短い恋のお話

愛理

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「ずっと、あなたの隣で」

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土曜日のお昼過ぎ、私は彼氏の洋介の家に行った。
　洋介はマンションで1人暮らしをしている。
　私と洋介は同じ会社に同期入社して、部署も一緒だったから、自然と仲良くなった。
　だけど、私は本当はもう誰とも恋をする気はなかった。
　会社に入る前にボロボロになってしまうような恋をしたから、また、恋してボロボロになるのが怖かったから。
　でも、そんな私の心を洋介はじわじわと溶かしてくれた。
　そして、沢山の優しさをくれた。
　だから、私は段々と洋介に惹かれていった。　
　前みたいに激しく燃え上がるような恋ではないけれど、穏やかでとても優しい恋。
　チャイムを鳴らすと洋介が出てきて、部屋に入れてくれた。
　そして、紅茶を淹れてくれた。
「はい。友香」
「ありがとう。そして、これ」
　私は洋介に小さな花束を差し出した。
「え？　何？」
「ペチュニアって花なの。メッセージとして洋介に贈りたくて」
「メッセージ？」
　洋介はそう言い、花束を受け取った。
「うん。ペチュニアの花言葉はね、あなたといると心が和むなの」
「友香……」
「私ね、洋介に会うまではもう恋なんてしないって思ってた。でも、そんな私を洋介は優しく包んでくれた」
「友香…」
「そしてね、洋介の傍にいると本当に心が和むの。だから、ずっとずっと、これからも一緒にいたいって思うの。だから、それを伝えたくてペチュニアの花を贈ろうと思ったの」
　洋介に贈ったペチュニアの花は赤、ピンク、紫。
　ペチュニアの花は小さくて可愛い花。
「友香、嬉しいよ。ありがとう。凄く可愛い花だね。長くもたせるように頑張るよ。そして、友香には俺といるとずっと和んでもらえるようにするから」
　そう言い洋介は私を抱きしめてくれた。

　ねぇ、本当にこれからも、ずっと、あなたの傍で和ませてね。
END

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