勇者パーティを追放された万能勇者、魔王のもとで働く事を決意する~おかしな魔王とおかしな部下と管理職~

龍央

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第15話 勇者、仕事を終わらせて帰還する

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「おはよう」
「おはようございます、カーライルさん。よく眠れましたか?」
「おかげ様でな。ここ数日の疲れも取れたようだ」

 宿に泊まって夜が明けた朝、起きて来た俺を、食堂のテーブルについて優雅にお茶を飲みながら迎えるフラン。
 お茶は良いんだが……テーブルに立派に主張しているな体の柔らかい一部が乗ってるぞ?
 重いのかな……?

「……変な所を見ないで下さい……オッサンですか」
「オッサンとは失礼な。俺はまだ21だ」

 フランから注意されて、注目していた一部分から目を離す。
 いやぁ、あの大きさはどうしても目が行ってしまうなぁ……仕方ない事だ、うむ。
 さすがに重いのなら俺が持ってやる……なんてことは言わないが。

「さて、馬の用意はできたか?」
「はい。この町で用意できる馬で、一番早い馬を用意させました。どうせまた潰す事になるんでしょうけど……」

 朝食を宿で済ませた俺達は、街から出て魔王城へと帰る。

「では、行くぞ」
「加減はして下さいね」

 フランに前もって言われたため、今回は少し遅めに走る。
 馬を潰さない程度にな……フランが乗る度に馬が潰れていたらかわいそうだし……。

「……この速度なら大丈夫か?」
「な、なんとか……ですが、これは中々……」

 俺が走りながら、速度を調整してフランに聞く。
 フランは一生懸命馬を操りながら俺に付いて来るが、割といっぱいいっぱいなようだ。
 まぁ、大丈夫と言うなら良いだろう。
 俺はそのまま走る事にした。

「あのー……今……木が吹っ飛んだように見えたんですが?」
「気のせいだろ?」

 山を越えてる時、真っ直ぐ進むのに邪魔だった木があったような気がしたが、それに構わず進む。
 わざわざ道を迂回するのも面倒だからな。

「レロンに行く時、途中で倒れてた木はカーライルさんの仕業でしたか……魔物かと思ってました」

 走る俺に何とかついて来ながら、後ろでフランが何か言っているが、それも無視してひたすら走った。

「到着だ。速度を遅めにしたから、多少時間がかかってしまったな」
「……これでも十分短い時間ですけどね」

 魔王城に着いたのは、昼も大分過ぎた頃だ。
 フランは馬を預けに俺から離れ、俺は昨日ここに来た時に寄った所へ向かう。

「カーライルさん、もうお帰りで?」
「ああ。報告もしたいから、案内を頼む」

 昨日案内してくれた兵士に、今日も案内を頼んで城の中に入る。
 フランは馬を預けたら、後ででも来るだろう

「アルベーリ様、カーライル様が戻られました」
「…………入れ」

 何か部屋の中でガタゴトと音がしていたが、本当に大丈夫か?

「帰りましたよっと」

 中に声を掛けながら、兵士を残して俺だけ部屋に入る。

「カーライル……早かったな……ふぅ……はぁ……」
「何故また昨日と同じ格好で……しかも息まで切らして……」
「なに、また筋肉トレーニングをしてる時だったのでな」

 この魔王、筋肉トレーニングが趣味なのだろうか……そんな事してて国の采配とかは大丈夫なのか?
 とは言え、アルベーリの肉体はしっかりと鍛えられているように見える。
 これが筋肉好きの女なら、見惚れてる事だろう。

「アルベーリ様、ただいま戻りました」
「うむ」
「お前、窓から入るのが趣味なのか?」

 置いて来たはずのフランが、部屋の窓から侵入して、しれっと挨拶をする。
 アルベーリも普通に返してるが……魔王がいる部屋に窓から平気で侵入するって……城の守りは一体どうなってるんだと問い詰めたい。
 まぁ、時間の無駄になりそうだからしないが……。

「考えていたより早い帰りだったが……首尾の方は?」
「まぁ、少しだけ残して大量のグリフォンを討伐して来たぞ」
「アルベーリ様、聞いて下さい! この勇者、非常識過ぎるんですよ!」
「う、うむ?」

 フラン、俺が非常識と言うのはどういう事だ。
 と言うか、魔族の王であるアルベーリに、そんな近所のおばさんが世間話するような喋り方で良いのだろうか?
 アルベーリも少し気圧されてるし……。


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