元子爵家子息だってやる時はやるのさ！~従者は華麗に死亡フラグを回避する~

契約(仮)の提案

そのあとも色々な話を聞いた。その話を整理すると……

･後妻達はマリアンネ様が死んだ事で、本当は後妻のことが好きだったノヴァ兄(実際にはもちろん違う)が自分達を迎えに来たと勘違いしている。
･クラスティナ様に従者をつけるのに後妻の娘には従者をつけない事に不満を持って、彼女についた従者を辞めさせるように動いている。
･最終的にはマリアンネ様の娘であるクラスティナ様を下僕の様にこき使おうとしている。

ということらしい。

後妻の娘は確か7歳。4歳のクラスティナ様が従者をつけてもらっているのに、自分の娘につけてもらえない時点で愛されていないことを察しろと思う。でも、こういう盲目的な人というのは大抵現実が見えていないのだ。可哀想に……。

｢そうですね……これはもしも強引に従わされそうになった時の為に契約を交わしておいたら良いのではないでしょうか。例えば、そうなりそうになった時は、少しだけ実力行使してもいいとか、クラスティナ様以外の言う事は行わなくていいとか……。｣
｢実力行使は流石にお前が不敬罪になる可能性があるが、いい提案だ。あとで契約書を作ろう。お前が辞めるとは考えられないが、向こうがお前に手出しできない様にするという意味では実に有効的だろう。｣

確かに俺は辞めるつもりは絶対にないし、ノヴァ兄が俺を辞めさせることもないだろう。だが、万が一、クラスティナ様に危害が及ぶような事態になってしまわない様にする必要がある。

……話し込んでいる間にクラスティナ様のいる部屋に着いた。