愛してると伝えるから

さいこ

文字の大きさ
11 / 30

別れ

しおりを挟む





   お年を召された方でも意識して維持している方は美しい
 
 年齢だけで女として男として終わってる、なんていうのは無い
 美しく在ろうと思わなくなった時が終わりだ、それがたとえ20代であっても


   そういう意味で「美しい人」とは、顔が整った人、スタイルのいい人を指す言葉ではない
 
 俺にとっての美しい人は「内面が成熟している人」だ
 顔が美人でなくても、スタイルが良くなくても、内面から溢れ出る「美しさ」がある
 

 
 別に男遊びに興じていたって彼女は美しい 
 
 おそらく旦那だって分かっているんじゃないか?
 構ってあげられないからほら行っておいで…ってなもんだろ
 
 そして、どれだけ外で遊んでも旦那の待つ家に帰るということが全てだ



   「…そういうことだから、あの人は俺のセックスの相手なの」

 お前はいったいどういう答えを求めてんの…

 「なんだ、じゃあさっきのもセクハラじゃなかったんじゃん…」

 そうなるな、お前は俺達の関係を知らないで勝手に気分を悪くしていただけだ


 「さすが大人の女はああいうとこエロいよな」

 「へぇ…そういうの隠さない人が好みなんですか?」

 あんな「いい奥様代表」みたいなツラして、俺とセックスした過ぎて店に見に来ちゃうんだから可愛いだろそりゃ…



 「は?じゃあお前はどんなんが好きなんだよ?」
 
 そうだよ、瀧のタイプとか聞いたことなかったよな

 「俺は…女は性の対象じゃないんで、無いです」

 女は性の対象じゃない…
 居なくはないよな、うちの常連にもいるからゲイの子は

 「じゃあタイプの男はどういうのだよ?」

 それなら答えられるだろ


 「タイプとか…無いですよ、一条さんは好きですけど…」

 はぁ?

 お前は俺のなにを知って好きとか言ってんだ?
 図々しいと思わねぇのかよ

   「それは残念だったなぁ~俺は女が好きだから」


 
   「…でも俺のベロチューでイけたでしょ」


 …こいつ


 てかあのときは、なんでああなったんだって!

 ビックリしただろうがよ…
 こんなに生きててまだビックリすることがあるんだって思ったわ



   「あの時は一条さんが奥のソファで寝ちゃってて…」
 
 瀧が声をかけても俺の返事が無くなったので、バックルームに様子を見に来たとのこと

 それで寝顔が可愛いかったからってチュッチュしてたら
 俺がえっちな声を出して勃起してたから、少しだけと思ってさわさわして…


 「で、もっともっとって言うから…気持ちいいんだと思って…」

 そ、それで俺、出ちゃった…ってこと?
 
 「俺もちょっと火が付いちゃってめちゃめちゃベロチューしてたら…一条さん、イッちゃって…」

 確かにめちゃくちゃ気持ちいい夢だとは思ったけどまさかだよお前かよ


 「いや、まぁあれはもう寝てたからな…どーしようもないわ」

 「シラフで起きてるとき試す?」

 「…は???」



 「それが死ぬほど気持ち良かったら、別に女とのセックスじゃなくても良くなるかもだし」

 そんな…バカな…
 俺にシラフでお前に体を自由にさせろと…

 想像しただけで俺が死ぬ…恥ずか死ぬ!


 「いいよ別に女に困ってねぇし…お前とセックスはなんか違うだろ」

 「そうですか…じゃあ俺とはなんならいいの?」

 お前は…
 今までみたいに一緒に飲んで一緒に遊んで、学生時代の連れみたいな…

 「…そういうのが楽しかったよ、俺は」
 
 お前の気持ちには応えられないけど…


 「じゃあ…そういう事にしようよ」


   なにこいつ?
   本当に俺が言ってる意味分かってるよね?

   「下心」から「友情」にそうシフトできるもんなのかねぇ
   てゆーか男が好きだから俺のナニをお触りしたのかよ…お前の処理に使われてたまるか…


   「だから普通にダーツ付き合ってよ」

   「まぁ飲みたいところだけど、今日は時間ねぇからまた今度な」

   「なにか予定があるんですか?」
 
   「は?さっきの見ただろ?明日はあの人とホテルだよ…」

   瀧と遊びに行くのは悪くない
   でも洋子さんのことはまた別の話なんだ   

   話があるというのも気になるし…

   「じゃあ俺も帰るから、お前も…またな」

   今回は瀧の誘いを断った


   
   店の戸締りをして瀧を見送り、それから部屋に帰った
    
   風呂からあがると洋子さんに返信をした
   明日13:00にホテルで会う



   耳元で愛を囁いてゆっくり時間をかけて焦らされるのが好きな人
   セックスは1回で良くて、その後2人で裸のままベッドでお喋りをする(喫煙OK)
    
