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最終決戦に現れる空気の読めない奴ら

終盤に出てくる仲間は極端に使えるか使えないかのどっちか

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後ろの方から複数のエンジン音が聞こえてくる。
「アスファルトとガードレールがあったし、もしかしてここの世界って割と現代に近いのかな?、サヨ、何体近づいてくるか分かる?」
「…うーん」
いつもならすぐに答えるが頭に手を当てて悩む。
「…10体ほどかな、音は聴こえているけどまだかなり遠くて…」
サヨが探知できないほど遠い…、そういえばサヨの探知範囲ってどれくらいだろ、いやまて、サヨが探知できない範囲でこんなに聞こえてるって事は…。
「サヨ、今すぐ防音の結界とか貼れないかな?」
「えぇ?」
「今すぐにだよ!」
「う、うん!」
僕が慌てていたので訳の分からないまま、結界を貼る。
結界が貼り終わる瞬間に目の前のアスファルトを10台ほどが高速で通り過ぎていった、防音用の結界がなければ鼓膜が破壊されていたかもしれない。

「……サヨの結界が無ければ即死だった」
「それはおおげさじゃ…」
そんなことは無いと頭を撫でて誤魔化す。
「とりあえず進もうか」
「はい」
頭を撫でるだけでもうほぼすべてを誤魔化せるんじゃないか、ある意味心配になってきた。

またしばらく進んで行くと、今度は歓声らしき大勢の声が聞こえてきた。


「もしかしてレースだったのか?」
さきほど通り過ぎていった集団は競い合っていたのだろうか…。

さらに進み角を曲がると、バイクらしき物が1台だけ止まっていた。

「クソ、こんな時に!」
バイクらしき物乗っていたであろう男性が八つ当たりをしていた。
ここは助けるべきなのだろうか、というかこの人が今回助けるべき人なのだろうか?

悩んでいると遠くから聞こえてくる歓声?が大きくなってる。
「俺は…、こんなところでリタイヤかよ……じぃちゃん、みんな…すまねぇ…」
なんか、泣きながら御ずれ落ちてる。

「よし、アレは終わったからあっち行こう」
「はい」
崩れ落ちている人に聞こえないようにサヨに話す、サヨもそれをくみ取ったのか、小さな声で答える、なるべく音を立てないように移動していく。

すすんで行くとやはりレース会場で、既に表彰式が始まっていた。
よくわからない人がなんか優勝していた、所詮そんな印象しかない。
というか戦闘要員が必要ってなんでだろう、もしこの世界がレースで全てカタがつく世界なのだろうか、それなら、別に僕、サヨじゃなくても良かったような、いやレース中に妨害アリなら戦闘要員が必要か…しかし先ほどの途中でリタイヤしていたバイクらしき物は時に被弾したような跡は無かった……、ような気がする…。
つまりこのレースはただの娯楽?

しばらくして時間が経つと人々が帰り始めるので自分もその波に合わせて進んで行く、服装も周りと大差ないので特に違和感は無い。
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