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1章 稀代の商人
四十七、聖なる神(1)
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「え?ですが…私達が能力を貰った時、銀髪の女神様から力を授かりましたが…」
「銀髪、ねぇ…ユグドラシル、俺は少し嫌な予感がするんだが…その女神は何をやらかしたんだ?」
「よっ…やらかした…というより、人間に騙されて封印された、の方が正しい…かな」
肉体ごと地上へ降りて来た神は、そう伝えた。
「なるほどねぇ純粋過ぎた故に悪に騙された…よくある話だ。
だが、それなら予感が確信に変わった…本当に銀髪の女神だったんだな?」
「う、うん」
「…ユグドラシル、ちなみにその女神は神として復活しても良い人物か?」
「もちろんだよ、封印されたとは言え、寧ろ僕達神々も探しているほどだ」
「なるほど…よし、用事が出来た。
恐らく、女神の思惑は俺の討伐が目的じゃない、寧ろ狙いは…ユグドラシル、お前だ」
「…え?」
「多分、神にもう一度戻して欲しいか、もしくは恨みから現れた怨念か…
まぁ、真意は本人に直接会った方が早いだろうな。
んじゃ、早速迎えに行こう。銀髪の女神を」
そう宣言して俺は、第二世界への扉を開いた。
「来い、龍!」
«うおっ…い、いきなり呼び出すなよ»
「なっ…げ、幻龍族!?ユーグ君が捕まえたのって闇龍じゃ…」
「ああ、元はそうだな。だから、進化させた。
さて、龍。今から送る場所に俺達を連れて行ってくれ」
«はいはい、そんじゃ!
いっちょ空の旅と行こうじゃねぇか!»
俺たちは龍の背にすぐに乗り、とある方向へと向かった。
「ちなみになんだけど、こっちの方向って、聖国だよねぇ」
「ああ、その中で逃亡してきている銀髪の少女が居るだろ?」
「…まさか、聖女ちゃん?確かに彼女は力が強いけど…女神では無い、それは確かだ」
「転生って言葉、お前なら聞いたことあるだろう」
「…まさか」
「そう、俺の予想が正しければ、封印される直前に肉体だけ封印して、魂は俺と同じように転生したんだ。
だから、あくまで人間、なれどその力は救世主となり得る程の強い力を持っていた…
ってか、龍のスピードまた上がったか?」
«あ?ああ、幻龍になってから妙に身体が軽くてな…っと、あの馬車じゃないか?»
「ああ、それじゃあそのまま降りてくれ」
«了解だ、よっと…»
「──さて、女神さんよ。探り合いはなしにしようじゃねぇか」
「!?ゆ、ユーグ様!どうしてこちらに…」
「ああ、お前たちの護衛はここまでで大丈夫だ。
依頼完了の手続きだ、これを持っていけ」
「は、はぁ…」
「…な、なんのことでしょう?確かに私は神を信仰しておりますが…」
「そうかそうか、なら…お前の神聖力を更に封印して、二度と使えなくしても文句はないな?
その力は人智を越えている。
時にその力は、国を傾きかねないんでな」
「ぐっ…やはり、貴方の入れ知恵ですか、ユグドラシル!」
「いいや、これはユーグ君が推測したシナリオだよ。
…久しぶりだね、女神アレステ」
「よく私の前にのこのこと…」
「さて、女神さんよ。聖女の地位を持ったまま俺の元へ来るのであれば、俺の下で働いてもらうことになる、が…
女神として再び神となるのであれば、現人神…まぁ、ユグドラシルと俺、そして人々を繋げる中間の役割を持った神として神殿に飾ることになる。
どっちが良い?」
「…え?…私、神に戻れるのですか?」
「そりゃもちろんだ。なぁ、ユグドラシル」
「うん。僕達神々は、もう一度女神として復活してもらう為に、君を探していたんだ」
「その話が本当なのであれば…わかりました、現人神として国へ参じましょう。
ああ、ですが彼はどう致しましょう…」
「眷属、か…うーん…ちょっと考えさせてくれ。
今現人神を立てること自体には問題ないんだ。
王都の教会は追い出したからな。
だが、だからこそ今あそこは治療院となっているんだ。
んで、ちょっとこっちの用事が落ち着いたら、改めて教会を改築して…あんなクソみたいなデザインは消して、落ち着いた雰囲気の教会にしたいから…
その時に、主神ユグドラシル、治癒の女神…あー、なんだったっけ?」
「アレステよ」
「治癒の女神アレステの2人は、俺と面識のある神だから、その2人は神像を作り上げるとして…」
「破壊神、武神、職神、智神、魂神、精霊神…あと管理者もかな」
「となると…全部で九神か」
「そうだね。
まぁでも、そこまで作らずとも…」
『おいおい、ユグドラシルよ!俺達の神像は要らねぇってか!?』
「うげっ…破壊神…」
「ま、今度対面した時にでもスケッチして神像を作らせてもらうよ。
取り敢えず…うん、大体はできたかな。