   俺は彼女を抱きしめて肌を撫でながら時折キスをして、最近面白かったことを話して聞かせる
   彼女はそうやって身を寄せて体温を感じる時間が好きだ


   …きっと本当は大切な人にそうして欲しいんだと思う
    
   ところがそうはならないから外で誰かと真似事をして帰るんだろう、人は皆思うように全ては手に入れられないものだ
   そんな寂しい気持ちが分かってしまう

   俺はひとときの恋人として、その時間あの人の心を満たすことが出来たらそれでいい…



   ーーー翌日


   俺は約束の時間を過ぎてから到着する
   先に部屋にいる彼女を訪ねた


   「待たせちゃった?」

    部屋に招き入れてくれた彼女にそう言った

   「いいえ、あなたを待つ時間は好きなの、だって色々想像して楽しいから…」

   そんな可愛いことを言わせる

 
   俺はソファーに腰を下ろし隣に座る彼女の肩を抱いて煙草に火をつけた

   「…その煙草の香り嫌いじゃなかった」

   なかった…って、過去形?

   「どうして?…若い男にお熱になっちゃったの?」

   俺は違和感を感じ彼女の太腿に指を伸ばす
  
  
   「私…もうここへ来られなくなります…」

   今までこんな話を聞かされたことは無い
   俺は本当に会えなくなるのだと理解した

   タバコの火を消して彼女に向き合う

   「今日が最後…?」

   彼女は悲しみをたたえた目で俺を見つめた…


   ご主人が拠点を海外に移すとのことだった
   彼女は遠く離れた知らない土地へ行ってしまう


   …若いのに取って代わられるよりはマシだが、この先この人を癒してくれる男は現れるのか

   まぁでも現地の男性が相手なら、立派なイチモツで彼女の心の穴も一気に塞がるのかもしれないが…(最低)
    
    

 俺は最後だと知っても何もできることは無い
   いつもと同じように彼女を恋人と思って肌に触れ合うだけ…

   綺麗な彼女の体が大きく跳ねるのを見届けると俺も果てた


   それから裸のまま、ベッドで俺の体を狙う大柄な男の話をした

   「昨日あなたが来た時に座ってた男だよ?」

   「えぇ…?それはこの先が気になって…」

   彼女はそこで黙ってしまった
    

   俺には声にならない、その続きが聞こえた
   この先が気になるけどそれを見届けることは自分には叶わない、そんなところだろう

  
   「私、ほんの火遊びと思って本当に馬鹿なことをしたわ…どうか私を嫌いになってね…」

   「ははっ…ただの火遊びでしょ、最初から嫌いだから…大丈夫だよ…」

 俺は彼女の髪を撫で、抱く腕に力を込めた



   そうして彼女は現金の封筒を置いて、先に部屋から出て行った
   最後の後ろ姿を見送り不思議な気持ちになった


    
   俺は一服して時間をずらし封筒をバッグに押し込むとホテルを出た
    


 





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

レンレンは可愛い(*´×`*)四十路のおじさん♡Ωに覚醒しました!〜とにかく元気なおバカちゃん♡たぁくん爆誕です〜

志村研
BL
あるところに、高生さんという駄目なおじさんがおりました♡ このおじさん、四方八方に怒られてます。 でもちっとも懲りません。 自分らしさ炸裂にしか生きられなくて、分かっちゃいるけどやめられないんです。 でも、そんな人生だってソコソコ満喫してました。 \\\\٩( 'ω' )و //// …何だけど、やっぱりね。 色々もの足りなくて、淋しくて。 …愛されたくて、たまらなかったんです。 そんな時、Ωに覚醒♡ 高生さんの国では正斎子といいます。 これに成っちゃうと不幸になりがちです。 そんな訳で。 ろくな事をしない割に憎めないおじさんは、心配されてます。 だけど本人は気づきもせずに、ボケっとしてました。 そんなんだから、やらかしました。 そんな時に限って、不運を重ねました。 そんなこんなで、囚われました。 人生、終わった! もう、何もかもドン底だ! 。・゜・(ノД`)・゜・。 いや、ここからですよ♡ とにかく元気なおバカちゃん♡ 中欧のΩおじさん、たぁくん♡爆誕です! \\\٩(๑`^´๑)۶////

【完結】君の穿ったインソムニア

古都まとい
BL
建設会社の事務として働く佐野純平(さの じゅんぺい)は、上司のパワハラによって眠れない日々を過ごしていた。後輩の勧めで病院を受診した純平は不眠症の診断を受け、処方された薬を受け取りに薬局を訪れる。 純平が訪れた薬局には担当薬剤師制度があり、純平の担当薬剤師となったのは水瀬隼人(みなせ はやと)という茶髪の明るい青年だった。 「佐野さんの全部、俺が支えてあげますよ?」 陽キャ薬剤師×不眠症会社員の社会人BL。

