短い恋のお話

愛理

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「今も君を変わらずに愛しているから」

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 残業でかなり遅い時間に帰宅した1人暮らしのマンションに合鍵を持っている俺の彼女の絵梨が来ていた。
 と言ってもリビングルームに置いてある焦げ茶色の長ソファーに横になり、絵梨は今、おもいっきり寝ているんだけど。
 俺はそんな絵梨を見て、微笑ましく思いながら、いい匂いがするので、匂いのする方を見たら、近くに置いてあるテーブルの上に絵梨がつくってくれた晩飯がラップにかけられて並べられていた。
 俺は傍に行き、ラップをぺらっと捲った。
 並べられていた晩飯のメニューは焼いた鮭に卵焼き、人参やレンコンなど色々な野菜が混じっている煮物で、後、からのご飯茶碗と味噌汁を淹れるお椀が置いてあった。
 残業して疲れている身体には優しいメニューだ。
 俺は有難く頂こうと思いつつも、もう少しだけ絵梨の寝顔を見ていたいなと思い、晩飯に再びラップをかけて、絵梨が寝ているソファーの所まで戻った。
 26歳にしては絵梨の寝顔は幼く見える。
 俺と絵梨は24歳の時に飲み会で知り合い、話が合ったので、俺が1度、絵梨をデートに誘って、そこからすぐに恋人同士の関係へと発展した。
 だから、つきあって、もう2年の月日が経とうとしていた。
 最近は俺が仕事でもの凄く忙しくて、あまり絵梨と会うことができなくて、会った時に絵梨は、冗談っぽく明るく『もしかして、私のこと飽きちゃったかな?』と言ったりする。
 冗談っぽくだけど、本当は何処か寂しそうに見えるなと俺は感じていた。
 でも、俺は今、絵梨を見ながら、そんなわけないのにと思う。
 絵梨のことを飽きたり、好きじゃなくなったのなら、こんな風に絵梨の寝顔は見ない。
 絵梨がつくってくれたご飯を見て、もの凄く幸せな気持ちになんてならない。
 だけど、俺は絵梨にこういった気持ちを言葉にして中々、言うことができない。
 だから、きっと絵梨を時々不安にさせたりするんだろうけど。
 でも、絵梨、俺は今も、そして、これからも、ずっと絵梨のことを好きでいるから。
 そして、言葉にできない分、きっと絵梨への愛を態度では示すから。
 だから、絵梨こそ俺のことを見限ったりしないでくれよな。
 俺はそう思いながら、ぐっすりと寝て起きる気配のない絵梨の頭を優しく撫でた後、絵梨がつくってくれた晩飯を食べる為にテーブルに置いてある晩飯にかかっているラップをまた外し、ご飯茶碗と味噌汁を淹れるお椀を持って、台所へと向かった。
                                                            END
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