「く、くそ……」
年齢にして3、4歳前後というところか。
今やノクトの膝上ギリギリくらいしか背丈のない俺は、ノクトに抱っこされてふるふると屈辱に震えていた。
抱いていなくていいとノクトに物申したのだが、「いやだって、迷子になったら大変だろ?」と聖母の如き笑顔で諭されてしまっては逆らえない。
「ねえセス、お菓子食べる? 美味しいよ」
「い、いらない……わいんでもいっきのみしたらもとにもどるかも……」
「だめだぞ! こんなちっちゃいのにワインなんか飲んだら死んじゃうよ」
「うう……」
クリスは一人暮らしだが、屋敷はべらぼうに広く、俺とノクトが暮らしている屋敷と同じくらいの大きさの離れもある。今は俺たちが過ごしているのはその離れだ。
普段ここで働いているメイドは全員人払いされている。そして俺の代わりにノクトの護衛にと同輩騎士のレナードが召集されたわけだが、やつは俺を見るなり腹を抱えて大笑いだ。
「で? 兄貴はどこにいったんです?」
「書庫にこもって、解呪方法について調べてるよ」
「ってことは、これやっぱ呪いなんすか?」
「そうみたいだね。魔術がかかっているというより、呪いの気配のようなものを強く感じるから」
「へぇ~」
ノクトに抱かれた俺に、レナードがぐっと顔を近づけてきた。
普段はさほど背丈が変わらない相手だが、身体が小さくなった今、レナードは巨人のように大きく見える。それがなんとなく腹立たしくて、俺は拳を固めてレナードの尖った鼻先にぶつけてやった。
「いってぇ!! 何すんだよお前っ」
「ノクトにきやすくちかづくなっ!」
「ああーはいはい。そういや付き合ってるんだったな、お前とノクト様」
「——ええっ!?」
レナードの背後で息を呑んだのが、もうひとり招集された同輩騎士、ネオ・フェルセン・スナイル。王宮騎士団きっての美男子だ。
任務だなんだと付き合いの多いウィンラム兄弟には、俺とノクトが恋人関係にあることは伝えてある。当然初耳のネオが、目に見えてショックを受けたように顔を引き攣らせていた。
「そ、そんな……嘘だろ……セス……」
「? うそじゃない」
サファイアのような青い瞳をうるうる潤ませ悲壮な表情でよろめくネオ。その芝居ががった仕草を見て、レナードが「悲劇のヒロインぶるなよ」といって、呆れたようにため息をついた。
ネオは波打つ金色の髪を長く伸ばしていて、任務中はそれを後頭部で団子のようにまとめている。
細身で中性的な容姿は男臭い王宮騎士団の中で絶大な人気を博しているらしく、ネオの魅力に惑う先輩後輩騎士たちからのラブコールが後を立たないとか。
「くっ……あ、あんなにも熱い夜を過ごした日もあったのに……!? 昂る僕の身体を慰めてくれたあの夜のことを、僕は今も忘れられないのに……っ!?」
「うわぁーーーーー! ノクトのまえでそんなこというなよっ!!」
俺は慌てて、伸び上がってノクトの耳を小さな手で塞ぐ。ノクトは性的なことに疎いほうだ、何のことかわからないといった表情で首を傾げている。これならたぶん大丈夫なはず……
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