「愛って何ですか」

愛理

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第3話「偽物の笑み」

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    映画撮影が始まって、2週間が経った日、久し振りに悟は早く自分のマンションに帰ることが出来た。
 マンションに帰って、少しするとスマートフォンの電話の着信音が鳴った。
「もしもし?」
「あ、悟くん?」
 それは悟の彼女からだった。
「加奈か。久し振りだな」
「本当に久し振りすぎるくらいだよ。ね、そろそろ会いたいんだけど」
「ああ。いいよ。じゃあ、今日、来れば? まだ、夕方だし大丈夫だろ?」
「本当? じゃあ、今から行くね。じゃあ、後でね」
 そして、2人は電話を切った。
 悟の彼女は一般人だ。
 お互いの友達を通じて知り合った。
 加奈は騒がしいタイプでもなく、いつも会いたいというタイプでもないので、悟が恋人にするには、もってこいのタイプだった。

 それから、1時間後に加奈が来た。
加奈のフルネームは相川加奈といって、年齢は悟と同じ25歳で、ちなみに職業はОL。
「悟、会いたかったよ」
 そう言い加奈はソファーに座っていた悟に抱きついた。
 会いたいと頻繁に言わない加奈だけど、会った時はこんな風に悟に甘えてくる。
「ああ。俺もだよ」
 そう言いながら、悟は加奈を抱き締める。
 いつもなら、この抱擁が自分にとって、とても気持ちがいいはずなのに悟は何となくいつもと違うことを心の何処かで感じていた。
    それは加奈に対してではなく自分に対してだ。
 何故なら、悟の頭の中に一瞬、しずくの顔が現れたから。
    何で? 最近、一緒にいるからか。
 そんな風に悟は思って、加奈を強く抱き締めた。
「……悟?痛いよ。どうしたの?」
「……何でもないよ。加奈に会えて嬉しいんだよ」
 そう言い悟は加奈に笑みを向けた。
 加奈はそんな悟を見て、凄く嬉しそうな顔をしたけれど、悟のその笑みは心からのものではなかった。
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