異世界探訪記

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三十日目。エルフ族の集落にて

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三十日目。
 今日か明日で日記を取り始めて一ヶ月がたった。一日ぐらいサボった気がするが、まぁ、三日坊主の俺には上々だろう。彷徨うだけだったあの時よりは格段に好転しているのは実感できるし、一週間くらい滞在しているこの集落と、その前に三日くらい滞在したノーム族の集落には生きる希望を与えてもらったと感じている。
 出来る事なら何かを返したいが、金も権力も人脈も無い俺には感謝を言葉と態度で示し続ける事しかできない。
 後は困っているのが見えたら助けられるなら助け、猫の手、孫の手として手伝うくらいか。

 うん。明日から心掛けて行動しよう。

 今日は近場の湖へ水を汲みに行く女性の護衛に着いて行った。
 ここらには野生の猪や鹿、狸の他にフォレストスライム、フォレストウルフ、ウッドラットやトレントなどの魔物も居るのだとか。
 ……まぁ、今日は出会わなくて雑談しながら言って帰ってくるだけだったが。

 これでは肉が食えないと思ったが、狩りをしているグループから猪の肉を提供されたので事なきを得た。

 全く、有り難い事だ。
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