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海洋の底へ

海底からの帰還

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「さて、ある程度は情報が集まった、のか?」
 さすがに行動範囲の狭さがあって思うように情報が集まらなかった。
「強行する?」
「しかたないだろうな……、いこう」
 これ以上はもう情報は集まらないだろうしもう実行するしかないだろう。

「武器はあるよ」
 サヨが胸元から小さな銃をとりだす。
「まだあったんだ……」
 男性は銃を受け取りつつ呆れている。
「でも殺傷能力はあんまり無いから過信はしないでね」
 どうやら相手を足止めするための武器のようだ、大がかりな武器は余計な反発を生じる事はないだろう。
「とにかく船がある所まで行こう」
「あーじゃあもう少ししてから行った方がいいよ」
「え…!」
 いざ脱出しようと話しているといつも食糧を運んでくる人がいつもと違うタイミングで現れた。
「いやぁ、別に止める気はないよ、これまでも僕の出せる範囲で情報は出してきたつもりだし、これを機会にしっかりとセキュリティとかちゃんとしてくれたらいいと思ってるし、本番でちゃんと機能できるよう改善してほしいにという訳で脱出を手伝うよ」
「それは助かる、のか?」
「そんな訳で出口まで案内するよ、ココからだからちょっとかかるけど急いでくれ」
「もちろん」
 この人物が信用できるか判断しかねるが、一応武器があるので警戒しながらついていく。

 道を進んでいくが他の人に遭遇することなく進んでいく、この施設については一切しらないのでこの道が正しいのか分からないのでいまいち信用に欠ける。
 サヨの方を見るが自分と同じ意見だろう、あまり信用している様子ではない。

「やっば見つかったわ……」
 遠くから足音が聞こえてきた、こちらを拘束に来たのだろうか。
「ここからならあとは真っ直ぐ行けば船があるからそのまま突破すればいいんじゃないかな、じゃ僕は共犯者じゃないのでココで」
 そういって明後日の方向に走っていった、とりあえず信用しきらなくて正解だろう。
「強行突破、しかないだろうな……」
 銃を構えて走り出す、目標の船があるのは目の間なので一気に駈け出す、サヨが向かってくる足音の方向に対して閃光と高音を放ち足止めする。
 すると小さく悲鳴が聞こえてきたので、足止めは成功したのだろう、3人で素早く乗り込み船を起動させる。
「このタイプならいける、すぐに脱出してやる」
「お願いします」

 こうして無事地下を脱出して、何とか男性も地元に帰還する事ができた。
「ありがとう、一時はどうなるかと思ったよ」
「こちらこそ君の操縦がなかったら脱出できなかったよ、それじゃあ僕たちはココで」
「この船貰って良いのかい?」
「僕らが持ってても扱えないからね」
「そうか、じゃあちょっと待っててくれ」
 男性が何かをとりに行った隙に帰還する。

「おかえりなさい」
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