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別れ
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「良かったわねえ。水揚げしてもろて。それも妾でなくて本妻として身請けしてくれるて言わはるんやろ? まあ、後妻やけどな。でも、ほんに、運の良い子やわぁ。」
苦界の女将がそう声をかけてきた。あの男が、何時もより早く帰った次の夜だ。
「はあ… でも、うち、なんも聞いてはりませんの。ほんに、あんお人がうちを身請けされはるん?」
「他に誰が居る言うの。あんた、あのお客はん以外、誰も客を取れへんかったやろ。」
「それもそうなんやけど…」
夕べは、結局何故怒らせてしまったのか分からないまま。唯、帰る。の一点張りで、本当に帰ってしまった。明日来る、そうは言っていたけれど、其だけだ。身請けなんて、一言も…
「ほら、早くお行き。待たせるんやないわ。あんないいお客はんを。」
女将にせっつかれ、あの男の待つ部屋に向かう。
「女将はんから聞きましたわ。身請けしてくれはるて、本気ですの?」
「…嫌か。」
そっぽを向いたまま、男はそう一言だけ。
「そんな事言うてるんじゃありません。昨日、怒ってはったみたいやったから…」
「怒ってないと言っただろう。」
「そやけど、何時もと様子が違いましたから。」
「もういい。…嫌なのか。」
「…そんな事はあらしませたん。苦界の女は、みんな此処から出たいと思うてはりますもの。うちも、出たかった。でも、無理だと諦めてましたわ。だから、少し、信じられないだけですわ。夢みたいで。」
「…そうか。嫌じゃなければ其でいい。こっちに来い。」
抱き寄せられて、其の体温に安堵を覚えて、絵描きの姿がまた遠退いた。桜吹雪に掻き消されたみたいに、絵描きの姿が。初恋が去って行ったのなら、その次にあるものは一体なんなのだろう。ふと、男の顔を見上げる。言葉も無く、ずっと其の儘。
「…。如何されはったの? うちの顔に何か付いてはりますか。」
唯抱き寄せて、頬を優しく撫でて、唯顔を見詰めるだけの男に、少し不安を感じる。
「否… なんでもない。」
何処か、違うものを見ているような目に、また不安を覚え。
「…。うちの我儘聞いてくれはります?」
気が付くと、そんな事を言っている自分に驚きながら。
「珍しいな。…言ってみろ。」
「少しだけきつう抱き締めてくれはります? 今日のあんたはんが、あんまり優しすぎはるから、うち、なんだか淋しくなってしまったんよ。駄目やろか。」
「否、いいさ。…そうだな、今夜は、そんな気分だ。」
唯抱き締めて、頬を摺り寄せ、言葉も無く、唯視線が絡み合う。
どちらからとも無く、目を閉じて。何時もとは違う、優しく触れる唇に、愛しさが溢れて。いつしかほんの少し抱き締め合う腕に力が籠もって、絹の擦れる音に、吐息が重なって、鼓動が重なる。体温が混ざり合って、融けていく。
夜が更け、其でも言葉は無いままで、唯抱き合って、頬を撫で髪を撫でて、視線だけが饒舌で、体温が溶け合って、夜に落ちていく。桜が吹雪く。夜半の月が障子の隙間から滑り込み、夜風が迷い込んで、爪を立てて抱き締め合う体を撫でて行った。後は唯、眠りに就くだけ。
桜が、風に舞って、何かを囁いて、春の終わりを告げては、散る。
重ねた肌から、愛しい想いが生まれる。
「兄さんは、一体何を考えていはるの? 再婚するのは、それは兄さんの自由よ? だからって、其の相手が如何して苦界から身請けした女なんよ。」
「お前は黙っていろ。」
「兄さん、あたしは嫌やからね。苦界の女を義姉さんて呼ぶのは。幾ら後妻だって言ったって…」
神経質な声を上げる妹を一瞥して、
「じゃあ、此処には戻って来るな。どうせお前は嫁いでいるんだから、そうそう実家に戻ってくるんじゃない。」
そう、言い放つ。
「兄さん、あたしは…!」
「もう帰れ。俺はお前に用は無いぞ。」
「なあ、あんたはん、本当に良かったんですの? うち、妾でも…」
