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最終決戦に現れる空気の読めない奴ら

最終的に火力特化になりがち

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ガラのワルい男達が3人ほど入ってくる、どれもサヨに対していやらしい目つきをしている。
「それにお前たちがスパイの可能性もあるしなぁ…」
こんな間抜けなスパイは自分で言うのもなんだがいないと思う。
「今さら仲間に報告しても遅い」
男性が何か取り出して見せびらかす、多分それが妨害電波か何かを発しているのだろう。
(全体麻痺高速で)
サヨに向かって小さく呟くと、バチッと音がしたと思うと部屋にいた全員が倒れていた。
「一応コイツら生きてるよね?」
「悲しい事にいきてるよ、あと監視カメラと隠しマイクはどうする?」
「それも全部潰そうか、データとかもついでに消せれば僕たちはそもそもいなかったって事にできる気がする」
「わかった」
サヨは嬉しそうに機械を潰していった、ご丁寧に電子ロックの金庫なども潰している。
指紋が付かないように注意しながら財布からお金をいただいていく。
一通り電子機器を潰し終わった後、念のため魔力のたぐいの物が無いか探してみたが、発見できなかった…、この世界には魔法などは無い世界なのだろうか……。

建物から出るとサヨがいきなり足を止める。
「どうしたの?」
「みられてる…」
「え…」
「君たち、ここの関係者かい?」
小奇麗でラフな格好をした、40代くらいのオジサンに声を掛けられた。
「え、いや何か誘われて行きましたけど、よく分からなくて出てきたのですが、ここってなんなのですか?」
中で何かあったかは言わずに、とぼけてみる、すると目の前のオジサンは頭を抱えてたあと考え事をしてどこかに連絡をする。

「とにかくお前らは署に来てもらうぞ」
「なぜ、ですか…」
しまったお金を盗んだのがバレたか。


取り調べを受けるとかそんな事もなく、大きな建物の食堂に案内された。
「とりあえず、これでも食べててくれ」
建物内部の雰囲気からして、警察署っぽい、そこでカツ丼を奢ってもらうなんてレアな体験をしたと思う。
「「いただきます」」
2人で手を合わせて食べ始める、結構おいしく、あっという間に食べてしまった。
「さて、食べ終わった事だし君たちに聞きたい事がある」
やっぱりお金をくすねた事がバレタのか?!

「君たちはいったい何者かな」
「質問の意図が分かりませんが…」
いきなりお前は何者だと言われて正確に答えられるひとはなかなかいないと思う。
「あぁ、そうだな確かにこう聞かれたら答えに困るな、すまんじゃ…、君らはこの国に何をしに来たのかな?」
「いや、その辺は解らないままココに来まして」
事実なのでこういうしかない、信じてもらうしかない。
「つまり君は下っ端ってことか?」
「そういう事です」
「はぁ、ちなみに組織の名前とか言えるか?」
「名前なんてあったっけ?」
「さぁ」
サヨに確認を取ってみたが知らないそうだ。
「わかんないです」
「…そうかー」
オジサンはやる気をなくしたのか天井を見上げる。
「どうしたのですか?」
「君たちはハズレってことだよ」
普通に傷ついた。
「で、これから君たちはどうするんだ、この国に住み着く訳でもあるまい」
「適当にうろうろする感じです、多分適当な時期になったら帰ります」
「頼むから問題を起こさいでくれよ」
直後に制服を来た人がオジサンに耳打ちする。

「……既に、か…」
頭を抱えて悩む。
「僕らがついて行った所ってそんなに不味いところなんですか?」
「うん、まぁ不味いっちゃあ不味いが別にそこまでじゃない、むしろ助かったというべきかもしれない…」
「はぁ…」
「とにかく君たちはもう出ていいぞ、ゆるくだが監視がつくがな」
「別に悪い事をする予定は無いので別にいいですよ」

建物を出てからまっすぐに図書館を目指す、そこでこの世界の情勢を調べる。
どうやらここも日本のようだ、戦争中なのは驚きだったが戦地事態が遠いこともあり日本事態は平和そのものらしいが娯楽のたぐいが自主規制されており、たまに息抜きとしてレースや大会を開いているようだ。
「…なんていうか余裕?」
あまりこちらの日本には突っ込まないでおこう、でも一応優勢らしいし…、本当にこの世界で何をすればいいんだ?

他にも一通り調べ終わったので、ファーストフードで適当に飲み物を買ってサヨと適当にぶらぶらしていた。
確かに活気事態が少なく、あまり楽しめるものは無かった。


「あ」
いきなりサヨの顔が険しくなり、空を見上げる。
「どうしたの?」
「暇つぶしにサーチ範囲広げたら戦闘機が1機だけ真っ直ぐ近ずいてくる」
「なんかヤバそうだな、一応迎撃できるように準備だけお願い」
「わかった」
サヨからメカの機動音が聞こえてくる。
もし敵の戦闘機が飛んできたらサイレンか何かなるはずだが何もなく、街の人たちは動くような気配が一切ない、もしかしたら情報規制でもされているのだろうか。
さっき調べた限りでは日本に被害はまだないって出ていたが…。
「近くまで来てる」
サヨは既に上空をガン見し続けている状態だ、僕も上をみてみたが飛行機の影などは見えなかった。
「ステルスか?」
「そうかも、電子系のレーダーに反応が薄いし」
「マジで爆弾落としてきそうだから迎撃してしまおう、僕はその間は店で人目のつく所にいるよ」
「わかった」
サヨが一瞬で飛び立ったのを確認してからさっきのファーストフード店に戻り、こんどは中でポテトを頬張りながら時間を潰していた、今後のために暇つぶしの道具が必要になるだろうから、次に異世界に行くときは何か暇つぶしになる物をもってこないとなぁ、呑気にしていた。
ポテトを食べ終わったころに上空から爆発音が聞こえてきた、おそらく成功したのだろう。
暫くしてサヨが入店してきたので迎撃は成功したっぽい。
「おつかれ」
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