異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

ゾンビパニックで火力マシマシ

割と道は決まってたり決まってなかったり

　リーダーと爆心地に向かう、爆発が起こったせいで野生動物などが軒並み逃げ出したようで不気味なほど静かになっていた。
「なんか静かですね」
「さっきの爆発で大方吹き飛んで残りは逃げたんだろ」
「言われればそうですね」
　周囲を計画する必要がなくなったのはありがたい。

「これはお見事成功ですね」
「思ったよりもうまくいったようだな」
　丘の頂上に立って街を見下ろしてみると街ではなくなっており、大きな黒いクレーターが出来上がってきた、リーダーの作戦は成功したようだ。


「……これは本当に不味いからもしれない」
「どうしたんですか？」
　リーダーが望遠鏡でクレーターを見てみると直ぐに言葉を失ったまま固まってしまった。
「見てみろ……」
「どうも」
　望遠鏡を受け取り、クレーターの適当な位置を見てみる。
「おうふ」
　黒いと思っていたクレーターはゾンビが密集してそう見えていただけだった。


「何とかできそうか？」
「いやぁ流石にアレ無理だと断言させて欲しいです」
「そうだよなぁ、アレはどうするよ」
　幸いにもこちらに気付いていないようでクレーターの中をウロウロしているだけのようだった。
「今ならこちらに発見されずに逃げられますよ」
「対抗手段でもあれば……」
　まだ太陽は上空にある、つまり自然発生した物ではなく人口的に作られたゾンビ達だ、逃げ回っていればいつか倒せるものではないだろう。
「……………っ……仕方ない、ここは引き返してみんなと合流しよう」
「そうですね」
　自分の無力をまた味わう事になってしまった、もうこの世界に来ることは無いだろうし魔法少女に変身してしまおうかと思って端末を確認してみるとバッテリーの残りが少なくなっており、変身ができないようになっていた。
　悔しい思いに引かれながら他の人達の所に合流しようと振り返るとその人達が慌ててこちらに向かってきていた、その後ろには大量のゾンビがこちらに向かってきていた。
「これじゃあ逃げ場がないな」
　クレーターのゾンビはまだこちらに気付いていないので横方向に逃げて行けば何とかなるかもしれない、しかし地形的にも複数人で行動すればすぐに気づかれてしまうだろ。
　ここは無理にでも魔法少女に変身して逃げ道だけでも作らないといけない、何とか変身できないか他のインストールされているアプリを含めて何とかできないか操作する。
「何とかなれぇ！」
「なんとかしよう！」