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人気“○ーチューバー”の裏側

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「こんにちはっ、とあちゃんですっ!さっき学校から帰宅しましたっ♫」

雪がチラチラと舞い、息が白く染まる頃。
夕方のリビングにはオレンジ色の光が差し込み、部屋を明るく照らしていた。

ソファに座ったわたしの前には、ビデオカメラを片手に笑顔を見せる母がいる。
…そしてその横のテーブルの上には「布団叩き」や「孫の手」等の“道具”が沢山並んでいた。

・・・

わたしは一年くらい前から「○ーチューバー」という“配信”のお仕事を始めた。

特に事務所には入らず、母と2人の個人で投稿を続けている。

投稿する動画のテーマは“チャレンジ系”で、さまざまな“身体を張った実験”をするのが主な内容だ。

…ただ学校のみんなにも見られて“あらゆる”感想を言われるので、本当はやめたくて仕方なかった。

……でも“この話”をするたびに母からの“お仕置き”が待っているので、作られた笑顔をカメラに向ける日々が続いている。

・・・

「じゃあ今日は“家にある道具でお尻を叩くとどれが1番高い音が出るのか”を実験してみたいと思いますっ♫」

「テーブルの上に“いい音”が出そうなお道具を沢山並べてみましたっ!」

「どのお道具が1番高い音が出るか、皆さんも予想してみてくださいっ♫」

昨日母に渡され必死に暗記した台本のセリフを言い終えると、わたしはソファの上に膝立ちになり、母にお尻を向けた。

ソファの寄りかかる部分に手を乗せると、足を肩幅に開く。
少し成長した小ぶりのお尻をカメラに向ける屈辱感に耐え、笑顔を保ったまま後ろを振り向いた。

「皆さんにお尻を向けてごめんなさい、後でお母さんにたっぷり“お仕置き”してもらいますねっ♫」

“お決まりのセリフ”を言い終えると、母はわたしの近くに寄り太ももからお尻までをドアップで撮影する。
一通り撮り終えると、母は元の位置に移動した。

「じゃあお母さん、お願いしますっ♫」

わたしがお願いすると、母は“定規”を手に取り無防備なお尻にピタッと当てた。

パァンッ

「んっ…」

高めの音が部屋中にこだまする。
お気に入りのフリルがついたスカートの上からお尻を叩かれ、わたしの声が小さく漏れた。

「さあ、どんどんいくよーっ♫次は何かなーっ。」

チラッとお母さんの方を向くと、次は“布団叩き”を手に取るのがわかった。

「次は布団叩きみたいっ!高い音が出るかなぁ。」

パァァンッ!!

「あうぅっ!」

スカートとパンツ越しからでも感じる“痛み”に、わたしの驚きの声が上がる。

叩かれた後もヒリヒリとお尻に痛みが残る感覚に、わたしは涙目になっていた。

『もう少し優しく叩いて…。』

縋るようにお母さんの方を見ると、今度は“靴べら”を手に取っていた。

「つ、次は靴べらだねっ!さ、さっきよりも大きい音が出るかなぁ…。」

パァァンッ!

…。



その調子で合計10種類のお道具当てが終わり、わたしはジンジンするお尻を庇いながら、ソファに座っていた。

「はいっ、…ということで、1番音が高かったのは“布団叩き”でしたっ!」

「…ぐすっ。…みんなもこれでお尻を叩かれないように、いい子でいましょうねっ。……じゃあ、ばいばぁーいっ♫」

お尻の痛みから顔が赤くなり、涙目となっているわたしだが、最後は満面の笑みで挨拶を終える。

ピッ

「…終わりよ。」

お母さんの声が聞こえた瞬間、わたしはお尻を押さえ、声の聞こえた方を見つめる。

「とあ、…今のリアクションは何?」

わたしが抗議しようと口を開きかけた時、お母さんはわたしを睨みつけながら腕を組んだ。

「…え?」

「どうして、そんな弱々しいリアクションをするのっ?」

「え、…えっと。」

「視聴者の方は“とあのリアクション”を求めて見に来てくれるのよっ!…前の動画のコメントは見なかったのっ!?」

…。

コメントはちゃんと確認した。

『とあちゃん可愛いですっ!もっと痛がってる表情だと、最高です!』
『お母さんのしっかりとした普段の躾があってこそのリアクション』
『もっと過激なのが欲しい。泣き叫ぶ感じのとか』
『今日の動画は少し反抗的に感じたので、次回はお仕置き動画を希望します』