男に嫁いで、数ヶ月。風当たりが悪いのは承知の上、だけど…
「あれの事は気にするな。…其とも、俺の傍に居るのが嫌か。」
「そんな事あらしません。だから、余計に… うちが居る事で、迷惑かけるのが、嫌なだけですわ。あん方が言わはる通り、うちは苦界の女で… みなはん、よう見てくれはりませんもの。うちはいいですけど、一緒に居たらあんたはんが…」
だけど、今は愛しく感じるこの男が、身内と仲違いするのが心苦しい。そう思う自分に少しの戸惑いを覚えながら。
「お前はそんな事は心配しなくていい。」
葉桜も、もうすぐ終わりを告げる。緑が一層、深くなる。
「ほんに、もう、絵描きはんには会えないなあ… でも、うち、本当はもう一度だけ…」
木漏れ日の下で、遠い昔を思いやる。木の葉が風に揺れる。桜の木に、そっと寄り添う。せめて嫁ぐ前に一度会ってみたかった。
「何を考えている? …前に一度口にした、絵描きの事か。」
「何て… 唯…」
唯、思い出の人が心を過ぎった。それを口にして良いものなのか、と。
「別に怒る訳じゃない。正直に言えばいい。」
「…。絵描きはんに一度会いたいて思いましたのよ。絵描きはんは… うちの初恋の人やったから。…でも、うち、今は、あんたはんの事が好きなんえ。だから、初恋にさよなら言いた思いましたの。」
それは嘘じゃない、嘘じゃない。今はもう、目の前の、この人が全て。
「…。そうか。」
そう遠くを見やって一言。
「怒りはったん?」
「…否。初恋くらい、…誰にでもあるだろう。」
呟くように答えるその姿が、何故か遠く感じて胸がざわめく。
「でも… 前の時もそやけど、絵描きはんの事言うと、無口になりはるのね。ほんに、怒ってはるのと違いますの?」
「…怒っている訳じゃない。」
「そやろか。」
「…そうだ。」
風が二人の間を通り過ぎて、木の葉がそよいで、唯、無言で桜の木を見上げる。春の頃の面影は無く、深い緑に色付く。
唯、伝える事の出来ないさよならを、心の中で呟いてみる。一瞬、桜の花が散る幻想が。はらり、はらはら。
懐かしい笑顔も、霞んで花の如く散る、か。 …はらり。
はらり、はらはら、はらはら、はらり。年が巡る度に、春がゆるりとやって来る度に、桜が咲いては春と共に散る。はらはらと。
苦界から身請けされ、何年と経ったか。子供が一人。そうして何年経ったか。長い様で短い様で。桜が儚く散る様に、人の命も果敢無き露と消ゆるか。
「ねえ、あんたはん、しっかりして。ねえ、うちの声、聞こえてはりますの?」
「大丈夫だ… …。駄目だな、僕は。何時も君を泣かせてばかりだ。」
病に臥せった体からは、掠れた声しか出てこない。
「君、て… どうしはりましたん? ねえ、あんたはん。」
何時もと違う言葉遣いが不安を煽る。
「そんな顔をしないで。君は、笑った方がいいのに。」
「…。あんたはんが元気になってくれたら、うち、笑うよ? 笑うから、元気になって。うちの事、一人にしないで。」
震える手で、髪を優しく撫でられて、其の手を取って、握り締める。
「君には、何もしてあげられなかったな。何時も笑っていて欲しかったのに… こんな窮屈な家で、苦労ばかりさせてしまって…」
「何言うてはりますの? うち、苦労なんて思うてなかったよ。」
「僕は… 僕が、君より先に逝ってしまったら、君の居る場所が無くなってしまうのにね。せめて、僕が居なくなっても大丈夫なだけの財産を君に…」
遺言の様な言葉は聞きたくなかった。これで最期、そんな予感がするから。言葉を遮るように、必死に語りかける。
「いや、いや、うち、何も要らへん。何も要らへんから、元気になって。あんたはんが居てくれたら、うち、お金も着物も何も要らへんの。だからうちの事、一人にしないで。」
何処にも行かないで。涙が、止まらない。
「こんな僕の為に… そんな風に泣いてくれるんだね…」
「…何を言うてはりますの?」
「…。泣かないで… 一人になりたくないなら… 僕の事を許してくれるのなら…」
「許すて、何をですの?」
