追放守護者の影光譚〜用済みだと追放され、平和な大陸に流れ着くもスローライフなんてする訳ない。〜

カツラノエース

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第8話「帰還、そしてギルドでの動揺」

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 静寂が満ちる。

 セリアの指が魔術式をなぞり、淡い青光が扉の中心に収束する。
 その光が限界に達した瞬間──

 《カンッ》

 鈍い音と共に、封印が砕けた。

 ギィィ……と重たい音を立て、鉄の扉が開く。
 その先は、思いのほか広い空間だった。

「……ここ、本当に遺跡の中?」

 リィナの呟きも無理はない。
 開けたその先に広がっていたのは──明らかに“研究所”だった。

 壁一面に並ぶ本棚、奇妙な装置、半壊した魔力循環炉。
 魔術師と呼ばれる人間たちが、過去にここで何かを“開発”していたことは明白だった。

「これは……」

 セリアが目を見開く。彼女は本棚の中の一冊を手に取り、ページをめくった。

「“禁術に関する統合記録”?……この文字、古代語……だけど読める。これって──」

「この大陸の正規文献か?」

 ライゼンが尋ねるが、セリアはゆっくり首を振った。

「違う。少なくとも、私たちが学んできた魔導とは系統が違う。これは……もっと、別の方向から体系化されてる」

「何を言ってるのかさっぱりだぞ……」

 ルークが肩をすくめるが、セリアの目は真剣だった。

「要はね、“エルディアの魔法”と“ここにある魔法”は、根本が違うってこと。これは……もしかすると──」

「……“ヴァルメル式”だな」

 ライゼンのその言葉に、三人が揃って彼を見る。

「ヴァルメルって、まさかお前が居たという……?……まさかなにか知ってるのか?」

「いや、少しだけだ。かつて、我が大陸でも魔導に似た技術を開発していたという記録があった。だが……それは、ある時を境に全て封印された。それに、それが魔法かどうかも分からない。」

「なぜ?」

 リィナの問いに、ライゼンは視線を下げる。

「暴走したからだ。──国も、研究者も、そして技術そのものも」

 これはライゼンが昔聞いたあくまでも噂ではあるが――ヴァルメル大陸になにかが隠されている事はこの時点で察しがつく。

 室内は再び静かになる。

 その中で、ルークが壁際にある鉄の箱を見つけた。
 彼が開くと──中から、一冊の分厚い記録書が現れた。

「……何かの“実験日誌”か? かなり古そうだが」

 セリアが手に取り、ページをめくる。

「“第一実験記録──魔力を持たない人間に対する強制憑依実験”……」

 その一文だけで、全員が眉をひそめる。

 記録は残酷だった。
 魔力のない者に、無理矢理“魔物”を宿す実験。
 失敗すれば発狂。成功すれば、“使い魔”として利用可能。

 だが、成功例は一度もなかった。

 最後のページには──こう記されていた。

『この技術は、確かに戦力を作れる。だが、それは“人”を捨てることだ。
このままでは、我々が“人間”でいられなくなる。』

「これ……誰が残したんだろ……」

 リィナがぽつりと呟く。
 ライゼンは、ただ無言で記録書を閉じた。

「こんなものを、俺たちは守っていたのか……」

 ヴァルメルの“守護者”として。
 国の命令に従い、魔物を排除し、知らぬ間に“秘密”や”研究者”たちを守る為働いていた。

 その“秘密”の一端が、ここにあった。

「ライゼン……」

 セリアの声に、彼は静かに首を横に振る。

「感傷は必要ない。だが──今後、この記録をどう扱うかは考えねばならない」

「とりあえずはギルドに持ち帰って、報告だな」

 ルークが記録書を布で包む。
 その背中を見ながら、ライゼンはゆっくりと目を閉じる。

(エルディアの魔法も、ヴァルメルの闇も──すべては繋がっているのかもしれない)

(ならば、俺はその全てを知り、生き抜いてみせる)

