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ACT25〜聖人の噂〜
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「おう!久しぶりだな~マーク!」
「久しぶり!元気だったか?」
マークと呼ばれた男は、王都に到着してそうそう顔を合わせた男に声をかけられた。
男の名前はミラン、商人である。そして、マーク自身も商人だった。
マークは荷馬車を降りて話しだした。荷馬車は、連れの人間に任せてミランに近づいていく。
「なんだ、最近顔を見ないから、どうしたのかと思ってたよ」
ミランがマークに気さくに言う。
「ああ、ちょっと買い付けに行ってたのさ」
「こんな時にか?」
ミランが言うこんな時とは、魔物が活性化し始めた時、という意味だ。
マークが商人として活動しているヴァンライズ王国は、現在魔物が頻繁に出没していた。
王都に住む人間や旅人、商人達が魔物に襲われる事件が増えてきている。
「こんな時だからさ!」
マークが答えた。そう、こんな時だからこそ商品は高く売れるはずだ。
マークは、それを見越して、王国の北の地に買い付けに行っていたのだ。
「何処に行っていたんだ?」
「北の方さ!」
マークはミランに答えた。正確な場所や商品については、詳しく話さない。
もちろん、ミランもそこの所は細かく聞いてはこない。商人なら当たり前の事だった。
「大丈夫だったのか?北の方では、魔物が活発にしていると聞いたぞ」
「そう!それなんだ!」
マークの言葉に、ミランが疑問の顔をしていた。
「聖人様の話を聞いてないか?」
「聖人様?」
ミランがはじめて聞く話に首をかしげる。
「聖人とか、北の聖人とかって呼ばれているんだがな」
「なんだ?その北の聖人って」
ミランがマークに聞く。
「なんでも、王国の東から北側にかけて、魔物を討伐している人間がいるそうなんだ」
「騎士団以外にか?」
ミランの言葉に、マークが頷く。
「ああ、なんでも騎士団ですら手に負えなかった魔物を、数人で討伐してしまってるらしい」
「なんだそれ!騎士団も形無しだな!」
ミランが呆れたような声を出す。
「それだけじゃないんだ!」
「なんだ?」
「どうも、回復魔術も使えるらしくて、怪我人や病人まで治してしまっているらしい」
マークは、少し興奮気味に話していた。
「そりゃ、まるで聖女様みたいじゃないか!」
ミランが関心した声を出して言っていた。
「そうなんだ!でも、男みたいなんだよ!」
「男?ああ、だから聖女様ではなくて、聖人様なわけか」
「そうなんだ!」
マークは、力強く答えた。
「私が北に出発した時には、王国の北側は危険だと言われてたんだ!だから、武装をした冒険者を雇って向かったんだが、着いてみたら、むしろ中央より安全なくらいさ!」
「その聖人様の活躍のおかげか?」
「ああ!王国の北の方では、もう神様扱いになってるよ」
マークは、王国の北側で話題になりはじめていた聖人について、誰かに話したくて仕方なかったのである。
ちょうど、王都に戻ってすぐに会ったミランに話をした。
「聖女様じゃなくて聖人様が魔物を討伐しているって事か」
ミランがそう呟いた。
「それって大丈夫なのか?」
ミランがマークに尋ねる。
「大丈夫って何がだ?」
マークが、意味がわからない、という顔をする。
「いや、聖女様を差し置いて、魔物を討伐しているんだろ?」
「だからどうしたんだ?」
「よく考えろよ!王国では聖女様が崇拝されてるんだぞ!聖女様を信仰しているアルティア正教が黙っていないんじゃないのか?」
ミランが複雑な顔でマークに話す。
「下手したら、異端者として処刑されかねないんじゃないか?」
「まさか、そんな事…」
マークが不安そうにいった。
「そんな事があり得るかもしれないぞ!それだけ、噂になっているなら、正教も放っておけなくなるかもしれないしな」
「でも、聖女様は魔物の討伐を全くしてないじゃないか!」
「だからだろ!」
ミランがマークに言った。そして、マークの耳元に近づいて話す。
「あくまで噂なんだが、聖女様は魔物の討伐をしてないんじゃなくて、できないらしい」
「どういう事だ?」
マークが聞いた。
「どうも、聖属性魔術が使えないんじゃないかって噂がある」
「なんだって!」
ミランは、マークの顔を見て頷いた。
「もし、その聖人様っていうのが本当なら、王国を二つに割るような争いになりかねないぞ」
ミランは、マークにそう言いながら不安な顔をしていた。
この後、ミランの不安通り北の聖人の噂は、王都だけでなく王国中に広がる事となる。
そして、王宮内の王族や貴族、アルティア正教、そして聖女自身すら無視できない状態となる。
