神々の島の聖獣士〜勇者に聖獣を奪われて殺されかけた俺を助けてくれたのは小さな黒ウサギでした〜

浅間遊歩

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ゴール!

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 最終地点ゴールが見えてきた。
 ライゼルは一層スピードを上げ……たいが、気を抜かずに走るので精一杯だ。

 第三チェックポイントは駆け抜けた。
 水晶玉にタッチした時に表示を見なかったので順位は分からない。
 最後の区間は見晴らしの良い草原。
 ただひたすらに走る。
 ゴールの周りには特設の観客席が作られていて、走る聖獣達がよく見えるようになっている。

(キュッ……キュウ…)

「あと少し。頑張ろうぜ」

 そうは言ったものの、俺もチビ助もヘトヘトだ。
 前後を走る聖獣達は大型の希少種レアばかり。体力の違いを感じてしまう。
 俺たち、瞬発力はあるが持久力のなさが欠点だな。
 後ろから来た白い馬が追い抜いていく。

「くそ……」

 フラフラになりながら、何とかゴールゲートをくぐる。
 ゴールゲートには個人の魔力パターンを感知・記録する術式が仕込まれている。
 各チェックポイントの水晶玉と同じ。

 ゴールを確認した係員が近づいてくる。

「君、聖獣は?」

 またか。答える気力もないので、その場で【同化】を解除する。
 ポロリと分離したチビ助を抱き止めて係員に見せる。

「え!? 君があのウサギ……いや、その」

 知らない人に知られてるのも慣れてきたよ。
 何故か周りからにらまれてるけど気にしない。

「第三試験開始まで、こちらのスペースでお待ちください」

 係員が休憩用のスペースに案内してくれる。
 第二試験の後は、昼食休憩をはさんで第三試験が始まる。
 手渡されたのは昼食用の弁当。

「飲み物はあちらのテーブルにありますので、ご自由にどうぞ」

「ありがとう」

 カップに水を入れてその場で飲み干し、次はお茶を入れて食事用のテーブルに向かう。
 日除けのテントを張ったスペースには組み立て式の机と椅子が大量に並んでいる。
 そこに居るのがゴールした学生と聖獣なんだろう。…もちろんジークもいる。ニーナと赤熊先輩も。

「……ライゼル!?」

「ライゼルか?!」

 気がついたニーナと赤熊先輩が飛んで来た。

「どうしたの? ボロボロだけど、ケガでリタイアじゃないよね?」

「ゴールしたのか!? 20位以内だぞ?」

 先輩に肩をつかまれ、ガクガクと揺さぶられる。

「ええ、まあ……何とか」

 木の上を通ったせいで身体中に枝でできた引っかき傷がある。
 岩場に叩きつけられたので顔にアザもできてるようだ。ちょっと痛い。
 競技の方を優先したため、チビ助の【治療ヒール】は使っていない。

「チビちゃん、久しぶりね。会いたかったわ」

 ニーナは俺の手からチビ助を受け取って抱きしめる。

「キュウウゥ~~」

 わざとらしく弱々しい声で鳴いてニーナに倒れ込むチビ助。
 ちょ!おま!
 ニーナの胸に顔をうずめて撫でられるとか!
 すりすりすんなよ!
 周りの男子学生からの鋭い視線が突き刺さる。
 何でだよ!
 このヘイトは俺関係ないだろうが!!

 赤熊先輩に引きずられて隣の席に着く。

「食えるならメシ食っとけ。すぐに対戦が始まるぞ?」

「うす」

 第三試験は1対1のトーナメント戦だ。
 第一試験は契約者と聖獣の親密度、第二試験は機動力、第三試験は戦闘力を測る構成になっている。
 聖獣を使役する形式の他の学生と違い、【同化】して共に戦う俺達にはやや不利だ。すでにかなりの体力を消耗してる。


ーーーーーーーー


《修正》卒業試験日程変更について

作中にて、卒業試験は2日間かけて行うとしていましたが、丸一日に変更します。

修正前:
 1日目 第一試験(呼び寄せ)、第二試験(耐久競技)
 2日目 第三試験(トーナメント戦)

修正後:
 9:00~ 第一試験(呼び寄せ)
 10:00~ 第二試験(耐久競技)
 12:00~ 昼食
 13:00~ 第三試験(トーナメント戦)
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