短い恋のお話

「あなたと共に」

    会えない時もいつもあなたを想っているよ。
　
　１人暮らしのマンションの寝室の窓から、空を見ると月が出ていた。
　とても、綺麗な三日月。
　そして、その月の周りには沢山の星達。
　都会の空でこんなに空が綺麗に見えるのはあまりなかった。
　そして、私は恋人の純也のことを想った。
　私と純也は会社で知り合って恋人同士になって今年で２年目。
　私は事務職で純也は機械を直したりする仕事で時々、長期出張に行ったりもする。
　そして、今はまさにその状況だった。
　今、純也は出張で地方に飛んでいた。
　１ヶ月間の長期出張。
　今は２週間目。
　電話やLINEは割とこまめにくれたりするけれどやっぱり会えないのは寂しい。
　だけど私は今、月や星達を見て思った。
　例えどんなに離れていても、純也だって、この月や星達を見ることができるんだなと。
　勿論、ここから見る月や星達と純也が見るものは違うだろうけれど。
　それでも……。
　そして、こう想えるのは私と純也の心が繋がっているからなんだって。
　私が純也のことを信じていられるからなんだって。
　そう思うと私は何だか凄く優しい気持ちになって純也の優しい笑顔を思い浮かべた。

　ねぇ、純也、私達はきっと傍にいなくても心はいつもお互いに傍にいるよね。
                                                            END