短い恋のお話

愛理

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「素敵な君がいる限り」

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  素直で優しくて純粋で。
  そんな君が僕の傍にいてくれる限り、僕は幸せ一杯でいられる。

「あけましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いします」
  僕の彼女の愛美(まなみ)はそう言った後、僕に深々と頭を下げた。
  だから僕も、
「あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします」
  そう言い、深々と愛美に向かって頭を下げた。
  そして、お互いの挨拶が終わって、2人で少し見つめあった後、お互いにぷっと吹き出した。
「もうこれで新年の挨拶は3度目だけど、なんかおかしいね」
  愛美は楽しそうにそう言った。
  そう。今、年が明けたばかりで、僕達は夜の11時くらいから初詣に行くために一緒にいて、神社の近くで年が明けたので、新年の挨拶をしたんだった。
  そして、愛美の言うとおり、僕達が新年の挨拶をするのは今年で3度目だった。
  僕と愛美は同じ会社に勤めているんだけど、愛美は年下で、僕が24歳の時に短期大学を卒業したばかりの愛美が入ってきて、何だかすぐに意気投合して仲良くなり、いつの間にか恋人同士になっていた。
  そして、今では誰よりも多い時間をプライベートでは過ごしている。
「ああ、何か改まると変な感じするよな。いつも一緒にいるから」
「うん。ね」
  愛美は僕におもいっきりの笑顔を向ける。
「何か家族に向かって照れくさいけど感謝を言うような時の気持ちに似てる」
「あ、何か解るな、それ」
  愛美はそう言い、また、僕におもいっきりの笑顔を向けてくれた。
  僕はこんな愛美を見る度に本当に幸せを感じる。
  愛美は僕からしたら、今時珍しいくらいに純粋で素直で優しい女性だった。
  そして、僕は愛美と出会ってから、その純粋さとかに何度救われてきたか解らない。
  そして、今までの人生の中で愛美と出会えたことが最高に幸せだと今は思っている。
  だから、僕はこうしてまた、愛美と一緒に年を越せることが凄く幸せだった。
  だから、僕は愛美に、
「でも、愛美、これから先もずっとずっと2人でこうして、おかしいねとか言いながら、新年の挨拶しような。後、近いうちに一緒の家(うち)に帰れるようになろうな」
  そう言った。
  すると愛美はやっぱり、おもいっきりの笑顔で、
「うん、勿論。これから先もずっとずっと一緒に年を越したり、新年の挨拶をしようね」
  そう言ってくれた。
  そして、僕達は手を繋ぎ神社に向かって歩いていった。

  そう。君が僕の傍にいてくれる限り、僕は本当に幸せでいられるから。
  だから、今年、神様に願うことはもうただ1つ。
君と近いうちに一緒になれますように。
                                                                       END
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