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「言葉にしないけど」
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恥ずかしくて中々、言葉にすることができないけど、いつも一番に君のことを想っているから。
風呂からあがると俺の彼女の美香がテーブルにつっぷして、うたた寝をしていた。
ああ、そういえばここのところ仕事が残業続きで寝不足だって言ってたっけ。
今日は土曜日で俺も美香も仕事が休みなので、美香は俺が1人暮らしをしているこのマンションに泊まりに来ていた。
お互いにもう25歳だから、まあ、やっぱり大人同士の付き合いをしている。
そして、俺は勿論、美香との結婚も考えてるけど、今はまだお互いもう少しだけ独身でいようということで、恋人同士のままでいる。
美香と俺はお互いに友達に誘われた飲み会で2年前に知り合った。
美香は可愛い感じで、ほわっとした雰囲気の子だから、俺は一目見て美香を気に入りアプローチした。
そしたら、意外とすぐに俺になびいてくれて。
後で聞くと美香は俺の話が面白くて興味が沸いたんだとか。
そして、その後、でも、外見も好きだよとつけくわえてくれた。
まあ、一応、これでも学生時代はそこそこはモテてたんだけどさ。
でも、今は何人もの人からモテるよりも美香からモテればそれでいい。
そう思える程、美香は俺にとっては最高の恋人だった。
美香は今日、残業続きで疲れていたのにさっきまでは俺のために飯をつくったり、風呂を沸かしてくれたりしていた。
美香はそういうことをさらっとやってくれる。
そして、凄く人に優しい人でもあった。
「……疲れてるのにありがとうな」
俺は美香の寝顔を見ながらそう呟く。
本当は美香が起きている時にこういうことを言えばいいんだろうけど、俺は何せ凄く照れ臭がりで……。
美香のことをこんないい彼女、俺には勿体ないほどだよなと思っているのに優しい言葉や甘い言葉を中々言うことができない。
面白いと人から言われるような話は幾らでも言えるのに。
だけど、だいぶ前に俺があまりにも美香に気持ちを言わなさすぎて、美香を凄く不安がらせていたことがあった。
本当は美香のことを好きで堪らないのにその好きな気持ちが全然美香に伝わらなくて。
あの時、美香は初めて俺の前で泣いたんだっけ。
俺の気持ちが何処にあるのか解らないと。
俺はその時のことが一瞬、フラッシュバックして、胸が痛んだ。
だけど、あの時、ぎゅっと美香を抱きしめることで気持ちが伝わったんだよな……。
「ごめんな、中々、美香への気持ちを素直に口から出すことができなくて……でも、俺は本当に美香のこと好きだから、それだけはどうか解ってな」
言葉にできないけど、態度ではなるべく示せるようにしていくから。
俺はそう思った後、美香をお姫様抱っこして、寝室のベッドに運んでいった。
今はこのまま疲れているだろう美香をゆっくり休ませてあげたかったから―。
END
風呂からあがると俺の彼女の美香がテーブルにつっぷして、うたた寝をしていた。
ああ、そういえばここのところ仕事が残業続きで寝不足だって言ってたっけ。
今日は土曜日で俺も美香も仕事が休みなので、美香は俺が1人暮らしをしているこのマンションに泊まりに来ていた。
お互いにもう25歳だから、まあ、やっぱり大人同士の付き合いをしている。
そして、俺は勿論、美香との結婚も考えてるけど、今はまだお互いもう少しだけ独身でいようということで、恋人同士のままでいる。
美香と俺はお互いに友達に誘われた飲み会で2年前に知り合った。
美香は可愛い感じで、ほわっとした雰囲気の子だから、俺は一目見て美香を気に入りアプローチした。
そしたら、意外とすぐに俺になびいてくれて。
後で聞くと美香は俺の話が面白くて興味が沸いたんだとか。
そして、その後、でも、外見も好きだよとつけくわえてくれた。
まあ、一応、これでも学生時代はそこそこはモテてたんだけどさ。
でも、今は何人もの人からモテるよりも美香からモテればそれでいい。
そう思える程、美香は俺にとっては最高の恋人だった。
美香は今日、残業続きで疲れていたのにさっきまでは俺のために飯をつくったり、風呂を沸かしてくれたりしていた。
美香はそういうことをさらっとやってくれる。
そして、凄く人に優しい人でもあった。
「……疲れてるのにありがとうな」
俺は美香の寝顔を見ながらそう呟く。
本当は美香が起きている時にこういうことを言えばいいんだろうけど、俺は何せ凄く照れ臭がりで……。
美香のことをこんないい彼女、俺には勿体ないほどだよなと思っているのに優しい言葉や甘い言葉を中々言うことができない。
面白いと人から言われるような話は幾らでも言えるのに。
だけど、だいぶ前に俺があまりにも美香に気持ちを言わなさすぎて、美香を凄く不安がらせていたことがあった。
本当は美香のことを好きで堪らないのにその好きな気持ちが全然美香に伝わらなくて。
あの時、美香は初めて俺の前で泣いたんだっけ。
俺の気持ちが何処にあるのか解らないと。
俺はその時のことが一瞬、フラッシュバックして、胸が痛んだ。
だけど、あの時、ぎゅっと美香を抱きしめることで気持ちが伝わったんだよな……。
「ごめんな、中々、美香への気持ちを素直に口から出すことができなくて……でも、俺は本当に美香のこと好きだから、それだけはどうか解ってな」
言葉にできないけど、態度ではなるべく示せるようにしていくから。
俺はそう思った後、美香をお姫様抱っこして、寝室のベッドに運んでいった。
今はこのまま疲れているだろう美香をゆっくり休ませてあげたかったから―。
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