面倒くさがり悪役令嬢は、追放先でのんびりしたいのに!

きららののん

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エドワードが絶望に打ちひしがれている頃、リリアンの立場は、いよいよ危ういものとなっていた。
彼女が流させた「レティシア魔女説」は、当然、ゼンドラーに滞在していたアシュトン皇子の耳にも入った。

「―――面白い」

アシュトンは、報告を聞くと、ただ一言そう呟いた。
だが、その瞳は絶対零度の光を宿し、笑ってはいなかった。
すぐに、ネムラーレ王国からマメンドルフ王国へ、公式な抗議文が叩きつけられた。

『未来の我が国の皇妃を、魔女と侮辱する悪質な噂が流れていると聞き及ぶ。これは、我が国に対する重大な挑戦と見なす。即刻、噂の出所を調査し、厳正なる処分を求める』

国王は、アシュトンの本気の怒りを感じ取り、顔面蒼白になった。
すぐさま、王国の諜報部隊に、噂の出所を徹底的に調査するよう厳命が下る。
調査は、驚くほど簡単だった。

あっという間に、リリアンが侍女に命じて噂を広めさせていた証拠が、山のように見つかったのだ。
さらに、この調査の過程で、かつてレティシアが断罪された際の「証拠」にも、多くの不審な点が見つかった。
リリアンの涙の裏で、いくつもの嘘と捏造が行われていたことが、次々と白日の下に晒されていったのである。
もはや、彼女に逃げ場はなかった。
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