“5分”で読めるお仕置きストーリー

ロアケーキ

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“身代わり”折檻(後編)

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ビッヂィィンッ!!

「ごめんなざぁいっ!!」

ビッヂィンッ!

「いだいっ!」

次のお仕置きが始まり、しばらく時間が経つ。

現在は、夕日が部屋全体を照らし出し、お仕置きされている“大切なところ”が、更に赤く腫れているような感覚を得る。

ビッヂィィンッ!!

「んん゛っ!!」

ビヂンッ!

「い゛っ!」

相変わらず、わたし達のお仕置きは続いており、まだまだ終わる気配はない。

また、しばらくしてから気づいたが、わたしよりも、妹の方が強く叩かれている気がする。

その明らかに厳しい音は、わたしの身体を震え上がらせると同時に、ある“感情”が芽生えてくるのがわかった。

「…お、お母さん…。」

「なに?……まさか、“やめたい”なんていうんじゃないでしょうね?」

その考えに至った母が、きつくわたしを睨みつけてくる。
恐ろしさから、わたしは“ごくりっ”と唾を飲み、手汗の滲んだ妹の手を、再び、強く握った。

「違うのっ!…ただ、わたしよりも、りなの方が強く叩かれてる気がして…。」

「……お、お姉ちゃん?」

隣では、わたしが、“やめたい”と言い出すと思っていたであろう妹が、予想外の言葉に困惑している。

「なんだ、そんなこと?……当たり前でしょ?悪いのはりななんだから。…で、それがどうしたの?」

…“予想通り”の反応に、わたしの意思は決まる。

「なら、わたしの方を強く叩いてっ。…そして、もっとりなの方を弱くして欲しいのっ!」

「お、お姉ちゃんっ!?」

「……別にいいけど、…なんでそこまでするの?……お姉ちゃんが痛いだけでしょ?」

「それは、…ただ、りなが辛い顔を見たくないだけなのっ!……わたしはどれだけ痛くてもいいからっ!だから、お願いっ!!」

“理解できない”
そんな感じの反応をした母は、「はぁ…。」とため息をつく。

「わかった。じゃあ、お姉ちゃんのほうを強く叩いてあげる。……もっと脚を広げなさい。その分、りなの方を軽くしてあげるから。」

「……わかった。」

わたしは、“くいっと”さらに脚を広げる。
恥ずかしいという感情も湧き上がるが、それ以上に、厳しいお仕置きに対する“恐怖感”が、溢れ出しそうだった。

ビヂンッ!

「ん゛っ!」

先に、りなの方へ、定規が当たる。
これまでで、1番軽めの音が響き、“少し安心した”自分がいた気がした。

ビッヂィィンッ!!

「あ゛あんっ!!」

…代わりに、宣告通り、厳しい衝撃が、わたしに打ち付けられる。
当たった部分を確認すると、そこは青痣が浮かび上がっており、見ただけで痛々しさが伝わってくるものだった。

ビヂンッ!

「いだいっ!」

ビッヂィィィン!!!

「ぎゃぁぁぁっ!!!」

先程よりも、厳しい音が、部屋の中に鳴り響く。
さらに、濃い痣が浮かび上がったそこは、“ジグジグ”と痛み、わたしへ悲鳴を上げているようだった。

「…グスッ……。いだいよぉ…。」

再度、わたしの目からは、涙が決壊する。

「うぇぇーんっ!…お姉ちゃん、ごめんなざいぃっ!!」

その様子を見ていた妹は、大泣きで、“懺悔”するように、わたしの手を握りしめた。

「…グスッ…、大丈夫だよ。……“りなは悪くない”んだから、安心して。」

「お、お姉ちゃん……。」

少しでも妹を落ち着かせようと、必死に言葉を絞り出す。

ビッヂィィィン!!!

「あ゛あぁぁぁぁっ!!」

「おねえちゃんっ!?」

「………それ、どういうこと?」

わたしの“大切なところ”が再度、悲鳴を上げる。

いきなりのことで、状況がわからない妹は、“あわあわ”と、わたしの様子を伺いながら、心配してくれているようだった。

「“りなが悪くない”って、どういうことかって聞いてるのっ!?」

ビッヂィィィン!!!

