異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

ゾンビパニックで火力マシマシ

逃げるか戦うか

「おい、全員いるか？」
　全員でなんとか安全地帯まで逃げ込む、サヨがかなり数を減らしてくれたおかげで何とか逃げながらでも攻撃ができた。
「……マイクが……」
「マイクが……」
　全員が逃げ込んだ先で全員が一息ついた後に１人足りない事に気づいた。
　マイクが誰だかわからないが人が欠けた事で一気に空気が重くなる。

「とにかく今はこの事態を何とかしないと……」
「いいえ、こんな所捨ててさっさと遠くに行きましょう」
「いやこのゾンビを始末しないといけないだろう」
「そうだ、ココでしっかりと責任とらないとこのままではあのゾンビが全世界に広がるだろうが」
　複数人いる事で意見がぶつかり合ってしまい言い合いになっている、この状態でも全員で行動するしかない事は前提のようで、仲間の１人が犠牲になったことによりその意思だけは変わらないようだ。
　その中で何としても生き残る事を優先する者と責任をとって事態を解決しようとする者で意見がハッキリと分かれている。


「サヨ、大丈夫？」
　言い争いがヒートアップしているのでサヨを部屋の隅にあるベットに寝かせる。
「ちょっと、無理かも」
　ゾンビの体液を大量に浴びたせいで感染したしまったのかぐったりとしており、顔色がすごく悪い、このままではサヨがゾンビになってしまう可能性があるのだろうか。
　いやそんな事にはしたくない、急いで日本に連絡にとる。
「あら、もうギブアップ？」
「はい、あのサヨがゾンビの血を浴びちゃって、このままだとゾンビになるかもしれないんです」
　こんな状態になってしまえば早々に帰って治療を行わないといけないし、生き残るなんて仕事なんてやってられない。
「……そう、ごめんなさいね、私個人としても助けてあげたいけどそれはルール上できないの」
「どうしてですか？」
「ゾンビに限らずウイルス系ってどういう感染経路があるかわかる？」
「空気とか粘膜接触とかですか？」
「そうね、そのウイルスがこっちの世界でどう作用するか分からないの、最悪日本が滅んでしまう可能性があるの、そこは理解できる？」
「だからって……」
「もちろん見捨てる事なんてしないわ、端末のアプリからサヨちゃんの強制停止コマンドを使いなさい」
「強制停止って」
「大丈夫よ死ぬわけじゃないの、サヨちゃんの時間を止めるだけよ、それから専門のチームが対処するから時間がかかるわ、それから貴方も感染している可能性があるのだから２週間はその世界にとどまっててね」
「マジですかい」
「もちろん、緊急帰還装置は動くから死ぬことはないから安心してね」
「はぁい」
「これも実践を積むためよ、偶然に起こった事とはいえやり切りましょう、もちろんサヨちゃんがこうなるのは想定外だからあと２週間で打ち切りで帰還してもらいます」
「……わかりました」