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再会2
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「あら、なんだかご機嫌?」
「へ?」
後ろから声を掛けられると母がにこにことしながらノアの側まで寄ってきてた。
「背中が嬉しそうよ」
くすくすと笑う母に自分はそんなあきらさまだったろうかとノアは何となく恥ずかしくなる。
「そ、そう?」
「ええ」
母はただ微笑んでいるのにノアはひきつった笑顔を浮かべて頭を掻いた。そんなにわかり易かっただろうか。
「もう一つ嬉しいことがきてるわよ」
はい、と母はノアに一通の手紙を渡してきた。
「これって……」
シンプルな封筒はずっと待っていたもので、何度も手紙と母を見比べていると「ほら、受け取りなさい」と可笑しそうにノアの手に乗せてきた。微かの重さがある封筒にノアの口許が自然と緩んでしまう。
「部屋で読んでくるっ!」
確りと手紙を握り締め、部屋へと踵を返して駆け込んだ。机からペーパーナイフをとりだして中の手紙を切ってしまわない様に慎重に刃を進める。待ちに待った久しぶりの手紙には何が書かれているのだろうかとドキドキしながら目を通した。
相変わらずノアのこと、両親のことを気遣うことが最初に書かれていた。それからまた遠征にでること、この村の近くも通るので一度顔をだすとのことだった。
「ほんとに……?」
思わず声がでてもう一度手紙を読み返した。間違いない。イーサンが久しぶりに家に帰ってくるのだ。遠征の合間とはいえ久しぶりに会えるのにノアは嬉しくて仕方なかった。この喜びを誰かに、ディランに伝えたいと思った。きっと良かったねと一緒に喜んでくれるだろう。
「どうしよ……嬉しい」
ノアは机に伏して手紙を眺める。頬に伝わるひんやりとした冷たさがノアの気持ちを落ち着かせていく。久しぶりのイーサンだ。元気にしてるかな、怪我とかしていないかな。イーサンが王都に行っている間も教わった縄の結び方も練習を続けているが、少しは上手くなっているだろうか。
先日ディランと会ってから良い事が続いていて、ノアは少し前までの不安が嘘の様だと手紙を撫でた。それからディランの言葉を思い出す。
『会いたくなったら名前を呼んで』
本当に名前を呼んだら会えるのだろうか。ゆったりとした笑みを浮かべるディランは嘘を吐いている感じはなくて、改めてタレントって色んなことができるんだなぁと感心する。
ディランはあの後、名前を呼ばれてもすぐに会いに行くのは難しい時があるかもしれないけど、必ず会いに行くから待っててねと言っていた。
ディランの名前を思い浮かべると何だか口許がむず痒い感じがした。名前を呼べば会えるという事実が今までただ待つというだけだった受け身の気持ちを僅かながらも軽くしてくれたが、じゃあ会いたいからと言って名前を呼べるかといえばそう簡単にはいかなかった。呼んでよいと言われても、忙しそうなディランのことを考えると名前を口にするのは憚れた。疲れた様子で溜め息を吐いていた姿を思い出すと自分の都合で呼ぶなんて迷惑としか思えなくて、あれからディランの名前を呼ぶことはなかった。
「いざいいよって言われると……」
ごろり、頭を反対側へと向ける。
「むずかしいよぉ……」
名前を呼ぶだけなのに色々と考えてしまい、会いたい、けれども相手の迷惑にもなりたくない。そうなるとノアは結局以前と変わらないままだった。
頭を上げて手紙を丁寧に封筒に入れ直して引き出しにしまう。
「……散歩してこよ」
気分転換でもと母に声を掛けて家をでて、最近のお気に入りの場所へと向かう。部屋に一人でいるよりも外の空気を感じている方がノアは頭が冴える様な気がして、冷たくなってきた空気を大きく吸い込む。肺が冷えて思考がクリアになっていく。
ここでディランと会ってからまだ数日しか経っていない。本当はディランにイーサンが帰ってくることを伝えたかった。でももう少し時間を置いて、イーサンが帰ってきたと報告できればいいだろう。それくらい間が空けばきっと名前を呼んでも大丈夫だろうと一人大きく頷いた。