「いっだぁぁぁいぃっ!!」

……余程、気に召さなかったのだろうか。
冷たい顔をした母は、これまでよりもきつく、わたしを睨みつけた。

「…だ、だってっ!…おトイレに行かせなかったのは、お母さんでしょっ!?……だから、りなは悪くないのっ!!」

「お仕置き中にトイレに行きたがる、りなが悪いんでしょっ!?」

ビッヂィィィン!!!

「い゛いぃっ!!……それでもっ!!…ちょ、長時間お仕置きしてたのは、お母さんでしょっ!?」

「ママが悪いって言いたいのっ!?」

ビッヂィィィン!!!

「だいぃぃっ!!」

…恐らく、初めてであろう。
自分のお仕置きでも、一度も反抗したことのないわたしが、りなへのお仕置きに対して、反抗してしまった。

『ここで“折れてはいけない”』
という謎の“意思”が働き、負けじと母を睨みつける。

「…なに、その目は?……はぁ…。
……わかったわ。りなは悪くないんでしょ?…なら、残りのお仕置きは、お姉ちゃん、あんたが全部受けなさい?」

「っ!?………わかった。じゃあ、もうりなは許して?」

「お姉ちゃんが“ちゃんと”受けられたら許すって最初に言ったでしょ?……りな、あんたはそのままの姿勢で反省してなさい。」

「は、はいぃっ!?」

母に睨まれ、“びくっと”なった妹が、姿勢を戻す。
そして母は、すぐにわたしの方へ向き直る。

「…そのまま待ってなさい。」

そういうと、母はキッチンへ行き、コップ一杯に“並々とついだ水”を持ってくる。

“バシャッ”

「…つめたぃっ!?」

「……知ってる?濡れた肌へのお仕置きは、さらに痛みを強く感じるのよ?…“ママへ反抗した罰”には、ちょうどいいでしょ?」

腫れた肌にかけられた水が、熱を少しずつ覚ましていく。
むしろ、『少し気持ちいい』と思ってしまったくらいだ。

「さあ、お姉ちゃん、覚悟しなさい?…あと100回くらい、どれだけ泣き叫んでも、ちゃんと受け終わるまではやめないからね。」

「……はい。」

ビッヂィィィン!!!

「いぎゃぁぁぁっ!!」

……嘘でしょ?
それまでのお仕置きとは、比べ物にならないほどの痛みだった。

濡れた肌に当たる衝撃は、痛みを吸収し、鋭いもので刺されたような感覚が響き渡る。

「お姉ちゃん、まだ1回目よ?…誰が脚を閉じていいって言ったの?」

「…グスッ……。」

気がつくと、わたしは脚を閉じ、空いている左手で、叩かれた部分を必死にさすってしまっていた。

「いますぐ、脚を広げてその手をどけなさい。……じゃないと、この罰をりなに与えるわよ?」

「…っ!?」

“りな”の名前を出され、わたしは恐る恐る脚を広げる。
そして、手を離すと、そこは青紫色の痣となり、目を背けたいほどの有様になっていた。

ビッヂィィィン!!!

「あ゛ぁぁぁぁっ!!」

「ん゛っ!!」

再度、振り下ろされる鋭い痛みに、わたしは妹と繋いだ腕に力が入ってしまう。
…だが、そんなことを気にする余裕がないほどに、わたしは痛みにのたうち回っていた。

「お姉ちゃん、いい加減にしなさいっ!ちゃんとお仕置きを受けられないのっ!?」

「ママァッ!ごめんなざいっ!!りなが悪いんですっ!!りなに……、りなにお仕置きをしてぐださいっ!!」

「りなっ!黙ってなさいっ!!いまはお姉ちゃんにお仕置きしてるのっ!!……あんたには後で“仕上げ”してあげるから、そのまま待ってなさいっ!」

妹が大泣きしながら母へ訴えるが、当然の如く、その意見が通ることはない。

無力な妹のせめてもの“償い”か、強く手を握ってきてくれるのがわかった。

そんな、心が完全に折れてしまったわたしに向けられたのは、“妹の心配する瞳”と、怒りが治らない母の、高々と振り上げられた“定規”だった…。



「……グス…。いだいぃ…。……いだいよぉ…。」

それから、何度かやり直しをされ、結局終わったのは、日が完全に沈み、月の光が辺りを照らすころだった。

“パチッ”

