「愛って何ですか」

愛理

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第24話 「悟の決意」

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    しずくが目を覚まさないまま1週間が過ぎた。
 悟はベッドに横になって眠ったままのしずくを見て思う。
 ……しずく、俺、決めたよ……と。
 そして、悟はズボンのポケットから小さな箱を取り出した。
 それはマリッジリングが入った箱。
 悟はしずくの所に行って、その箱を開けて指輪を取り出す。
 そして、しずくの左手をそっと取り薬指に指輪を嵌めた。
「―結婚しよう。しずく」
 例え君がこのまま目を覚まさなくても。
 君がどんな形でも生きている限り僕は君以外に心を捧げる気なんてないから。
「ファンの子達もしずくが相手なら、きっと祝福してくれるよ」
 しずく。愛してるよ。
 俺に真実の愛がどういうものなのかを教えてくれた、しずく。
 悟はしずくをずっと見つめ、そして、きっと目をきつくして、何かを決意したように病室を出て行った。

「本気か悟!」
 渋谷が言った。
 ここは悟が所属している会社の事務所だ。
 悟はしずくの病院から直接ここへ来た。
「ええ。俺はしずくと結婚します」
 そう。悟がここに来た理由はしずくとの結婚を自分が所属している会社に認めて欲しかったから。
「しかし、悟……。月下さんは……」
 もう、意識が戻るかどうかも解らない状態なのにという言葉は渋谷は咄嗟に飲み込んだ。
 だけど、悟には渋谷が何を言いたいのかが解った。
 だから、悟は何もかも解ってますよというような笑みを浮かべて、
「―だからこそ結婚するんですよ。だって、俺が今こうして生きてここに立っているのは、しずくのおかげだから」
 そう言った。
「……悟」
「お願いです。俺達の結婚を認めて下さい」
「……そこまで言うなら、解った。だけど、幾ら意識がないとは言っても、彼女の意思は尊重させなければならない。勝手に婚姻届は出せないぞ」
「……ええ。解ってます」
 それでも俺の中では会社に認めて貰ったなら、もう結婚したも同然だから。
 もし、しずくが目覚めたら、すぐにでも結婚できるように準備しておくんだ。
 悟はそう思いながら、まだ嵌めていなかった自分の為に用意した指輪を左手の薬指に嵌めた。

「ま、あいつをあんなに熱血にしたのは月下さんだもんな。仕方ないか」
 もし、しずくが運良く目覚めて、悟達が結婚して、悟の人気が落ちたとしても諦めよう。
 渋谷は悟が事務所から帰った後、そう呟いた。 
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