「へ?」
後ろから声を掛けられると母がにこにことしながらノアの側まで寄ってきてた。
「背中が嬉しそうよ」
くすくすと笑う母に自分はそんなあきらさまだったろうかとノアは何となく恥ずかしくなる。
「そ、そう?」
「ええ」
母はただ微笑んでいるのにノアはひきつった笑顔を浮かべて頭を掻いた。そんなにわかり易かっただろうか。
「もう一つ嬉しいことがきてるわよ」
はい、と母はノアに一通の手紙を渡してきた。
「これって……」
シンプルな封筒はずっと待っていたもので、何度も手紙と母を見比べていると「ほら、受け取りなさい」と可笑しそうにノアの手に乗せてきた。微かの重さがある封筒にノアの口許が自然と緩んでしまう。
「部屋で読んでくるっ!」
確りと手紙を握り締め、部屋へと踵を返して駆け込んだ。机からペーパーナイフをとりだして中の手紙を切ってしまわない様に慎重に刃を進める。待ちに待った久しぶりの手紙には何が書かれているのだろうかとドキドキしながら目を通した。
相変わらずノアのこと、両親のことを気遣うことが最初に書かれていた。それからまた遠征にでること、この村の近くも通るので一度顔をだすとのことだった。
「ほんとに……?」
思わず声がでてもう一度手紙を読み返した。間違いない。イーサンが久しぶりに家に帰ってくるのだ。遠征の合間とはいえ久しぶりに会えるのにノアは嬉しくて仕方なかった。この喜びを誰かに、ディランに伝えたいと思った。きっと良かったねと一緒に喜んでくれるだろう。
「どうしよ……嬉しい」
ノアは机に伏して手紙を眺める。頬に伝わるひんやりとした冷たさがノアの気持ちを落ち着かせていく。久しぶりのイーサンだ。元気にしてるかな、怪我とかしていないかな。イーサンが王都に行っている間も教わった縄の結び方も練習を続けているが、少しは上手くなっているだろうか。
先日ディランと会ってから良い事が続いていて、ノアは少し前までの不安が嘘の様だと手紙を撫でた。それからディランの言葉を思い出す。
『会いたくなったら名前を呼んで』
本当に名前を呼んだら会えるのだろうか。ゆったりとした笑みを浮かべるディランは嘘を吐いている感じはなくて、改めてタレントって色んなことができるんだなぁと感心する。
ディランはあの後、名前を呼ばれてもすぐに会いに行くのは難しい時があるかもしれないけど、必ず会いに行くから待っててねと言っていた。
ディランの名前を思い浮かべると何だか口許がむず痒い感じがした。名前を呼べば会えるという事実が今までただ待つというだけだった受け身の気持ちを僅かながらも軽くしてくれたが、じゃあ会いたいからと言って名前を呼べるかといえばそう簡単にはいかなかった。呼んでよいと言われても、忙しそうなディランのことを考えると名前を口にするのは憚れた。疲れた様子で溜め息を吐いていた姿を思い出すと自分の都合で呼ぶなんて迷惑としか思えなくて、あれからディランの名前を呼ぶことはなかった。
「いざいいよって言われると……」
ごろり、頭を反対側へと向ける。
「むずかしいよぉ……」
名前を呼ぶだけなのに色々と考えてしまい、会いたい、けれども相手の迷惑にもなりたくない。そうなるとノアは結局以前と変わらないままだった。
頭を上げて手紙を丁寧に封筒に入れ直して引き出しにしまう。
「……散歩してこよ」
気分転換でもと母に声を掛けて家をでて、最近のお気に入りの場所へと向かう。部屋に一人でいるよりも外の空気を感じている方がノアは頭が冴える様な気がして、冷たくなってきた空気を大きく吸い込む。肺が冷えて思考がクリアになっていく。
ここでディランと会ってからまだ数日しか経っていない。本当はディランにイーサンが帰ってくることを伝えたかった。でももう少し時間を置いて、イーサンが帰ってきたと報告できればいいだろう。それくらい間が空けばきっと名前を呼んでも大丈夫だろうと一人大きく頷いた。
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