「僕の全てを… 僕の心を… 君だけに…」
「…! あんたはん、ねえ、起きて、ねえ、しっかりして。ねえ、うちの名前、呼んで。ねえ、あんたはん、目を開けて…!!」
はらり。花びらが地に落ちて、命も地に落ちて、はらり。融けて消える様に、地に落ちる。はらり。はらり。はらり。
苦界の女将がそう声をかけてきた。あの男が、何時もより早く帰った次の夜だ。
「はあ… でも、うち、なんも聞いてはりませんの。ほんに、あんお人がうちを身請けされはるん?」
「他に誰が居る言うの。あんた、あのお客はん以外、誰も客を取れへんかったやろ。」
「それもそうなんやけど…」
夕べは、結局何故怒らせてしまったのか分からないまま。唯、帰る。の一点張りで、本当に帰ってしまった。明日来る、そうは言っていたけれど、其だけだ。身請けなんて、一言も…
「ほら、早くお行き。待たせるんやないわ。あんないいお客はんを。」
女将にせっつかれ、あの男の待つ部屋に向かう。
「女将はんから聞きましたわ。身請けしてくれはるて、本気ですの?」
「…嫌か。」
そっぽを向いたまま、男はそう一言だけ。
「そんな事言うてるんじゃありません。昨日、怒ってはったみたいやったから…」
「怒ってないと言っただろう。」
「そやけど、何時もと様子が違いましたから。」
「もういい。…嫌なのか。」
「…そんな事はあらしませたん。苦界の女は、みんな此処から出たいと思うてはりますもの。うちも、出たかった。でも、無理だと諦めてましたわ。だから、少し、信じられないだけですわ。夢みたいで。」
「…そうか。嫌じゃなければ其でいい。こっちに来い。」
抱き寄せられて、其の体温に安堵を覚えて、絵描きの姿がまた遠退いた。桜吹雪に掻き消されたみたいに、絵描きの姿が。初恋が去って行ったのなら、その次にあるものは一体なんなのだろう。ふと、男の顔を見上げる。言葉も無く、ずっと其の儘。
「…。如何されはったの? うちの顔に何か付いてはりますか。」
唯抱き寄せて、頬を優しく撫でて、唯顔を見詰めるだけの男に、少し不安を感じる。
「否… なんでもない。」
何処か、違うものを見ているような目に、また不安を覚え。
「…。うちの我儘聞いてくれはります?」
気が付くと、そんな事を言っている自分に驚きながら。
「珍しいな。…言ってみろ。」
「少しだけきつう抱き締めてくれはります? 今日のあんたはんが、あんまり優しすぎはるから、うち、なんだか淋しくなってしまったんよ。駄目やろか。」
「否、いいさ。…そうだな、今夜は、そんな気分だ。」
唯抱き締めて、頬を摺り寄せ、言葉も無く、唯視線が絡み合う。
どちらからとも無く、目を閉じて。何時もとは違う、優しく触れる唇に、愛しさが溢れて。いつしかほんの少し抱き締め合う腕に力が籠もって、絹の擦れる音に、吐息が重なって、鼓動が重なる。体温が混ざり合って、融けていく。
夜が更け、其でも言葉は無いままで、唯抱き合って、頬を撫で髪を撫でて、視線だけが饒舌で、体温が溶け合って、夜に落ちていく。桜が吹雪く。夜半の月が障子の隙間から滑り込み、夜風が迷い込んで、爪を立てて抱き締め合う体を撫でて行った。後は唯、眠りに就くだけ。
桜が、風に舞って、何かを囁いて、春の終わりを告げては、散る。
重ねた肌から、愛しい想いが生まれる。
「兄さんは、一体何を考えていはるの? 再婚するのは、それは兄さんの自由よ? だからって、其の相手が如何して苦界から身請けした女なんよ。」
「お前は黙っていろ。」
「兄さん、あたしは嫌やからね。苦界の女を義姉さんて呼ぶのは。幾ら後妻だって言ったって…」
神経質な声を上げる妹を一瞥して、
「じゃあ、此処には戻って来るな。どうせお前は嫁いでいるんだから、そうそう実家に戻ってくるんじゃない。」
そう、言い放つ。
「兄さん、あたしは…!」
「もう帰れ。俺はお前に用は無いぞ。」
「なあ、あんたはん、本当に良かったんですの? うち、妾でも…」
男に嫁いで、数ヶ月。風当たりが悪いのは承知の上、だけど…
