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母を訪ねて……

最後の町

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 通帳に記載されている店名も残り少なくなってきた、旅も2週間目になり通帳を記帳してみると振り込みがあり、振り込みが増えた振り込み元から店名が変わっていないので移動はしていないようだ。
 行く先々で母の行方を聞いて回りついに最後と思われる場所に到着した。

「ここが本当に最後なのか?」
 護衛の人が疑問に思って質問する、正直自分もそう思ってしまう、なぜならどう見ても目の前にある町は廃墟のようになっている、とくに蜘蛛の巣が多く張り巡らされており、もはや足場にできそうだ。
「それでもここしかないですよね?」
 町での証言を元にすると目の前にある町以外は近くに町はないのでココしかないだろう、しかも前日に振り込みがあったので機能しているのだろう。
「とにかく入って確かめてみましょう」
「そうだな」

 蜘蛛の巣の糸を搔き分けながら進み門を抜けると蜘蛛の巣がなくなり、普通の町に見えてしまう。
「さっきのアレはカモフラージュ的な事かな?」
「どうでしょう?」
 3人で首を傾げていると、陽気な男性が近づいてきた。
「君たち初めての顔だけどどうやってあの門を抜けてきたんだい?」
「え、普通に通ってきましたけど?」
「それは不思議な話だ、この町に知り合いでもいるのかい?」
「おそらく母がこの町にいるかと?」
「君のお母さんが?、だったら事前にそういった連絡があるはずだけどね?」
「そうなんですか?」
「そうともさ、だから門番がいなくてもいいんだが、おかしいもんだねぇ、何かしたかい?」
 陽気だった男性の顔が厳しくなる。
「いや、本当に何もしていなんですけど……」

「……のようだね、ではこの町を楽しみたまえ」
 男性の顔が陽気に戻り、軽い足取りでさっていった」
「なんだったんだ」
 わけのわからないまま町の中を進んでいく、先ほどまで活気があったが自分達が一歩踏み入れると静まりかえってしまい、町の人達がこちらを不思議な物を見る目で見ている、そんな視線がずっと刺さっているので誰にも話しかけ辛い状況になっていた。

 そんな中いきなり人混みの中から若い男性がこちらにビビりながら向かってきた。
「君たち、僕についてきてくれ、お母様の所まで案内しよう」
「あ、はい」
 早口で言い終わったあとに速足で町に中央に向かっていった、見失うといけないのでこちらも速足で向かう、人混みを抜けると後ろの方から活気づいた声が聞こえてきた。
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