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「君の痛みを分けてほしくて」
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仕事が忙しくて、久しぶりに会うことになった彼女の由梨と2人でお互いが休みの日曜日の今日は俺が1人暮らしをしているマンションでゆっくりと過ごしていた。
でも、今日の由梨はここにやってきた時から何処かぼんやりしていて、心ここにあらずという感じだった。
由梨は自分に辛いことがあっても俺には何も言わない。
俺が何かあったのかと聞いても、何もないよとただ笑うだけだった。
でも……。
もう恋人同士になって3年半が経つから、そろそろ俺は由梨のそんなとこを打破したいと思っていた。
だって、もう子供じゃないから。
俺と由梨は大学の時に知り合い、卒業間近に恋人同士になった。
そして、卒業してからはお互い一般企業に就職した。
やっぱり就職した頃は自分のことで精一杯で由梨の繊細な部分までは思いやることはできなかった。
でも……仕事にも慣れて、また、由梨ともだいぶと深くつきあうようになっている今は由梨が辛い部分も受けとめてやりたいと思うようになった。
「由梨」
俺は青色の大きなクッションを抱きしめたまま長くいる由梨を抱きしめた。
「え? どうしたの久哉」
俺に抱きしめられたことで由梨はやっと覚醒したらしい。
でも、俺にはやっぱり笑顔を向けた。
「由梨、何かあったんだろ。もういい加減、俺の前で強がらなくていいよ」
俺がそう言うと由梨は目を大きく開いた。
「久哉……」
「由梨は今まで何か辛いことがあっても俺には何もないよって笑うだけだったろ? でも、そんなの俺はもう嫌なんだ。由梨が辛いことがあるなら、俺はその辛いこと……由梨の痛みだって解ってやりたいんだ。由梨、俺はお前と同じ歳でまだまだ頼りないかもしれないけど、でも、由梨に何かあったら由梨を守れるくらいにはなったつもりだから」
「久哉……」
由梨は俺の言葉に凄く驚いたような表情をした。
だけど、その後、すぐに俺に優しい笑顔を向けて、
「ん、ありがとう、久哉。私だって久哉は頼れるような男の人になったなって思ってるよ」
そう言った。
「由梨……」
「ちょっとね、昨日、会社で仲良かった子ともめちゃったんだ。仕事のことでなんだけどね。まだ仲直りしてなくて……。でも、大丈夫だよ。っていうか今、久哉が私の痛みも解ってやりたいって言ってくれて大丈夫な気がしてきたよ。明日にはきっとその子と元通りになると思う」
「由梨……」
「久哉、ありがとうね」
そう言い由梨は俺の首に手を回してキスをしてきた。
だから、俺も由梨にキスを返して、俺達はその場に倒れて抱き合った。
そして、俺は俺に沢山、愛されてしまって疲れて眠ってしまった由梨の寝顔を見ながら、
由梨、俺のことを頼れる男になったって思ってくれてるなら、本当にもう辛い時や悲しい時には大丈夫だなんて言わないで、俺に想いを打ち明けてくれよな。
そう思っていた。
END
でも、今日の由梨はここにやってきた時から何処かぼんやりしていて、心ここにあらずという感じだった。
由梨は自分に辛いことがあっても俺には何も言わない。
俺が何かあったのかと聞いても、何もないよとただ笑うだけだった。
でも……。
もう恋人同士になって3年半が経つから、そろそろ俺は由梨のそんなとこを打破したいと思っていた。
だって、もう子供じゃないから。
俺と由梨は大学の時に知り合い、卒業間近に恋人同士になった。
そして、卒業してからはお互い一般企業に就職した。
やっぱり就職した頃は自分のことで精一杯で由梨の繊細な部分までは思いやることはできなかった。
でも……仕事にも慣れて、また、由梨ともだいぶと深くつきあうようになっている今は由梨が辛い部分も受けとめてやりたいと思うようになった。
「由梨」
俺は青色の大きなクッションを抱きしめたまま長くいる由梨を抱きしめた。
「え? どうしたの久哉」
俺に抱きしめられたことで由梨はやっと覚醒したらしい。
でも、俺にはやっぱり笑顔を向けた。
「由梨、何かあったんだろ。もういい加減、俺の前で強がらなくていいよ」
俺がそう言うと由梨は目を大きく開いた。
「久哉……」
「由梨は今まで何か辛いことがあっても俺には何もないよって笑うだけだったろ? でも、そんなの俺はもう嫌なんだ。由梨が辛いことがあるなら、俺はその辛いこと……由梨の痛みだって解ってやりたいんだ。由梨、俺はお前と同じ歳でまだまだ頼りないかもしれないけど、でも、由梨に何かあったら由梨を守れるくらいにはなったつもりだから」
「久哉……」
由梨は俺の言葉に凄く驚いたような表情をした。
だけど、その後、すぐに俺に優しい笑顔を向けて、
「ん、ありがとう、久哉。私だって久哉は頼れるような男の人になったなって思ってるよ」
そう言った。
「由梨……」
「ちょっとね、昨日、会社で仲良かった子ともめちゃったんだ。仕事のことでなんだけどね。まだ仲直りしてなくて……。でも、大丈夫だよ。っていうか今、久哉が私の痛みも解ってやりたいって言ってくれて大丈夫な気がしてきたよ。明日にはきっとその子と元通りになると思う」
「由梨……」
「久哉、ありがとうね」
そう言い由梨は俺の首に手を回してキスをしてきた。
だから、俺も由梨にキスを返して、俺達はその場に倒れて抱き合った。
そして、俺は俺に沢山、愛されてしまって疲れて眠ってしまった由梨の寝顔を見ながら、
由梨、俺のことを頼れる男になったって思ってくれてるなら、本当にもう辛い時や悲しい時には大丈夫だなんて言わないで、俺に想いを打ち明けてくれよな。
そう思っていた。
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