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一番のロボットは何か

前の報酬

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「……何時?」
「3時間くらい寝てたよ?」
「てことは日没前後くらいかな?」
「たぶんそれくらいかな?」
 ココに収容された時はまだ太陽が上にあったので日本と同じような緯度ならまだ外が明るいかもしれない。

「誰かが見に来たりは?」
「来てないけどカメラでずっと視線を感じるかな」
「じゃあ何かやる時はいっきにやった方がいいかな、そういえば食べ物って何かある?」
「1カ月分の食糧があるよ」
「さすがやな」
「えへへ」
 サヨの収納スペースはいったいどうなっているかと改めて少し気になったがとりあえずサヨの頭を撫でてご機嫌にしておく。
 しばらくサヨとイチャイチャして時間をつぶしていたが一向に誰も来ずに時間が過ぎていった。

「何時間くらい寝てた?」
「今回は8時間くらいかな」
 いつのまにかガッツリ寝ていたようだ。
「人は?」
「来てないよ」
「とりあえず朝かな?」
「日本と同じなら朝だね」
「じゃあメシ食ってからいい加減に動くか……」
「はーい」
 サヨがどこからか真空パックに入った保存食と取り出して握力に任せて強引に包装を破り、2人分に分ける。
「……うま」
 見た目さえどうにかすれば普通に飲食店に出しても問題ないような味がした、見た目が焼き菓子なので喉の渇きが少し心配になったがそんな事も起こらなかった。
「保存食の技術も進んでいるのか……」
「こういうのもいろんな転生者が情報とか実物を集めてきたからできた物なんだよ」
「へえ、僕も何か役に立っているかな?」
「うーんじゃあはい」
 サヨが少し悩んだ後に深い胸元からペットボトルを取り出す。
「なんでお茶?」
 そのペットボトルには所属している日本で普通に売られているお茶だった。
「さっきいた世界で貢献した事が少しだけあったみたいでそれが現金化されてお茶になりました」
「そんなシステムだっけ?」
「見て分かりやすいように今回は成果に反映させてみました」
「お、おう」
 常温のお茶をまじまじと眺めてからおもむろに飲む、うん普通のお茶だ。

 食べ終わった食べ物の包装を燃やして灰にする、普通に燃やしても問題ない素材になっているようで問題なくごみ処理ができる、火に当たって温まっていると遠くから足音が近づいてきた。
「きさまらの持っている食料をすべて差し出せ!」
 久々に来るなり盗賊紛いの要求が来た、初めてみる人物だがおそらく自分たちを監視していた人が食料を求めてやってきたようだ。
「もうないですよ」
 とりあえず嘘をついて様子を伺ってみる。
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