短い恋のお話

愛理

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「会えない時間も」

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    会えない時間も心はお互いに傍にいるよね。

    “PiPiPi”
    スマートフォンのLINEのメッセージが来たことを知らせる着信音が鳴った。
    今は午後9時過ぎで、私はもう食事もお風呂も済ませて実家の自分の部屋でくつろいでいた。
    私は机の上に置いていたスマートフォンを手に取った。
    そして、LINEのメッセージを見ると彼氏の隼人からだった。
    “後、1週間で帰れるよ”
    それだけのメッセージだったけど私は凄く嬉しかった。
    隼人は今、仕事で長期出張に出ていて、既に今、出張に出てから1ヶ月半が経っていた。
    そして、今のLINEのメッセージは仕事が一段落して帰ってきて会うことができるということを知らせる内容だったから、私は凄く嬉しかった。
    私と隼人は一緒の会社に勤めていて、そこで知り合った。
    隼人の方が2つ年上で会社でも先輩だった。
    隼人は会社に入ったばかりの私に凄く優しくしてくれて、そんな隼人に私は段々と惹かれていった。
    2人でも飲みに行くようになったから余計に。
     そして、知り合って1年くらい経った頃、隼人の方から告白してくれて私達は恋人同士になった。
     告白された時は本当に凄く嬉しかった。
    だから、今は社内恋愛で殆ど毎日会えるから嬉しくて堪らない。
     でも、たまに隼人はこうして長期出張に行くことがある。
     その期間はどうしても会えない寂しさは募ってしまうけど、隼人はそんな時、毎日、1回、どんなに忙しくてもLINEを必ずくれていて……。
    多分、凄く疲れている時もあるはずなのになと思うと隼人が私のことを凄く大切にしてくれてるんだなということを感じることができて。
    だから、隼人には多分、恥ずかしくて言うことはできないけど、私はこの会えない時間も2人の想いを育てるんだなって思うようになったんだ。
    そして、2人の絆がどんどん強くなっていくんだなとも思ったんだ。
    私は今もそんなことを思いながら、
    “嬉しい! じゃあ、来月の隼人が27歳になるお誕生日には一緒に過ごせるね♡その日は私、すみれがとびっきり美味しい料理をつくるから、もう少し頑張ってね! ファイト!”
    そうLINEのメッセージを返した。

    そう。会えない時間も2人の愛は育つよね。
                                                   END
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