電気をつけられて、目が眩む。

少しずつ慣れていた視界で“その場所”を見ると、初めからその色だったかのように変色していた。

「お、おねえちゃん…。」

妹はまた泣きそうな目で“まじまじ”と、わたしのお仕置き跡を見つめる。

だが、“触れる”だけでも激痛が走りそうなそこを見てためらっているのか、ぎこちなく手を伸ばしは閉じを繰り返していた。

「りな。“お漏らしの罰”は、お姉ちゃんが代わりに受けてくれたから、許してあげるわ。……でも、あんたにはまだ罰が残ってるわよ?」

「……はい。」

そんな母の手には、お仕置きの際に使われる“洗濯バサミ”が握られていた。

妹は“お仕置きの内容”を察したのか、涙目になりながら、震えている。

…だが、これ以上はわたしに頼れないと思っているのか、わたしに助けは求めず、必死に母と向き合っていた。

「これからりなへ“仕上げのお仕置き”をするけど、……お姉ちゃんも受けるの?」

「……う、うげますっ!」

…もはや、“条件反射”というべきか、何かを考える前に言葉が出ていた。

そのわたしの言葉に、妹は驚いたような表情で振り返る。

「お、おねえちゃんっ!?もういいよぉっ!!りなが全部受けるからっ!…だから、もう休んでてっ!!………お願いだからぁ…。」

優しい妹は、わたしの心配をしてくれているのか、涙を流しながら、怒鳴るようにお願いをする。

…だが、“皮肉にも”その様子を見て、わたしの意思はさらに強いものとなる。

そして、自分の体に鞭打つように、必死にテーブルから降りると、お立たせの姿勢となった。

「…お姉ちゃんは、大丈夫だから。……だから、この罰も、“半分こ”にしよ?」

「……グスッ…ごめんなさい。」

妹からの返答は“謝罪”だった。

…きっと、妹も怖かったのだろう。
ぎこちなかった手は、わたしのことを抱きしめる手に変わっていた。

「その様子だと、どんな罰を受けるのか、わかってるみたいね。…じゃあ、りなもお姉ちゃんと同じ姿勢になりなさい。」

「……はい。」

妹は、わたしから離れると、震えながら言われた姿勢となる。

母は、その様子を確認すると、わたし達の“大切なところ”を開き、敏感な部分を洗濯バサミで挟んだ。

「ひぃっ!?」 

「い゛っだぁぁいぃっ!?」

すでに限界を迎えている“そこ”へ加えられる痛みは、わたし達の悲鳴を上げさせるには十分なものだった。

特に、変色しているわたしの方では、常に“ズキッ”とした、突き刺すような痛みが与えられ続ける。

「さあ、仕上げとして、この“洗濯バサミの部分”をそれぞれ5回ずつ、定規で叩いてあげます。……かなり辛いだろうけど、我慢しなさい。」

そういうと、母はまず、妹の洗濯バサミへ、“パチッ”と軽く定規を当てた。

バッヂン!

「きゃぁぁぁっ!!」

思いっきり定規が振り下ろされ、洗濯バサミに命中する。
痛々しいその光景は、当たった後の洗濯バサミの衝撃が“振動となり”揺れ続けることで、より長く痛みを与え続けているようだった。

バッヂン!

「だいぃぃっ!!」

今度はわたしに罰が与えられる。
挟まれるだけでも痛む“そこ”は、衝撃を加えられることで、より強い痛みへと変わっていく…。

「次は連続よ。…まずはりなから。」

“パチッ”

「ひっ!?」

“連続”の宣言を受け、妹の表情が強張る。
…だが、母は“そんなこと”などお構いなしに、定規を振り上げた。

バッヂン!バッヂン!バッヂィン!