聖人と呼ばれる男の預かり知らないところで、歴史は動き出すのである。
「久しぶり!元気だったか?」
マークと呼ばれた男は、王都に到着してそうそう顔を合わせた男に声をかけられた。
男の名前はミラン、商人である。そして、マーク自身も商人だった。
マークは荷馬車を降りて話しだした。荷馬車は、連れの人間に任せてミランに近づいていく。
「なんだ、最近顔を見ないから、どうしたのかと思ってたよ」
ミランがマークに気さくに言う。
「ああ、ちょっと買い付けに行ってたのさ」
「こんな時にか?」
ミランが言うこんな時とは、魔物が活性化し始めた時、という意味だ。
マークが商人として活動しているヴァンライズ王国は、現在魔物が頻繁に出没していた。
王都に住む人間や旅人、商人達が魔物に襲われる事件が増えてきている。
「こんな時だからさ!」
マークが答えた。そう、こんな時だからこそ商品は高く売れるはずだ。
マークは、それを見越して、王国の北の地に買い付けに行っていたのだ。
「何処に行っていたんだ?」
「北の方さ!」
マークはミランに答えた。正確な場所や商品については、詳しく話さない。
もちろん、ミランもそこの所は細かく聞いてはこない。商人なら当たり前の事だった。
「大丈夫だったのか?北の方では、魔物が活発にしていると聞いたぞ」
「そう!それなんだ!」
マークの言葉に、ミランが疑問の顔をしていた。
「聖人様の話を聞いてないか?」
「聖人様?」
ミランがはじめて聞く話に首をかしげる。
「聖人とか、北の聖人とかって呼ばれているんだがな」
「なんだ?その北の聖人って」
ミランがマークに聞く。
「なんでも、王国の東から北側にかけて、魔物を討伐している人間がいるそうなんだ」
「騎士団以外にか?」
ミランの言葉に、マークが頷く。
「ああ、なんでも騎士団ですら手に負えなかった魔物を、数人で討伐してしまってるらしい」
「なんだそれ!騎士団も形無しだな!」
ミランが呆れたような声を出す。
「それだけじゃないんだ!」
「なんだ?」
「どうも、回復魔術も使えるらしくて、怪我人や病人まで治してしまっているらしい」
マークは、少し興奮気味に話していた。
「そりゃ、まるで聖女様みたいじゃないか!」
ミランが関心した声を出して言っていた。
「そうなんだ!でも、男みたいなんだよ!」
「男?ああ、だから聖女様ではなくて、聖人様なわけか」
「そうなんだ!」
マークは、力強く答えた。
「私が北に出発した時には、王国の北側は危険だと言われてたんだ!だから、武装をした冒険者を雇って向かったんだが、着いてみたら、むしろ中央より安全なくらいさ!」
「その聖人様の活躍のおかげか?」
「ああ!王国の北の方では、もう神様扱いになってるよ」
マークは、王国の北側で話題になりはじめていた聖人について、誰かに話したくて仕方なかったのである。
ちょうど、王都に戻ってすぐに会ったミランに話をした。
「聖女様じゃなくて聖人様が魔物を討伐しているって事か」
ミランがそう呟いた。
「それって大丈夫なのか?」
ミランがマークに尋ねる。
「大丈夫って何がだ?」
マークが、意味がわからない、という顔をする。
「いや、聖女様を差し置いて、魔物を討伐しているんだろ?」
「だからどうしたんだ?」
「よく考えろよ!王国では聖女様が崇拝されてるんだぞ!聖女様を信仰しているアルティア正教が黙っていないんじゃないのか?」
ミランが複雑な顔でマークに話す。
「下手したら、異端者として処刑されかねないんじゃないか?」
「まさか、そんな事…」
マークが不安そうにいった。
「そんな事があり得るかもしれないぞ!それだけ、噂になっているなら、正教も放っておけなくなるかもしれないしな」
「でも、聖女様は魔物の討伐を全くしてないじゃないか!」
「だからだろ!」
ミランがマークに言った。そして、マークの耳元に近づいて話す。
「あくまで噂なんだが、聖女様は魔物の討伐をしてないんじゃなくて、できないらしい」
「どういう事だ?」
マークが聞いた。
「どうも、聖属性魔術が使えないんじゃないかって噂がある」
「なんだって!」
ミランは、マークの顔を見て頷いた。
「もし、その聖人様っていうのが本当なら、王国を二つに割るような争いになりかねないぞ」
ミランは、マークにそう言いながら不安な顔をしていた。
この後、ミランの不安通り北の聖人の噂は、王都だけでなく王国中に広がる事となる。
そして、王宮内の王族や貴族、アルティア正教、そして聖女自身すら無視できない状態となる。
聖人と呼ばれる男の預かり知らないところで、歴史は動き出すのである。
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