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「愛を信じさせてくれた君とずっと一緒に」
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君に出会うまでは愛なんて信じられなかった。
「もう、またこんなに散らかして」
土曜日の昼前に彼女のあかりが渡してある俺のマンションの合鍵で部屋に入ってくるなり、そう言った。
俺はリビングルームの長ソファーで寝ていて、あかりのその声で目が覚めた。
「……あかり」
「それにまたこんなとこで寝て。いくら暖かくなってきたって言っても風邪ひくよ」
俺は俺の顔を覗きこんでそう言ったあかりを自分の方に引き寄せた。
だから、あかりは俺の方に倒れる形になってしまったけど。
でも、俺はどうしても今すぐにあかりを自分の方に引き寄せたかったから。
「きゃっ! もう何、順一」
「2週間半ぶりに会えたから早くこうしてあかりをぎゅっとしたかったんだよ」
俺は俺の方に倒れ込んだあかりの背中を強く抱きしめながら言った。
俺とあかりはお互い社会人で勤め先は違っているけど、同じ歳で、共通の友達がいて、その友達を通じて知り合った。
あかりと出会ったのは今から約2年前……。
丁度、俺とあかりが24歳の時だった。
最初は何とも思ってなかったけど、共通の友達も交えて3人で飲んだりしているうちにあかりが凄く純粋な人だと解り、俺はいつの間にかあかりに惹かれていた。
もちろん、何人かとはつきあったことはあるけど、でも、あかりのような女性に出会ったのは初めてで……。
そして、正直にいうとあかりに出会うまでつきあってきた女性たちの自分に対する愛情は全然信じられなかった。
それはもしかしたら、俺が愛がないように見える両親の夫婦生活を見て育ってきた環境のせいかもしれないけど……。
でも、あかりは他の女性とは違っていた。
俺があかりを好きになって告白して、あかりも俺の想いに答えてくれて恋人同士になってからもあかりは本当に純粋で……だから、俺はあかりの俺への愛を信じることができた。
そして、それは凄く暖かくて素敵なもので……。
でも、その分、あかりに中々会えないでいると寂しくて……。
他の誰かは2週間半くらいでと思うかもしれないけど、俺とあかりは定期的に週1回は会っているから……。
だから、もうここ最近の俺はあかり不足で……。
そんなわけで俺はあかりを早く自分の腕の中に抱きしめたくて仕方がなかった。
そして、そんな風に俺があかりに会えた喜びを噛みしめていると……。
あかりはまた俺の顔を覗きこんで、
「私も順一に会えて嬉しいよ。それに会えなくて寂しかったのは順一だけじゃないんだからね」
そう俺の好きな笑顔で言った。
だから、俺は更にあかりの背中を抱きしめている手に力を入れて……。
「じゃあさ、近いうちにこのお互いの会えない寂しさを解消するために一緒に住もう。つまり結婚してほしいんだけど」
そう言った。
するとあかりは元々大きなくりくりの目を更に大きくして俺の顔をまた覗きこんで……。
「もう、あんまりムードのないプロポーズだよね。でも、それが順一らしくて私は好きだよ。後、うん、ぜひ、そのプロポーズ受けさせてください」
ムードがないと言いつつも、目にはうっすらと涙を浮かべて、でも、嬉しそうにそう言ってくれたから―。
俺は今度はあかりを俺の下にして、長いキスをして、自分の中の喜びがあかりへとたくさん伝わるようにあかりを自分の腕の中におもいっきり閉じ込めた。
END
「もう、またこんなに散らかして」
土曜日の昼前に彼女のあかりが渡してある俺のマンションの合鍵で部屋に入ってくるなり、そう言った。
俺はリビングルームの長ソファーで寝ていて、あかりのその声で目が覚めた。
「……あかり」
「それにまたこんなとこで寝て。いくら暖かくなってきたって言っても風邪ひくよ」
俺は俺の顔を覗きこんでそう言ったあかりを自分の方に引き寄せた。
だから、あかりは俺の方に倒れる形になってしまったけど。
でも、俺はどうしても今すぐにあかりを自分の方に引き寄せたかったから。
「きゃっ! もう何、順一」
「2週間半ぶりに会えたから早くこうしてあかりをぎゅっとしたかったんだよ」
俺は俺の方に倒れ込んだあかりの背中を強く抱きしめながら言った。
俺とあかりはお互い社会人で勤め先は違っているけど、同じ歳で、共通の友達がいて、その友達を通じて知り合った。
あかりと出会ったのは今から約2年前……。
丁度、俺とあかりが24歳の時だった。
最初は何とも思ってなかったけど、共通の友達も交えて3人で飲んだりしているうちにあかりが凄く純粋な人だと解り、俺はいつの間にかあかりに惹かれていた。
もちろん、何人かとはつきあったことはあるけど、でも、あかりのような女性に出会ったのは初めてで……。
そして、正直にいうとあかりに出会うまでつきあってきた女性たちの自分に対する愛情は全然信じられなかった。
それはもしかしたら、俺が愛がないように見える両親の夫婦生活を見て育ってきた環境のせいかもしれないけど……。
でも、あかりは他の女性とは違っていた。
俺があかりを好きになって告白して、あかりも俺の想いに答えてくれて恋人同士になってからもあかりは本当に純粋で……だから、俺はあかりの俺への愛を信じることができた。
そして、それは凄く暖かくて素敵なもので……。
でも、その分、あかりに中々会えないでいると寂しくて……。
他の誰かは2週間半くらいでと思うかもしれないけど、俺とあかりは定期的に週1回は会っているから……。
だから、もうここ最近の俺はあかり不足で……。
そんなわけで俺はあかりを早く自分の腕の中に抱きしめたくて仕方がなかった。
そして、そんな風に俺があかりに会えた喜びを噛みしめていると……。
あかりはまた俺の顔を覗きこんで、
「私も順一に会えて嬉しいよ。それに会えなくて寂しかったのは順一だけじゃないんだからね」
そう俺の好きな笑顔で言った。
だから、俺は更にあかりの背中を抱きしめている手に力を入れて……。
「じゃあさ、近いうちにこのお互いの会えない寂しさを解消するために一緒に住もう。つまり結婚してほしいんだけど」
そう言った。
するとあかりは元々大きなくりくりの目を更に大きくして俺の顔をまた覗きこんで……。
「もう、あんまりムードのないプロポーズだよね。でも、それが順一らしくて私は好きだよ。後、うん、ぜひ、そのプロポーズ受けさせてください」
ムードがないと言いつつも、目にはうっすらと涙を浮かべて、でも、嬉しそうにそう言ってくれたから―。
俺は今度はあかりを俺の下にして、長いキスをして、自分の中の喜びがあかりへとたくさん伝わるようにあかりを自分の腕の中におもいっきり閉じ込めた。
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