3 / 22
1吸血 天使か悪魔かバンパイア
3 天使か悪魔かバンパイア
しおりを挟む
「同族を探しに行ったんじゃないの?」
「はい、ですが何故でしょう。美味しそうな貴女の甘い香りに誘われ、ここへ来ていました。ジュルル」
「わかったから、ヨダレ垂らしながら私を見るのは止めて」
折角のお休みだというのに、こんなバンパイアに付き纏われてはゆっくりどころではない。
私は頭を横に傾けると「吸えば」と男に言う。
「いいのですか?」
「何度も来られたら迷惑なのよ。血を吸わせてあげるかわりに、もうここへは来ないでよね」
男は柔らかな笑みを浮かべると、私に近づき腰を自分へと引き寄せる。
近い距離に鼓動が高鳴り、男の唇が首筋へと近づく。
昨夜と同じ痛みがくるのだろうと、ぐっと瞼を閉じたその時「いただきます」と耳元で囁かれた。
その囁きと同時に、首筋に痛みを感じ声が漏れる。
わかっていたことだが、やはり血を吸われる時の痛みに顔が歪んでしまう。
だが次第にその痛みが気持ちいいと感じ始め、甘い痺れに酔ってしまったような感覚になる。
「って、いつまで吸ってんのよ」
「おっと、これは失礼。貴女の味が私好みで、つい吸い過ぎてしまいました」
男は笑顔で答えているが、吸い過ぎると言うことは私の命に関わるということであり、笑い事ではない。
兎に角これで満足したはず。
約束通り、もうここへ来ないようにと念押しすると、伸ばされた手に顎を掴まれてしまう。
男の妖艶な瞳が私を捉え、声が出せなくなってしまう。
「やはり貴女の血は美味しいですね。それに、こうしてよく見ると貴女自身も美しい」
「ッ、いい加減にして!! 約束は約束よ、誤魔化さないで」
男はスッと顎を掴んでいた手を放すと、くつくつと喉を鳴らし「失礼。あまりにも貴女が感情的だったものでつい」と、馬鹿にしたようなその言い方に、私は恥ずかしさと苛立ちが込み上げる。
「まさか、約束を破るつもじゃないでしょうね」
「まさか。ですが、私は貴女の言葉に頷いた覚えはありませんよ」
先程のことを思い出すが、男の言う通り私の言葉に了承はしていない。
男が血を吸ったことで了承したのだと勝手に私が思っただけ。
すると男は「一目見たときから貴女に惹かれるものを感じていました」と真剣な表情を私に向け言う。
その眼差しに鼓動が大きく脈打ち、次第に近づく距離に鼓動は更に加速する。
気づけば、男から目が逸らせなくなっていた。
「それって……」
「ええ、どうやら私は貴女の……」
鼓動を高鳴らせ次の言葉を待っていると、男はうっとりとするように目を細め、頬を色付かせながら口を開く。
「はい、ですが何故でしょう。美味しそうな貴女の甘い香りに誘われ、ここへ来ていました。ジュルル」
「わかったから、ヨダレ垂らしながら私を見るのは止めて」
折角のお休みだというのに、こんなバンパイアに付き纏われてはゆっくりどころではない。
私は頭を横に傾けると「吸えば」と男に言う。
「いいのですか?」
「何度も来られたら迷惑なのよ。血を吸わせてあげるかわりに、もうここへは来ないでよね」
男は柔らかな笑みを浮かべると、私に近づき腰を自分へと引き寄せる。
近い距離に鼓動が高鳴り、男の唇が首筋へと近づく。
昨夜と同じ痛みがくるのだろうと、ぐっと瞼を閉じたその時「いただきます」と耳元で囁かれた。
その囁きと同時に、首筋に痛みを感じ声が漏れる。
わかっていたことだが、やはり血を吸われる時の痛みに顔が歪んでしまう。
だが次第にその痛みが気持ちいいと感じ始め、甘い痺れに酔ってしまったような感覚になる。
「って、いつまで吸ってんのよ」
「おっと、これは失礼。貴女の味が私好みで、つい吸い過ぎてしまいました」
男は笑顔で答えているが、吸い過ぎると言うことは私の命に関わるということであり、笑い事ではない。
兎に角これで満足したはず。
約束通り、もうここへ来ないようにと念押しすると、伸ばされた手に顎を掴まれてしまう。
男の妖艶な瞳が私を捉え、声が出せなくなってしまう。
「やはり貴女の血は美味しいですね。それに、こうしてよく見ると貴女自身も美しい」
「ッ、いい加減にして!! 約束は約束よ、誤魔化さないで」
男はスッと顎を掴んでいた手を放すと、くつくつと喉を鳴らし「失礼。あまりにも貴女が感情的だったものでつい」と、馬鹿にしたようなその言い方に、私は恥ずかしさと苛立ちが込み上げる。
「まさか、約束を破るつもじゃないでしょうね」
「まさか。ですが、私は貴女の言葉に頷いた覚えはありませんよ」
先程のことを思い出すが、男の言う通り私の言葉に了承はしていない。
男が血を吸ったことで了承したのだと勝手に私が思っただけ。
すると男は「一目見たときから貴女に惹かれるものを感じていました」と真剣な表情を私に向け言う。
その眼差しに鼓動が大きく脈打ち、次第に近づく距離に鼓動は更に加速する。
気づけば、男から目が逸らせなくなっていた。
「それって……」
「ええ、どうやら私は貴女の……」
鼓動を高鳴らせ次の言葉を待っていると、男はうっとりとするように目を細め、頬を色付かせながら口を開く。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる