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第一章 ソシャゲの課金を止めるには?
#10:配信開始!
しおりを挟むときたま今日のように、外出から部屋に戻ることができないときも、過去何度かある。だから自分の部屋以外で配信をするときは、自分自身を映すか、苦肉の策として静止画一枚だけを使うことにしているのだ。
「よし。始めるか」
21時ジャスト。
俺は配信開始のボタンを押した。
「やぁ、みんな。お疲れ。おつおつおつ。えー、鉈チャンネル始めます。今はじめて見るって人もいると思うので、軽く紹介しますと俺のチャンネルは、毎回俺のリスナーさんからさまざまな悩み、ときに相談事を持ち掛けられます。かれこれ7年くらいやってます。もし今、何か悩みとか相談事がありましたら概要欄にあります『お悩みフォームまで』お願いします。俺が答えられそうな内容があれば、お答えします。ご相談は毎週取り上げていきます。場合によって週を跨ぐときは、配信が週2回になることもあります。なのでチャンネル登録をして通知設定を掛けておいてください。一応固定で毎週の水曜日21時に配信をやってます!」
今日もコメント欄は賑わっていた。冒頭にチャンネル紹介の挨拶を挟むのは、配信のタイムラグがあるため、遅れて参加するリスナーたちが集合するのを待つためである。
俺への挨拶や今日の配信に対する期待したコメントもあれば、今飯を食べながら見てるだの、風呂行って来ただの、これから夕飯作らなきゃいけないだの、今の状況を報告しあう言葉も流れていた。
「さて。本日は先週に予告した通り『スマホで誰しもがハマるお悩み』を聞いていくぞ。それじゃあ早速、凸者を呼ぶからな!』
スマホで凸者宛にメッセージを送り、通話に出てくれ、と指示をする。リスナーの皆の画面には、電話している鉈ちゃんの一枚絵に差し替えた。呼び出して数十秒間、コール音もとい鳥のさえずりが何度か響いた。
「あ。繋がったかな。こんにちは、じゃなくて、こんばんわ!」
俺の呼びかけに応じた相手から音声が届いた。
『こ、こんばんは』
凸者からの第一声は、若い声だ。だがウィスパーボイスだった。聞こえずらいとするリスナーからのクレームが、直ぐコメント欄に流れて、俺は凸者に呼びかけた。
「ごめーん! ちょっと声が小さいかな。えーと、少しだけ声を上げてもらえると助かる!」
『あ、す、すみません! えっと、これくらいは、大丈夫ですか?』
「あ、うん。俺は、オッケ。リスナーの皆はどう?」
直ぐコメント欄には〈良い感じ〉〈ちょうど良い〉〈音声〇〉〈いいよ〉〈調整ありがと〉〈今度は聞こえる〉〈OK!〉と次々にポジティブな言葉が並んだ。
「じゃあ始めてくか。それでは、まず君の名前と年齢を聞かせてもらえるかな?」
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2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
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