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3話 セザンヌの街
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とりあえずゲームの世界に来たってことでいいのかな。
ってことは、サーバーはまだダウンしてない?
他のプレイヤーとかもいるのかな。
まあなんでもいっか!
異世界転生だろうがサーバー延期だろうがもはやそんなことはどうでもいい。
エクスペディションオンラインをこんなリアルに遊べる。
それが今の私にとってのすべてだ!
ルンルン気分でセザンヌの街に入っていこうとしたのだが――。
「おい! 止まれ!」
「ひぇあ!」
門で警備兵に止められてしまった。
人と話すのが苦手だった私の口からは変な声が漏れ出てしまう。
「お前! 通行許可証は持っているのか!?」
え? なにそれ。
セザンヌの街にそんなの必要なかったはず。
「ふぇ? あっ、えっと? その、ぇと……」
ヤバい!
エクスペディションオンラインは基本ソロプレイだったし、リアルでも友達なんて一人もいなかったから話し方がわかんない!
パーティ必須の称号のために、やむを得ず野良で組んだことあったけど、挙動不審ってめっちゃキモがられてた……。
「なぜ黙っている! さてはお前魔族のスパイか!?」
「へ? ま、魔族?」
「そうだ! 魔族領との国境が近いセザンヌは魔族スパイが多いからな! そんなことも知らないのか!?」
「えっと? セザンヌって人族領の割と真ん中あたりじゃなかったでしたっけ……?」
「一体何百年前の話をしているんだ。魔族との戦争が始まって以降、人族は徐々に領地を失っている。今ではここが国境だ!」
え? そうなの?
ゲームでやってたときから時間が経ってるってことかな??
それか世界線の設定が違うとか?
仕方はなしに私はアイテムボックスを漁り始める。
のだが、空間ポケットを開けてボックスの中を眺めていたら衛兵が仰天していた。
「お、お前なんだそれは! 魔法か!!? やはり魔族だな!?」
手に持つ槍まで向けられた。
「え!? ちょ、ち、違いますって! アイテムボックス開いただけですよ! あ! あった!」
ボックス内に放り投げてあった王国全域商業通行証を見つける。
商人系の称号を得るために取得したアイテムだ。
「こ、これでいかがでしょうか?」
「なっ、なんだこれは!? 白金プレート……だとっ!?」
衛兵が驚愕の表情を浮かべる。
え?
いやいや、普通でしょこんなの。
割と初心者向けのクエだったと思うけど。
衛兵が私のプレートをまじまじと眺めたあと、それを返してくれる。
「すまない。王宮御用達の商人だったか。通っていいぞ」
「え?」
「え?」
なにその王宮商人って……?
「違ったのか?! もしやそれは盗品だな!?」
「あ、いやっ! 違います! そうです! 王宮商人です!」
「本当か?」
「は、はい。そうです」
「……怪しいな。だが、プレートは本物だし王宮商人からプレートを簡単に奪えるとも思えない……。まあいい、いけ」
「は、はい。ありがとうございます」
ものすんごく訝し気な視線を向けられながら、尻つぼみになる言葉と共に私は無事街に入ることができるのだった。
ってことは、サーバーはまだダウンしてない?
他のプレイヤーとかもいるのかな。
まあなんでもいっか!
異世界転生だろうがサーバー延期だろうがもはやそんなことはどうでもいい。
エクスペディションオンラインをこんなリアルに遊べる。
それが今の私にとってのすべてだ!
ルンルン気分でセザンヌの街に入っていこうとしたのだが――。
「おい! 止まれ!」
「ひぇあ!」
門で警備兵に止められてしまった。
人と話すのが苦手だった私の口からは変な声が漏れ出てしまう。
「お前! 通行許可証は持っているのか!?」
え? なにそれ。
セザンヌの街にそんなの必要なかったはず。
「ふぇ? あっ、えっと? その、ぇと……」
ヤバい!
エクスペディションオンラインは基本ソロプレイだったし、リアルでも友達なんて一人もいなかったから話し方がわかんない!
パーティ必須の称号のために、やむを得ず野良で組んだことあったけど、挙動不審ってめっちゃキモがられてた……。
「なぜ黙っている! さてはお前魔族のスパイか!?」
「へ? ま、魔族?」
「そうだ! 魔族領との国境が近いセザンヌは魔族スパイが多いからな! そんなことも知らないのか!?」
「えっと? セザンヌって人族領の割と真ん中あたりじゃなかったでしたっけ……?」
「一体何百年前の話をしているんだ。魔族との戦争が始まって以降、人族は徐々に領地を失っている。今ではここが国境だ!」
え? そうなの?
ゲームでやってたときから時間が経ってるってことかな??
それか世界線の設定が違うとか?
仕方はなしに私はアイテムボックスを漁り始める。
のだが、空間ポケットを開けてボックスの中を眺めていたら衛兵が仰天していた。
「お、お前なんだそれは! 魔法か!!? やはり魔族だな!?」
手に持つ槍まで向けられた。
「え!? ちょ、ち、違いますって! アイテムボックス開いただけですよ! あ! あった!」
ボックス内に放り投げてあった王国全域商業通行証を見つける。
商人系の称号を得るために取得したアイテムだ。
「こ、これでいかがでしょうか?」
「なっ、なんだこれは!? 白金プレート……だとっ!?」
衛兵が驚愕の表情を浮かべる。
え?
いやいや、普通でしょこんなの。
割と初心者向けのクエだったと思うけど。
衛兵が私のプレートをまじまじと眺めたあと、それを返してくれる。
「すまない。王宮御用達の商人だったか。通っていいぞ」
「え?」
「え?」
なにその王宮商人って……?
「違ったのか?! もしやそれは盗品だな!?」
「あ、いやっ! 違います! そうです! 王宮商人です!」
「本当か?」
「は、はい。そうです」
「……怪しいな。だが、プレートは本物だし王宮商人からプレートを簡単に奪えるとも思えない……。まあいい、いけ」
「は、はい。ありがとうございます」
ものすんごく訝し気な視線を向けられながら、尻つぼみになる言葉と共に私は無事街に入ることができるのだった。
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