「い゛っ!ああっ!あ゛んっ!!」

容赦なく振り下ろされる一撃に、妹の姿勢は崩れかける。

なんとか、そのまま姿勢を保つと、目からは大粒の涙が溢れ出していた。

『つ、次はわたしだ…。』

恐怖で怯えるわたし方へ、母は向き直ると、その口元が“にやり”と釣り上がった感じがした。

バッヂン!バッヂン!バッヂィィンッ!!

「あ゛あぁぁっ!ちぎれるぅっ!!」

妹よりも大きな音が、静まり返った部屋中へと響き渡った。

こんな衝撃を加えられても、洗濯バサミはしつこく粘り、振動によってさらに痛みを増幅させる。
引きちぎられるような痛みは、気が狂いそうになるほどに、わたしへと襲いかかってきた。

「ほら、あとは1発ずつよ。」

妹の方へ向き直った母は、洗濯バサミを“ペンッペンッ”と当てる。

「んっ!いっ!」

…もはや、“それだけ”でも痛むのであろう。
妹は、フルフルと震えながら、必死に次の衝撃に備えていた。

バッヂィンッ!!

「いっだぁぁぁいぃっ!!」

これまでよりも強い音が、妹の下半身から鳴り響く。

「……うぇぇーんっ!!…いだいぃっ!」

ついに堪えきれなくなってしまったのか、妹の涙が決壊する。

唯一の救いは、姿勢が保たれていることだろうか。
……きっと、これが崩れていたら、“初めからやり直し”だったであろうから。

“ペンッペンッ”

「ひいっ!?」

そんな妹に構うことなく、母はわたしの洗濯バサミへ定規を当てる。

“ズキッ…ズキィッ”

たったそれだけで、わたしの“大切なところ”は悲鳴を上げるように、痛みで警告を送ってくるのだった。

バッヂィィィンッ!!!

“バヂッ”

「ぎゃぁぁぁぁっ!!」

衝撃に耐えきれなかった洗濯バサミが、床に虚しく“ボトッ”と落ちた。

ついに“ちぎれてしまったのではないか”、という痛みが下半身を駆け巡る感覚を得る。

姿勢を保っているのが“奇跡”なほどの衝撃だったが、“血は流れていない”という事実が、わたしの中の最悪を免れていた。

「よく頑張ったわね。…もう許してあげるわ。お仕置きはこれで終了よ。」

「ん゛っ!」

妹の下半身にまだ残る“洗濯バサミ”を取ると、母はリビングを出て行った。

「洗面器と薬はここに置いておくから、後は、自分達でやりなさい。」

戻ってきた母がそういうと、今度はキッチンへと向かって行った。
…恐らく、夕飯の準備を始めるのだろう。



「りな…こっちおいで。」

わたしは手招きでりなを呼ぶと、“トコトコ”とりながやってくる。

「ソファに座っておまた開いて、まずは冷やすから。」

「っ!?…う、うん。わかった。」

この“姿勢”に恐怖感を持っているのか、一瞬顔が強張り、すぐに元に戻った。

『言い方も気をつけなきゃ…。』

“優しい言葉”にしようと意識すると、真っ赤に腫れ上がった“大切なところ”に、ゆっくりと、絞ったタオルをのせた。

「ひゃあっ!!」

「ごめん、りな…。少し我慢してね。」

「…うん。我慢する。」

素直な妹を抱き寄せながら、頭を撫でてあげる。
少し冷えてきた身体へ熱を与え合うと、妹も背中へ手を回してきた。

「……ごめんなさい。お姉ちゃん。……りなのせいで、お姉ちゃんも痛くなって…。」

耳元でささやかれる妹の声に、わたしはそっと周りを見回し、“誰もいない”ことを確認する。

「大丈夫だよ。“りなは悪くない”から。……だから、またいつでもお姉ちゃんを頼ってね。」

「……グスッ…。……お姉ちゃん、だいすき。」

「わたしも、りなが大好きだよ。」

わたしの胸のあたりに寄せられた妹の顔が、また熱くなるのがわかった。

そして、このまましばらく過ごし、“料理が自慢”の母から、夕飯の合図が出されるのだった…。


「完」
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