「……行くぞ。ここでの任務は終了だ」

 ライゼンが歩き出す。

 彼の背に続くように、三人もまた動き出した。

 ◇ ◇ ◇
 
 ラシェルの村に、太陽が傾き始める。
 小高い丘を越え、木々の間を抜けて、行きと同じく数日かけてライゼンたちは帰路についていた。

 ルークが担ぐ荷物の中には、遺跡で見つけた“記録書”。
 その重さは、ただの紙の束ではない。──歴史の、闇の、重さだった。

「……セリア、ほんとにあれ、やばい本なんだよね?」

 リィナが口を尖らせながら尋ねた。

「うん。あれを公開するかどうか、ギルドがどう判断するか次第だけど……。少なくとも、放ってはおけないわ」

「んー……なんか、頭痛くなる話だったなぁ。ライゼンは大丈夫?」

 隣を歩く彼に向かって、リィナがのぞき込む。
 だがライゼンは、その冷たい瞳を前に向けたままだ。

「過去の闇に怯えるほど、俺の心は柔ではない。気にするな」

「うわ、相変わらずカッコいい……けど、そゆとこ不器用~」

 リィナが頬を膨らませ、セリアがくすりと笑う。
 ルークも肩をすくめた。

「まぁ、そういう奴だからな。だが──今回は俺も気になる。ライゼンの居た大陸の技術がここにあるってのは、ただの偶然じゃない」

「……同感だ」

 そう短く答えるライゼンの瞳は、どこか遠くを見ていた。
 ヴァルメルとエルディア。滅びた闇と、生き続ける光。
 互いに知らずにいたはずの二つの大陸が、今、静かに交差しようとしていた。

 ◇ ◇ ◇

 ギルドに戻ると、珍しく受付が混雑していた。

「お、帰ってきたか。例の遺跡、どうだった?」

 受付にいたのは、いつもの頑固そうな中年の男、ハイル。

「少し、込み入った話になるわ。可能であれば、報告は上層部へ直接──」

 セリアがそう言うと、ハイルの眉がぴくりと動いた。

「ほう……?お前らがそんな顔をするってことは、相当なもんだな。……わかった。二階の応接室、空けてある。報告はそっちで聞こう」

「助かるわ」

 一行はそのままギルドの奥へと進み、簡素だが落ち着いた雰囲気の応接室に通された。



「──ふむ。つまり、未発見の遺跡だっただけでなく、そこに古代魔導に類する技術が眠っていたと」

 ハイルが、顎を撫でながら記録書をじっくりと見つめる。
 ルークが中身には触れずに封をしたまま渡したことを、彼はよく理解していた。

「で……ライゼン」

 不意に名を呼ばれ、彼は静かに応じる。

「お前、やっぱり只者じゃないな。この記録……少なくとも、魔力の理論を“知らずに”たどり着くのは不可能だ。それを、お前は見て即座に警鐘を鳴らした。これは軍隊で得た経験じゃ説明がつかないぞ?」

「……闇の中で生きてきた、それだけだ」

「ふっ、答えになっていないぞ。だが──あえてこれ以上問うのはやめておこう。それが“お前”の道なら、俺はそこまで踏み込まん」

 そう言ってハイルは記録書を受け取り、ぎし、と椅子を引いた。

「これはギルド本部に送る。多分、大きな波が来るぞ。……お前らの名前も、少なからず刻まれることになる」

「ええ……覚悟はできているわ」

 セリアがうなずき、ルークも静かに拳を握った。
 リィナだけは「うわぁ、名前出るの!? 恥ずかしっ!」とわたわたしていたが、それもまた、彼女らしい。

「それから、ライゼン」

 再び名を呼ばれた彼は、静かに首を傾けた。

「お前には、これからもエルディアに“馴染んでもらう”必要がある。特別な立場にされるより、今のままがいいってのも、わかるがな」

「──それが俺の望みだ。」

「そうか。なら一つ、“試練”を受けてもらう」

 いつもは表情をあまり買えないハイルが不敵に笑った。

「ちょうどタイミングよく、他所の村で“魔導暴走事件”が起きた。調査隊は今、手が足りていない。お前ら四人で行ってくるんだ。お前らの力が本物か──この目で確かめてやる」

「魔導暴走……?」

 セリアが眉を寄せる。
 ルークが隣で、ぽつりと呟いた。

「……まさか、遺跡で見つけた技術と、繋がってるんじゃ……」

 ハイルが黙って、にやりと笑う。

「さあな。──だが、偶然はそう何度も重ならんもんだ」

 ライゼンは、その言葉に静かにうなずいた。

「……了解した。俺たちが行こう」

「ふっ、頼もしいな。じゃあ三日後に出発だ。それまでに準備を整えておけ」

 応接室を出るライゼンたち。

 扉が閉まったその瞬間──リィナが大きく息を吐いた。

「ん~……もう、緊張しっぱなしだった……! でも、次の依頼って大きそうだね!」

「ああ。どうやら、本当に“運命”が動き出してるようだ」

 セリアの瞳は、どこか不安と期待に揺れていた。

「だが、俺たちは──」

 ルークの言葉に、ライゼンがゆっくりと続ける。

「この道を選んだ。ならば、迷いは要らん」

 その言葉に、三人は顔を見合わせ、うなずいた。

 少しずつ、だが確かに──“仲間”としての絆が深まっていく。
 かつて孤独の中で生きてきた守護者は、今、仲間と共に“未来”へと歩き出していた。
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