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2章 自慢の仲間

七十六、

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「まぁ、何はともあれ、まずは完璧にこなすことを意識するが良い。
先ほどから、集中が切れて攻撃を受けておるぞ」
「ちょ、ちょっと休憩したい…ふむ、入り口に戻るか?」
「うん、一旦整理もしたいし」
「わかった。ということで、後ろへ走るが良い。
さすれば、敗走とみなし、死亡回数は増えぬが、森の入り口に戻ることが出来る」
「なんか嫌な言い方だなぁ…もしかしてそれも記録されるの?」
「む?当たり前だろう」

そう言うと彼女は怪訝そうな顔をして、尋ねてきた。

「その記録ってさ、なんのためにあるの?」
「ふむ…主が言うには確か…お互いの競争心を煽るのと同時に、現実での死をどれだけ経験しているのか、それに対する危機感を与えるため…だったか」
「あー…なるほど、確かに現実だとこんなに死ねないよね…うん、改めて実感したよ。
お礼言っといてくれる?」
「ということらしいぞ、主よ」
「訓練を受けるなら、死ぬ気でしろと言ってるだろ?
礼より先に技を身に付けろ」
「うわ、可愛げないなぁ…まぁいいや」

彼女はすぐ、その場に座り込んで瞑想を始めた。
先程の戦闘で少しだけでも感じた"生気"を、体内に巡る自身の生気をより強く感じるために、より深い意識を潜り込ませる必要があったのだ。

「お?なんだなんだ、森には行かずにこんなとこで休憩か?」
「…なぁ、ルーシー。どこまでアドバイスした?」
「我は生気についての説明だけだ。他はしとらん」
「あー、生気かぁ…うん、まぁ…そうだよなぁ…なぁ、どこまでならセーフだと思う?」
「ふむ…ここでは話せぬな。
2人とも、自主練習をしておくが良い」
「は~い」
「森に入っても良いのか?」
「別に構わねぇが…死んだら分かるから、誤魔化そうとしても意味ねぇぞ?」
「わぁってるよ」

2人はその返事を聞いたあと、少し離れた場所まで歩いていった。

「…取り敢えず、この1つ目の訓練は生気を気配として感じ、その意識をより深めて弱点を看破する…
スキル無しでの純粋な技術のみで行うものだが、これをするのでな…
生気の説明は良いが、生気を流し込むのはまだしておらぬ」
「別にそれくらいなら構わないぞ。
だが…例えば、魔物を捕まえて実際に生気を確認させたり、お前達の力を貸す行為はダメだ」
「お、ユーグ。うーん、となると…こっちも、生気の感覚を覚えさせた方が良さそうか…感覚で覚えるとはいえ、ある程度戦闘のセンスはあるから問題は無いと思うんだよな」
「だが、ガラハドよ、生気を流し込むのはお主は特に注意するのだぞ。
お主のそれは、濃縮され過ぎて毒になる」
「…ああ、まぁ…俺のは流さずに、あいつの生気に干渉する感じにすれば問題ないだろう」
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