異世界に行って転生者を助ける仕事に就きました

玩具の世界は無駄に壮大になりがち

世界の展開

　開発や今後の準備も順調に進んでいたので久々にゲームセンターで遊ぼうと向かうとすでにプレイしている集団が目についた、幸いなことにいがみ合ったりする事なく和気あいあいとしているようにみえる。
　その中に恵美がいて楽しそうに談笑しつつゲームを楽しんでいた、こんな光景を見ているとゲーム開発に関わっている物として嬉しくなる。

「あ、おーい」
　恵美がこちらに気付いたようで大きく手を振ってくる、とりあえず手を振り返して近づく。
「あれ、姐さんの彼氏？」
「えっとねぇ、ないしょ」
「姐さんて、ずいぶん慕われてるんだな」
「そうなんだよ、打ち負かしたらなんかついてきた」
「そうか、すごいな」
　サービス開始からじっくりやりこんでいるのは恵美くらいだろう。
「とりあえずやっていこうよ」
「そのために来たからな」
　サイフを取り出してデータカードとお金を取り出す、やり方は日本の方と同じになっているので簡単に始められる、もっとも開発中に何度かプレイしているので自分のデータはバッチリ持っている。
「いくら姐さんの知り合いだからって手加減しねぇぜ」
　どうやら取り巻きの連中は敵側として対戦するらしい、こちとら開発者なのと娘の前なので負ける訳にはいかない。

「さっすがぁ」
「つえー流石姐さんのお知り合いだな」
　なんとか維持で勝ち越したがギリギリだったので危なかった、生粋のゲーマーに対してなんとか立ち回れたが仕様をしっかり把握していたおかげだ、それが無ければ何もできずに一方的に攻撃されて終わっていただろう。
「このままじゃあ俺たちの面子が持たねぇ、ちょっと俺たちともやろうぜ」
「いいだろう」
　それから連続で恵美の取り巻きと連戦させられた、途中で恵美も参戦してきたので流石に勝てなかった。
　それ以降も連戦を繰り返したり、ハンデ戦や装備を限定して戦ったりして久々にゲームで楽しんだような気がする、というかこういうのをゲームでやればいいのでは、とそう思ってしまった。



「大会ですか？」
「そうですよ、ネットワーク対応しているのだから期間限定で大会を開催するんですよ」
　後日にゲーム開発の人たちと合う機会があったので前世でもあったイベントの提案をしておく。
「でもそうすると会場やらいろいろな準備が必要ですよ」
「いやいや、ネットワーク上でやるんですよ、一定期間を特別なルールにするんですよ」
「………なるほど」
　初めてのオンライン対応のゲームなのでその辺は発想がなかったようだ。