幼馴染は僕を選ばない。

佳乃
BL
ずっと続くと思っていた〈腐れ縁〉は〈腐った縁〉だった。 僕は好きだったのに、ずっと一緒にいられると思っていたのに。 僕がいた場所は僕じゃ無い誰かの場所となり、繋がっていると思っていた縁は腐り果てて切れてしまった。 好きだった。 好きだった。 好きだった。 離れることで断ち切った縁。 気付いた時に断ち切られていた縁。 辛いのは、苦しいのは彼なのか、僕なのか…。

『定時後の偶然が多すぎる』

こさ
BL
定時後に残業をするたび、 なぜか必ず同じ上司が、同じフロアに残っている。 仕事ができて、無口で、社内でも一目置かれている存在。 必要以上に踏み込まず、距離を保つ人―― それが、彼の上司だった。 ただの偶然。 そう思っていたはずなのに、 声をかけられる回数が増え、 視線が重なる時間が長くなっていく。 「無理はするな」 それだけの言葉に、胸がざわつく理由を、 彼自身はまだ知らない。 これは、 気づかないふりをする上司と、 勘違いだと思い込もうとする部下が、 少しずつ“偶然”を積み重ねていく話。 静かで、逃げ場のない溺愛が、 定時後から始まる。

【完結】社畜の俺が一途な犬系イケメン大学生に告白された話

日向汐
BL
「好きです」 「…手離せよ」 「いやだ、」 じっと見つめてくる眼力に気圧される。 ただでさえ16時間勤務の後なんだ。勘弁してくれ──。 ・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・: 純真天然イケメン大学生(21)× 気怠げ社畜お兄さん(26) 閉店間際のスーパーでの出会いから始まる、 一途でほんわか甘いラブストーリー🥐☕️💕 ・:* ✧.---------・:* ✧.---------˚✧₊.:・: 📚 **全5話/9月20日(土)完結!** ✨ 短期でサクッと読める完結作です♡ ぜひぜひ ゆるりとお楽しみください☻* ・───────────・ 🧸更新のお知らせや、2人の“舞台裏”の小話🫧 ❥❥❥ https://x.com/ushio_hinata_2?s=21 ・───────────・ 応援していただけると励みになります💪( ¨̮ 💪) なにとぞ、よしなに♡ ・───────────・

死ぬほど嫌いな上司と付き合いました

三宅スズ
BL
社会人3年目の皆川涼介(みながわりょうすけ)25歳。 皆川涼介の上司、瀧本樹(たきもといつき)28歳。 涼介はとにかく樹のことが苦手だし、嫌いだし、話すのも嫌だし、絶対に自分とは釣り合わないと思っていたが‥‥ 上司×部下BL

イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話

タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。 瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。 笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。

龍の無垢、狼の執心~跡取り美少年は侠客の愛を知らない〜

中岡 始
BL
「辰巳会の次期跡取りは、俺の息子――辰巳悠真や」 大阪を拠点とする巨大極道組織・辰巳会。その跡取りとして名を告げられたのは、一見するとただの天然ボンボンにしか見えない、超絶美貌の若き御曹司だった。 しかも、現役大学生である。 「え、あの子で大丈夫なんか……?」 幹部たちの不安をよそに、悠真は「ふわふわ天然」な言動を繰り返しながらも、確実に辰巳会を掌握していく。 ――誰もが気づかないうちに。 専属護衛として選ばれたのは、寡黙な武闘派No.1・久我陣。 「命に代えても、お守りします」 そう誓った陣だったが、悠真の"ただの跡取り"とは思えない鋭さに次第に気づき始める。 そして辰巳会の跡目争いが激化する中、敵対組織・六波羅会が悠真の命を狙い、抗争の火種が燻り始める―― 「僕、舐められるの得意やねん」 敵の思惑をすべて見透かし、逆に追い詰める悠真の冷徹な手腕。 その圧倒的な"跡取り"としての覚醒を、誰よりも近くで見届けた陣は、次第に自分の心が揺れ動くのを感じていた。 それは忠誠か、それとも―― そして、悠真自身もまた「陣の存在が自分にとって何なのか」を考え始める。 「僕、陣さんおらんと困る。それって、好きってことちゃう?」 最強の天然跡取り × 一途な忠誠心を貫く武闘派護衛。 極道の世界で交差する、戦いと策謀、そして"特別"な感情。 これは、跡取りが"覚醒"し、そして"恋を知る"物語。

処理中です...