元子爵家子息だってやる時はやるのさ!~従者は華麗に死亡フラグを回避する~

天笠

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自慢の幼なじみ

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あいも変わらずジェラルド家は立派な造りをしている。荘厳で神聖な雰囲気を漂わせるが、決して威圧な印象を与えない設計はとても見事だ。庭の花達はしっかり手入れがされていて見ているものを癒してくれる。いい庭師を雇っているに違いない。

玄関先でノヴァ兄が出迎えてくれた。この人も相変わらず無表情だ。

「フィス、よく来てれた。」
「ノヴァに……ノヴァル・ジェラルド公爵閣下お久しぶりです。」

あっぶな……ノヴァ兄って言いかけた……
そんな俺にノヴァ兄は笑いながら(実際にはにこりともしないがなんとなく表情が分かる)、「ここには私たちの関係を知っているものの方が多い。気にするな」と言ってくれた。

「早速クラスティナに会ってもらおう思うのだが、大丈夫か?」
と心配そうな声で聞かれる。それほど娘が心配なのか……。
「ノヴァル公爵、安心してください。わたくしはクラスティナ様の従者を決して辞めません。護衛に関しては言うまでもないでしょう?」
「!……あぁ、そうだな。お前はそういう奴だった。」
ノヴァ兄の無表情が緩み、安堵したようだ。

「それにクラスティナ様は大変賢い様ですね。何故前任の者が辞めたのか、分からない程です。」
「そこにも気付いていたのか、さすがだ。」

そう言うと途端にノヴァ兄の顔が暗くなった。……やっぱ何か事情があるのか……。
「クラスティナにも話したのだが、お前にも話しておこう」
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