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圧倒的相性の有利

脱出と葛藤と

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「ところで爆発までにちゃんと安全な所に行けるんだよなぁ!」
「…………たぶん」
 ついさっきまで意気揚々と爆弾をばら撒いていたが質問をした途端に硬直してばら撒くのを止める。
「よしさらに全力で逃げよう」
「いえっさー!」
 アリスがまっすぐな姿勢になり、綺麗なフォームで駆け下りていく、その速度は誰よりも早くてまるで落ちているかのような速度だ。
 対して僕らは普通に下りて行っている、3人とも同じような速度で下っていっており爆発までにはなんとか外に出られそうだ。
「さすがに助けられないよ」
 下りていく時に何度か洗脳されていた人が倒れているを何人も通り過ぎていく、そのたびに後ろ髪をひかれる思いが強くなっている、ビルが爆発されるまでの時間がないため全員を助けることはできない。
 1人を助けてしまえば、他の人も助けられなかったのかと後悔が強くなってしまう、それなら全員助けるか助けないかの二択だ、しかし今の自分には助けれらる実力はない……。
 遅くなりかけた足をタチバナ君達が押したり手を引いたりして助けてくれる。
「今は見ない方がいいですよ」
「……ですね」
 倒れている人達を無視して駆け下りてていく、葛藤していると小さいビルのおかげですぐに脱出できた。

「さすがですタケダ・デス様、爆発まであと少しです、さっさと爆風とか届かない所に急ぎましょう」
 どうやらビルを出たところで待ってくれていたらしい、こちらを見るな否や手招きして逃げ道を案内しようとしている、そしてなぜかさっき見た時よりも服装がボロボロになっている。
「その服どうした?!」
「逃げ道を確保していたんですよ、おかげで一張羅がだいなしですよ」
「そうか、よくやった、後で頭を撫でてやる!」
 とりあえずほめておく。
「マジかやった、やる気出てきた」
 アリスが僕を担ぎ上げて運んでくれる、自分より小さい女の子に担がれているのは正直どうかと思うのだが、それが今の最適解なのだろう。
 タチバナ君達はそれでも普通について来てくれるのでさっきは自分に合わせてくれたのだろう。

「そろそろです」
 十分に距離をとった後にアリスがいきなり言い出すと爆発音が響いてきた、前世も含めて爆発音なんて初めて聞いたがこんなに煩いとは思わなかった、というかビビッて耳を塞いでいるのは自分だけだったので少し恥ずかしかった。

「それじゃあ僕は仕事が終わったのでココでおさらばです」
「いきなりどうしたんですか?」
「実は仕事で来ていたからさ、それが今の爆破で完了したから帰るんですよ」
「そうですか、おつかれさまです!」
「おつかれさまです……」
 アリスが元気よく返事をしてしまったので自分は小さくしか答えられなかった。
「それじゃあ」
 そう言うと突然姿を消してしまった。
「うそ、完全に消えた……」
 アリスが突然消えたことに心底驚いているようだが、個人的にはまぁできるだろなぁ程度でしかなかった、というかあの人たちはなんだったんだろう……。
 ともかくこれでこの世界は平和になっただろう。
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