んじゃ後は、資材の確保、かな…あ、そうだ。等価交換のスキルをくれないか?」
「…ああ、たしかに君には必要かもね。うん、良いよ」
「銀髪、ねぇ…ユグドラシル、俺は少し嫌な予感がするんだが…その女神は何をやらかしたんだ?」
「よっ…やらかした…というより、人間に騙されて封印された、の方が正しい…かな」
肉体ごと地上へ降りて来た神は、そう伝えた。
「なるほどねぇ純粋過ぎた故に悪に騙された…よくある話だ。
だが、それなら予感が確信に変わった…本当に銀髪の女神だったんだな?」
「う、うん」
「…ユグドラシル、ちなみにその女神は神として復活しても良い人物か?」
「もちろんだよ、封印されたとは言え、寧ろ僕達神々も探しているほどだ」
「なるほど…よし、用事が出来た。
恐らく、女神の思惑は俺の討伐が目的じゃない、寧ろ狙いは…ユグドラシル、お前だ」
「…え?」
「多分、神にもう一度戻して欲しいか、もしくは恨みから現れた怨念か…
まぁ、真意は本人に直接会った方が早いだろうな。
んじゃ、早速迎えに行こう。銀髪の女神を」
そう宣言して俺は、第二世界への扉を開いた。
「来い、龍!」
«うおっ…い、いきなり呼び出すなよ»
「なっ…げ、幻龍族!?ユーグ君が捕まえたのって闇龍じゃ…」
「ああ、元はそうだな。だから、進化させた。
さて、龍。今から送る場所に俺達を連れて行ってくれ」
«はいはい、そんじゃ!
いっちょ空の旅と行こうじゃねぇか!»
俺たちは龍の背にすぐに乗り、とある方向へと向かった。
「ちなみになんだけど、こっちの方向って、聖国だよねぇ」
「ああ、その中で逃亡してきている銀髪の少女が居るだろ?」
「…まさか、聖女ちゃん?確かに彼女は力が強いけど…女神では無い、それは確かだ」
「転生って言葉、お前なら聞いたことあるだろう」
「…まさか」
「そう、俺の予想が正しければ、封印される直前に肉体だけ封印して、魂は俺と同じように転生したんだ。
だから、あくまで人間、なれどその力は救世主となり得る程の強い力を持っていた…
ってか、龍のスピードまた上がったか?」
«あ?ああ、幻龍になってから妙に身体が軽くてな…っと、あの馬車じゃないか?»
「ああ、それじゃあそのまま降りてくれ」
«了解だ、よっと…»
「──さて、女神さんよ。探り合いはなしにしようじゃねぇか」
「!?ゆ、ユーグ様!どうしてこちらに…」
「ああ、お前たちの護衛はここまでで大丈夫だ。
依頼完了の手続きだ、これを持っていけ」
「は、はぁ…」
「…な、なんのことでしょう?確かに私は神を信仰しておりますが…」
「そうかそうか、なら…お前の神聖力を更に封印して、二度と使えなくしても文句はないな?
その力は人智を越えている。
時にその力は、国を傾きかねないんでな」
「ぐっ…やはり、貴方の入れ知恵ですか、ユグドラシル!」
「いいや、これはユーグ君が推測したシナリオだよ。
…久しぶりだね、女神アレステ」
「よく私の前にのこのこと…」
「さて、女神さんよ。聖女の地位を持ったまま俺の元へ来るのであれば、俺の下で働いてもらうことになる、が…
女神として再び神となるのであれば、現人神…まぁ、ユグドラシルと俺、そして人々を繋げる中間の役割を持った神として神殿に飾ることになる。
どっちが良い?」
「…え?…私、神に戻れるのですか?」
「そりゃもちろんだ。なぁ、ユグドラシル」
「うん。僕達神々は、もう一度女神として復活してもらう為に、君を探していたんだ」
「その話が本当なのであれば…わかりました、現人神として国へ参じましょう。
ああ、ですが彼はどう致しましょう…」
「眷属、か…うーん…ちょっと考えさせてくれ。
今現人神を立てること自体には問題ないんだ。
王都の教会は追い出したからな。
だが、だからこそ今あそこは治療院となっているんだ。
んで、ちょっとこっちの用事が落ち着いたら、改めて教会を改築して…あんなクソみたいなデザインは消して、落ち着いた雰囲気の教会にしたいから…
その時に、主神ユグドラシル、治癒の女神…あー、なんだったっけ?」
「アレステよ」
「治癒の女神アレステの2人は、俺と面識のある神だから、その2人は神像を作り上げるとして…」
「破壊神、武神、職神、智神、魂神、精霊神…あと管理者もかな」
「となると…全部で九神か」
「そうだね。
まぁでも、そこまで作らずとも…」
『おいおい、ユグドラシルよ!俺達の神像は要らねぇってか!?』
「うげっ…破壊神…」
「ま、今度対面した時にでもスケッチして神像を作らせてもらうよ。
取り敢えず…うん、大体はできたかな。
んじゃ後は、資材の確保、かな…あ、そうだ。等価交換のスキルをくれないか?」
「…ああ、たしかに君には必要かもね。うん、良いよ」
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