「あれの事は気にするな。…其とも、俺の傍に居るのが嫌か。」
「そんな事あらしません。だから、余計に… うちが居る事で、迷惑かけるのが、嫌なだけですわ。あん方が言わはる通り、うちは苦界の女で… みなはん、よう見てくれはりませんもの。うちはいいですけど、一緒に居たらあんたはんが…」
だけど、今は愛しく感じるこの男が、身内と仲違いするのが心苦しい。そう思う自分に少しの戸惑いを覚えながら。
「お前はそんな事は心配しなくていい。」
葉桜も、もうすぐ終わりを告げる。緑が一層、深くなる。
「ほんに、もう、絵描きはんには会えないなあ… でも、うち、本当はもう一度だけ…」
木漏れ日の下で、遠い昔を思いやる。木の葉が風に揺れる。桜の木に、そっと寄り添う。せめて嫁ぐ前に一度会ってみたかった。
「何を考えている? …前に一度口にした、絵描きの事か。」
「何て… 唯…」
唯、思い出の人が心を過ぎった。それを口にして良いものなのか、と。
「別に怒る訳じゃない。正直に言えばいい。」
「…。絵描きはんに一度会いたいて思いましたのよ。絵描きはんは… うちの初恋の人やったから。…でも、うち、今は、あんたはんの事が好きなんえ。だから、初恋にさよなら言いた思いましたの。」
それは嘘じゃない、嘘じゃない。今はもう、目の前の、この人が全て。
「…。そうか。」
そう遠くを見やって一言。
「怒りはったん?」
「…否。初恋くらい、…誰にでもあるだろう。」
呟くように答えるその姿が、何故か遠く感じて胸がざわめく。
「でも… 前の時もそやけど、絵描きはんの事言うと、無口になりはるのね。ほんに、怒ってはるのと違いますの?」
「…怒っている訳じゃない。」
「そやろか。」
「…そうだ。」
風が二人の間を通り過ぎて、木の葉がそよいで、唯、無言で桜の木を見上げる。春の頃の面影は無く、深い緑に色付く。
唯、伝える事の出来ないさよならを、心の中で呟いてみる。一瞬、桜の花が散る幻想が。はらり、はらはら。
懐かしい笑顔も、霞んで花の如く散る、か。 …はらり。
はらり、はらはら、はらはら、はらり。年が巡る度に、春がゆるりとやって来る度に、桜が咲いては春と共に散る。はらはらと。
苦界から身請けされ、何年と経ったか。子供が一人。そうして何年経ったか。長い様で短い様で。桜が儚く散る様に、人の命も果敢無き露と消ゆるか。
「ねえ、あんたはん、しっかりして。ねえ、うちの声、聞こえてはりますの?」
「大丈夫だ… …。駄目だな、僕は。何時も君を泣かせてばかりだ。」
病に臥せった体からは、掠れた声しか出てこない。
「君、て… どうしはりましたん? ねえ、あんたはん。」
何時もと違う言葉遣いが不安を煽る。
「そんな顔をしないで。君は、笑った方がいいのに。」
「…。あんたはんが元気になってくれたら、うち、笑うよ? 笑うから、元気になって。うちの事、一人にしないで。」
震える手で、髪を優しく撫でられて、其の手を取って、握り締める。
「君には、何もしてあげられなかったな。何時も笑っていて欲しかったのに… こんな窮屈な家で、苦労ばかりさせてしまって…」
「何言うてはりますの? うち、苦労なんて思うてなかったよ。」
「僕は… 僕が、君より先に逝ってしまったら、君の居る場所が無くなってしまうのにね。せめて、僕が居なくなっても大丈夫なだけの財産を君に…」
遺言の様な言葉は聞きたくなかった。これで最期、そんな予感がするから。言葉を遮るように、必死に語りかける。
「いや、いや、うち、何も要らへん。何も要らへんから、元気になって。あんたはんが居てくれたら、うち、お金も着物も何も要らへんの。だからうちの事、一人にしないで。」
何処にも行かないで。涙が、止まらない。
「こんな僕の為に… そんな風に泣いてくれるんだね…」
「…何を言うてはりますの?」
「…。泣かないで… 一人になりたくないなら… 僕の事を許してくれるのなら…」
「許すて、何をですの?」
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