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あやしい薬は適量で【セス視点】
6 感情の制御が……
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少し前まで魔獣討伐任務時に使われていた協力な鎮痛薬には副作用があった。薬効が強すぎて媚薬のような効果があらわれ、体重が軽く筋肉量の少ないものは性的に興奮状態になってしまうのだ。
以前、仕方なくノクトにもその鎮痛薬を使ったのだが、小柄なノクトには当然強すぎる効果が出てしまった。痛みは引いたものの、あまりに色っぽく寝乱れるノクトに俺は手を出してしまったことがある。
ネオのいう「熱い夜」というのは、数年前の討伐任務時のことだろう。体格が華奢なネオもノクトと同じような副作用に見舞われ、たまたま同じテントで休んでいた俺に慰撫を求めてきたことがあった。
泣きながら「お願いだ、抱いてくれ。僕を抱けるなんて役得だよっ!?」と懇願されたが、俺の心を占領しているのはいつでもノクトへの恋慕だった。いくら細身で顔が綺麗だからといって、ネオにそういう感情を抱けるわけがない。
だが、同じ男としてもどかしさはわからないではない。仕方なく、手で吐き出させてやったことがあったのだが……
——あれをかんちがいされてたってことか? もうずっとまえのことなのに……
めそめそ泣き始めたネオを生ぬるい目で見ていたレナードが、「めんどくせぇなお前は! これでも任務中だぞ、泣いてんじゃねえよ!」と苛立ったように喝を入れた。するとネオはよろりと立ち上がり、ぐすっと鼻を啜った。
「まあ、お相手がノクト様とあってはどうしようもありません。魔獣襲来の折、僕もあなたに命を救われましたので」
「そうなんだ。あのとき……」
「混乱した現場でしたし、僕の顔は覚えてはおられないでしょうが。その節はありがとうございました」
もっと拗れたことを言うかと思いきや、ネオはすっと片膝を折ってノクトに首を垂れた。
ノクトはしきりに「いや、そんなのいいから」と恐縮している。
「……して、僕たちは何をしていたらよろしいでしょうか。セスの遊び相手なら喜んでいたしますが」
「そうだなぁ。……どうするセス? 遊んでもらう?」
「あ、あそばない……」
「もしセスが口寂しいと泣くようでしたら、僕が一肌脱いで平たい胸を差し出しますし……」
「きもちわるいことをいうなっ!」
なぜか恥じらいながらノアが軍服の前を寛げようとするものだから、俺はゾッとしてノクトにギュッとしがみつく。見かねたらしいレナードに「バカかお前」と尻を蹴り上げられ、ネオは「あぁんっ♡」と変な声を上げた。
目の前で繰り広げられる茶番を見守っていたノクトは苦笑して、「……とにかく。セスが元に戻るまでの間、ふたりには世話になるよ」と言った。
「了解です。ま、セスがおとなしくここに引きこもってりゃ何も起こらないでしょうけど」
「ひきこもるにきまってる。こんなすがた、だれにもみられたくない」
「そりゃそーか。騎士仲間が今のお前見たら、全員大笑いだぜ」
「うう……」
レナードに頬をツンツンつつかれるという屈辱に耐え、俺はぎゅっと唇を噛み締めた。
本音を言うなら、こんな姿、ノクトにだって見られたくなかった。
こんな身体じゃ、こんな拳じゃ、もしノクトに何かあったときに守れない。せっかく心身を鍛えて強さを得たのに、このままずっとこの姿だったらどうしよう……
——んっ? あれ?
じわ、と目の奥が熱い。感情が制御できない。子どもの身体になった途端、込み上げる不安を頭で整理することができなくなるのかもしれない。混乱した俺はごしごし目をこすり、溢れ出しそうになる嗚咽を必死で堪える。
すると俺の変化に気づいたノクトが、膝の上に乗せた俺の顔をそっと覗き込んで怪訝な表情を浮かべた。
以前、仕方なくノクトにもその鎮痛薬を使ったのだが、小柄なノクトには当然強すぎる効果が出てしまった。痛みは引いたものの、あまりに色っぽく寝乱れるノクトに俺は手を出してしまったことがある。
ネオのいう「熱い夜」というのは、数年前の討伐任務時のことだろう。体格が華奢なネオもノクトと同じような副作用に見舞われ、たまたま同じテントで休んでいた俺に慰撫を求めてきたことがあった。
泣きながら「お願いだ、抱いてくれ。僕を抱けるなんて役得だよっ!?」と懇願されたが、俺の心を占領しているのはいつでもノクトへの恋慕だった。いくら細身で顔が綺麗だからといって、ネオにそういう感情を抱けるわけがない。
だが、同じ男としてもどかしさはわからないではない。仕方なく、手で吐き出させてやったことがあったのだが……
——あれをかんちがいされてたってことか? もうずっとまえのことなのに……
めそめそ泣き始めたネオを生ぬるい目で見ていたレナードが、「めんどくせぇなお前は! これでも任務中だぞ、泣いてんじゃねえよ!」と苛立ったように喝を入れた。するとネオはよろりと立ち上がり、ぐすっと鼻を啜った。
「まあ、お相手がノクト様とあってはどうしようもありません。魔獣襲来の折、僕もあなたに命を救われましたので」
「そうなんだ。あのとき……」
「混乱した現場でしたし、僕の顔は覚えてはおられないでしょうが。その節はありがとうございました」
もっと拗れたことを言うかと思いきや、ネオはすっと片膝を折ってノクトに首を垂れた。
ノクトはしきりに「いや、そんなのいいから」と恐縮している。
「……して、僕たちは何をしていたらよろしいでしょうか。セスの遊び相手なら喜んでいたしますが」
「そうだなぁ。……どうするセス? 遊んでもらう?」
「あ、あそばない……」
「もしセスが口寂しいと泣くようでしたら、僕が一肌脱いで平たい胸を差し出しますし……」
「きもちわるいことをいうなっ!」
なぜか恥じらいながらノアが軍服の前を寛げようとするものだから、俺はゾッとしてノクトにギュッとしがみつく。見かねたらしいレナードに「バカかお前」と尻を蹴り上げられ、ネオは「あぁんっ♡」と変な声を上げた。
目の前で繰り広げられる茶番を見守っていたノクトは苦笑して、「……とにかく。セスが元に戻るまでの間、ふたりには世話になるよ」と言った。
「了解です。ま、セスがおとなしくここに引きこもってりゃ何も起こらないでしょうけど」
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「そりゃそーか。騎士仲間が今のお前見たら、全員大笑いだぜ」
「うう……」
レナードに頬をツンツンつつかれるという屈辱に耐え、俺はぎゅっと唇を噛み締めた。
本音を言うなら、こんな姿、ノクトにだって見られたくなかった。
こんな身体じゃ、こんな拳じゃ、もしノクトに何かあったときに守れない。せっかく心身を鍛えて強さを得たのに、このままずっとこの姿だったらどうしよう……
——んっ? あれ?
じわ、と目の奥が熱い。感情が制御できない。子どもの身体になった途端、込み上げる不安を頭で整理することができなくなるのかもしれない。混乱した俺はごしごし目をこすり、溢れ出しそうになる嗚咽を必死で堪える。
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