…そのほとんどが、わたしが痛がっている様子をただ楽しんでいるものだった。
しかも要求は動画を上げるたびに過激になり、ついには『生尻を叩いて欲しい』なんて意見もあるくらいだ。

さすがに○ーチューブの規約があるためそれは出来ないが、グレーゾーンな内容の動画は数多く出されてきた。

…今回も母は、わたしの“痛がる様子”を求めているようだ。

「…厳しくお仕置きした後じゃないと、いいリアクションが出来ないみたいね。」

「…ひっ。」

「とあ、ソファの上でさっきの動画と同じお尻を叩かれる姿勢になりなさい。」

ビデオカメラを置き、代わりに布団叩きを手に取った母が、そう命令する。

「…お、お母さん、ちゃ、ちゃんとリアクション取るから、許して…。」

「ダメよ。やっぱり真っ赤にした後のお尻じゃないと、リアリティが出ないものね。…早くしないと、テーブルにあるお道具を全部使うわよ?」

「ひぃっ!い、今なりますっ!?」

わたしは慌てながら先程の姿勢になる。
これから“自分に起こること”を想像し、顔が青く染まっていった。

「じゃあ、スカートとパンツを膝まで下ろして、お尻をもっと突き出しなさい。」

「…はい。」

わたしは震える手でスカートのチャックを下げる。
支えを失ったスカートは、そのままソファにパサッと落ちた。

次に少し汗ばんだパンツをスゥッと下ろすと、ジンジンしているお尻に、部屋の冷たい空気が当たる。

最後にお尻を大きく突き出すと、屈辱的な感覚に、わたしの目からは一筋の涙が流れた。
母はわたしのお尻に優しく触れる。

「んっ…。」

「ほんのり赤いけど、まだまだ足りないわね。」

反対側から見る母からは、わたしの“恥ずかしい所”が丸見えの状態だ。
本当は手で隠したいが、恐ろしい追加罰が与えられるのがオチなので、ソファの腰掛け部分を掴みながら必死に耐える。

「今から布団叩きで“お尻百叩き”をするわ。…その後動画の撮り直しよ。」

「…はい。」

「…しっかりリアクションが取れるまで何度でもやり直すから、そのつもりでいなさい。」

「…よろしく、お願いします…。」

震える声でお願いすると、お母さんの手がお尻から離れる。

ピタッ

「冷たい…。」

代わりに布団叩きがお尻に当てられ、ぶたれるのを待たされた。

ビュッ バッヂィィンッ!!

「いっだぁぁいっ!?」

先ほどの撮影の時とは比べ物にならないほどの痛みが、わたしのお尻に与えられた。
一瞬でお尻が真っ赤に腫れ上がる感覚に、わたしの呼吸が荒くなる。

バヂンッ!バヂンッ!バッヂィィンッ!!

「ごめんなざいぃぃっ!!」

3回連続でお尻の端を叩かれて、わたしの姿勢が崩れかける。

バッヂィィンッ!!

「ああ゛ぁっ!?」

反対側のお尻の端が叩かれ、わたしの姿勢が“痛み”を避けるように強制的に戻された。

バッヂィィンッ!!バッヂィィンッ!!バッヂィィンッ!!

「もうむり゛ぃぃぃっ!?」

鳴り止まない痛みに、わたしは絶望感に包まれる。

すでに限界を迎えているお尻からは、うすく湯気が出ている感じがした。



…結局、わたしは100発分お尻を叩かれ、動画の撮り直しをさせられる。

……初めの挨拶から終始大泣きしている“異例”の動画は、再生数が“過去1番”に高くなるのだった。


「完」
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