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第十一篇第四章 未来へ灯す希望の光
果たすべき約束
しおりを挟む言葉を呑み込んだまま口を開く事の出来ない
リアとマルクの前でザックは頭を深々と下げ
たまま微動だにせずにいた。
「ザックさん…アンタ……」
其の姿を背後から眺めるロードとシェリーも
ザックの想いと覚悟の深さを感じ取る。
すると、瞳を閉じ腕組みをしたまま眠りの中
にいると思われていたランスが立ち上がる。
そして、頭を深々と下げるザックの肩にポン
と手のひらを置いて静かに口を開いた。
「気持ちはよう解った。だがの……向かうのはあの大監獄プリズングァザ…俺も元々は政府の人間だから知っとるが…アソコは隠れて忍び込み人を助け出せる様な造りにはされとらん……戦いは不可避だってぇの……」
ランスの言葉はザックへの諭しにも聞こえる
がザックは未だに顔を上げずに黙り込む。
「……何もしねぇで坐して待つのが無理か……なら行く事は許可する…だがの…必ず生きて全員戻る事…此れが条件じゃ。危ない橋は渡らんと…渡らせんと…誓え…!」
「すみません。ランスさん…恩に切ります。突破口すら見つけ出せなければ私達も監獄からは立ち去りますので……」
ランスは顔を上げたザックの肩をもう一度
叩いてロードへと歩み寄り口を開く。
「ロード…お前もよく覚えとくんだのう。無謀さと勇敢さは全く別物だってぇ事をよぉ」
「……ああ」
ロードはシェリーとザックから肩に手を当て
られ此の三人はアドリーの投獄された監獄を
次の目的地と定めて動き始める。
不安は拭い去れないがランスは自身の事に
置き換えた時に止まる自信を持てずに今回の
此の一件はザックに託す事に。
しかし、ロード、シェリー、ザック。
他の人間達は現在療養中の為に正直な所で
戦力は足りてはいなかった。
だからこそロード達の真後ろでスーツの襟を
正して白い手袋に指を通し片眼鏡の位置調節
を始めた白髪の男が立ち上がった事の大きさ
は尋常ならざる事であった。
「レザノフ…!」
「姫様を護るのは私の役目ですからね。今回はどう転んでも座って待つ訳には行きませんね。ですから…何なりとお申し付け下さい」
優しく微笑んだレザノフを加えてロード達は
四人で闇の街ヘルカイウンに在る国内最大の
大監獄と称されるプリズングァザへと歩みを
進める事となる。
此れはロードにとっては残滓でもある。
あの戦いの中で悲しむ者は出さない為に戦場
へと足を踏み入れたロードにとって此の投獄
という事件は見過ごせない。
何か出来る事を探さずにはいれなかった。
しかし、大監獄プリズングァザには帝国軍の
入隊試験を通り其の中でも強さを誇る強者達
が待ち受けている。
アドリーの奪還という名目上の目的は彼等に
とって途方も無い程の難易度を持つ。
だが、シェリーの言う通りロードはらしさを
発揮しながら進むしか無い。
自身も政府から狙われる身である事も確りと
理解しながらも覚悟は決まった。
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